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  • 目ざめよ! 1979
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目ざめよ! 1979
目79 10/8 3–4ページ

刑務所は犯罪の歯止めになるか

受刑者は不正な者として入所し,更生して出所するか

「我々が何にも増して必要としているのは,判決に対する新たな取組み方ではなく,道徳に対する新たな取組み方である」。これは香港<ホンコン>のアラン・ハギンズ上級判事の言葉です。

犯罪発生率が急上昇し,より多くの法を求める声や,せめて刑法の改正を,と訴える声が高まっている時にあって,ハギンズ判事は正に問題の核心を突いていました。

犯罪に歯止めをかけるため,あるいは少なくとも犯罪を減少させるためにどんな手を打てるでしょうか。犯罪に対する戦いのどこに欠陥があるのでしょうか。ある筋からは,刑罰を重くせよ,法の執行を厳重にせよという声が聞かれます。その一方で,法律をもっとゆるやかに,言い渡される判決をもっと寛大に,と唱える人がいます。刑務所制度が犯罪行為の矯正法ではない,という点で多くの人の意見は一致を見ています。その結果,ここ十年ほどの間に,自国の法律や刑罰制度を検討し直した政府も見られます。特に熱い論議を呼んだのは,死刑の問題です。数多くの国は死刑を廃止しましたが,国によっては死刑復活を求める声の聞かれるようになったところもあります。姦通のような犯罪が余りにも一般化しているため,ある国では,それに対する刑罰を全廃しようとする方向へと意見が傾いています。

エスカレートする犯罪という問題に取組む研究者の中には,増加の程度を左右するのは法の厳格さやゆるやかさではないと論じる人もいます。むしろ,法に対する不敬の念は裁判所の下す不平等な判決によって助長されるとか,一つは訴訟過程に見られる腐敗が大きな要因であるとか,多くの場合に,刑務所自体が犯罪の温床となっているとかいうのがその意見です。

劣悪な,刑務所の現状

南米の著名な国にある大きな刑務所に関して,同地から寄せられた一ジャーナリストの報告は次のように述べています。『性的な暴行は日常茶飯事と化した。一人の若い受刑者はひどい仕打ちから逃れるために,わずか1㍍四方の独房に入れられることを望んだ。社会からはみ出して生活し,受刑者の数が定員の三倍(最大収容人員1,800名として建てられた諸施設に約5,200名)にもなろうとする刑務所に隔離され,全く信じ難いような乱行の見られる監房に何十人となく詰め込まれた男たちの行状に,いったい何を期待できるだろう。非行者が刑期を終えて出所するとき,入所したときよりも堕落しているのであれば,その者は良くなるはずがない』。

同様に,ヨーロッパの一刑務所で20か月服役した一人の男の人は次のように観察しています。「日常の話題といえば,自分の行なった犯罪や出所の暁にやり遂げようとしている将来の犯罪のことだった。経験,腕前,手口などに関する情報を交換し,次回には犯罪が割に合ったものとなるよう受刑者は備えをするのである」。

クリスチャンとしての中立のために四つの異なった刑務所で服役した一クリスチャンはこう語っています。「刑務所は更生施設というよりも,非行者たちの養成所です。現代風のことわざに,『更生のために入所し,不正な者となって出所する』というものがあります。窃盗や使い込みなどのありふれた犯罪のために初めて刑務所に入り,その後再犯者として戻って来て,最後には常習犯になってしまうというような例がありました。私の知っている一人の受刑者は,五か国語を自由に操る小説家でした。この人は常習犯として服役していました。説明によると,その人は社会にも,家族や友人にも受け入れてもらえず,職を失ってしまったとのことです。ではどうすればよいのでしょうか。別の犯罪を犯して刑務所に戻るのです。そこでは,働くことも,食べることも,寝ることもできます」。もちろん,この人の人生観は間違っていますが,この人を徐々に常習犯にならせたのは,その挫折感でした。

更生を目指して払われている幾つかの努力

たいていどの国にも存在するこの驚くべき状態に対する憂慮の余り,更生計画によって事態を改善しようとする努力が払われるようになりました。こうした計画が良心的に実施されるなら,かなりの数の犯罪者は,特に初犯の場合など,社会の誉れある成員となるよう矯正され,全体の福利に資することになります。また,刑務所制度が犯罪者を更生させることができないため国民の肩にかかってくる経済面の大きな負担は,かなり軽減されるでしょう。

そのような矯正計画はある程度の成功を収めています。その成功の程度は,司法ならびに刑事当局者の側の熱意の有無,ならびにそれらの人々にあてがわれた財政援助によって左右されます。最近の一調査の対象となった19か国のうち,その大半の国の,比較的大きな刑務所で,環境が改善された所があります。刑務所は以前よりも清潔です。ささいな犯罪で有罪宣告を受けた人,特に初犯の人は,重大な罪を犯した者や常習犯とは分離されています。刑を定めるに当たってより広い裁量権を裁判官に与える規則が制定され,酌量すべき情状のある場合には刑を軽減できるようになっています。これは,受刑者を改心させるような傾向を造り出すことを目的としています。

受刑者に聖書を与え,宗教的な集いを設けるための組織が設けられています。服役者には“職業療法”が施され,有益な仕事を学ぶことにより自己の向上を図ることができるようになっています。学校の課程を供する刑務所もあります。その備えを利用する受刑者もわずかながらいますが,大多数はそっぽを向いています。

このように,良かれと思ってなされた努力にもかかわらず,刑務所制度によって犯罪を減らすという点では大きな成果は見られていません。成果をもたらすことのできる法律や刑法典の形態があるでしょうか。法律をより厳格にしたり,ゆるやかにしたりすれば,そうした成果が上がるのでしょうか。宗教上の法についてはどうですか。立法措置により正義を人々の内に植え込むことができますか。犯罪が除き去られ,その結果安心感が得られるという希望があるでしょうか。続く一連の記事は,わたしたちすべてに影響を及ぼすこうした問願を検討しています。

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