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目ざめよ! 1980
目80 6/8 7–12ページ

アルコールが人体に及ぼす影響

アルコールが人体にどんな影響を及ぼすかを理解するには,人体の細胞と器官系について知っておかなければなりません。これらの細胞や器官は,常に全力を出し切って働いているわけではありません。細胞や器官には“機能余力”とも呼ばれるものがあり,人体が余分の圧力を受けたときに使えるようになっています。ですから,腎臓を片方完全に取り除いても,通常の生活に支障はありません。正常な肝臓の約90%を除去しても,あるいは脳のかなりの部分を取り除いても,人は正常な活動をして生活してゆけます。

この“機能余力”のおかげで,過度の飲酒によって体に相当程度の負担をかけたとしても,体内でどんなことが起きているかに気付かずにすむのです。しかし,体内でどんなことが起きているかはわきまえておかなければなりません。

細胞に負担がかかると,その細胞は大きくなります。負担が大きく,いつまでも続くなら,細胞はやがて破壊されて死んでしまいます。しかし,負担が遅くならないうちに除かれれば,細胞は徐々にその正常な大きさと機能を取り戻すでしょう。自分の余力を使い果たし,傷付いたり破壊されたりした細胞が多くなりすぎた場合に初めて,自分が病気で,長期にわたって度を過ごしすぎたという点を認めざるを得なくなるのです。

幾らか大酒飲みの気のある人の多くには,健康上のひどい衰えは見られません。しかし,当人は気付いていなくても,その飲酒の習慣に端を発する,アルコールの関係した病気が数々あるかもしれません。その人の死因はごく一般的な病気にあるように思えるでしょう。しかし,同じ社会の同年輩の人々と比べて,10年も早く死が臨むかもしれません。

あなたはアルコール飲料を飲みますか。もしそうなら,どれほど飲みますか。どれくらいなら体に支障をきたさないものなのでしょうか。

飲酒の安全規準

人間の体がどれほどのアルコールを処理できるかという問題は非常に複雑です。アルコールの許容量には個人差があります。ある人には問題にならない量でも,別の人には多すぎるということがあります。中には,アルコール分を一滴でも飲むと,好ましくない影響を受ける人もいます。

日常の飲酒量について,“危険値”をどこに定めるかという点で,権威者たちは意見の一致を見ていません。しかし,権威者の多くは次の点では意見の一致を見ています。すなわち,普通の健康な大人の体で吸収し,分解できる量は,一時間に,蒸溜酒であれば30㍉㍑(シングル一杯),補強酒であれば60㍉㍑,食卓用ぶどう酒であれば120㍉㍑,ビールであれば240ないし300㍉㍑に限られるということです。別の権威者によれば,そのために二時間を見ておかねばなりません。言うまでもなく,皆が皆,健康であるわけではなく,健康状態によってかなり事情は変わってきます。

体が分解できる以上のアルコールを飲むと,その人の血中アルコール濃度が上がります。最初はくつろいだ気分になっても,血液中のアルコールの量が増えると,判断力や感情を制する力が失われます。次いで,筋肉の協調が損なわれ,それよりもさらに深刻な問題が追い打ちをかけます。

十代の若者が普通の大人の飲酒の習慣をまねようとすれば,悪い結果を身に招きます。十代の若者の体格は大人と同じではないので,アルコールによる抑制効果がより早く,より大幅に現われるのが普通です。同様に,若い人の感情も発達段階にあるので,すぐに酩酊の徴候を示し,性の衝動にもきわめて容易に屈しかねません。

では,大人の場合,長い時間をかけて飲み,一時間当たりに自分の体の処理できる以上のアルコール分を飲まない限り害はない,と考えても差し支えないでしょうか。必ずしもそうではありません。一日に人間の体が無理なく処理できる量には限界があります。その限界とはどれほどのものですか。

世界保健機関(WHO)や医学文献の挙げる数字にはかなりのばらつきがあります。例えば,WHOの一報告は,アルコール分120㌘(普通の量のアルコール飲料12杯分)を「飲みすぎ」としていました。それから二年後にWHOの出した報告では,危険値はその数値の半分足らずかもしれないと述べられていました。また,フランスの一調査の示すところによると,女性が(アルコール分10㌘を含む)普通の量のアルコール飲料を毎日一杯ずつ飲むだけでも,全く飲まない人よりも肝硬変になる率が高くなります。また,男性が毎日二杯ずつ飲むと,有害な結果を引き起こしかねない,とのことです。

どうして数値がこうも変わっているのでしょうか。一つには,その検査が異なったグループの人々を対象にしているからです。人はそれぞれ異なります。すべての人に同じ量のアルコールに対する耐性があるわけではありません。それが人の「飲めるはずの」量だというだけの理由で,毎日,一定量を飲むのは愚かなことと言えるでしょう。

危険にさらされているのは自分の健康である,ということを忘れてはなりません。飲酒によって,定期的に自分の体に過度の負担をかけているのなら,自分の“機能余力”を破壊していることになります。それは,あなたが病気へと向かっていることを意味します。

聖書は酔酒を率直に非としています。(エフェソス 5:18。ガラテア 5:21)大酒飲みは自分の健康を損ね,自分の命を危険にさらすだけでなく,他の人の命をも脅かします。しかし,聖書はそれだけでなく,さらにこう警告しています。「大酒を飲む者……の間に入ってはならない」。(箴 23:20,新)以上学んできた,アルコールの乱用が体の様々な器官に及ぼす影響は,この助言に含まれる知恵を如実に示しています。

知っておくべき影響

こなしきれないほどのアルコールに体がたびたびさらされるなら,多くの肢体に害が及び,その有毒な影響は蓄積されてゆきます。

肝臓: この器官は人体の主要な解毒器官で,わたしたちの吸入するガスを,また食物や水や薬物によって体内に入る化学物質を中和します。飲みすぎはこの肝要な働きを妨げるだけでなく,体内の化学物質という負荷を増し加えます。その上,赤血球や凝固物質の形成,およびバクテリアに対する防御機構の一端を担う肝臓の能力を減少させます。肝臓が損なわれると,少し挙げるだけでも,脱力感,静脈瘤,足首の腫脹,ホルモンの失調,性的不能,黄疽などの結果を引き起こします。

正常であれば柔らかいはずの肝臓は,酷使されると,肥大して,硬くなります。手遅れにならないうちに禁酒すれば,肝臓は正常な大きさに戻ります。しかし,大酒のために肝細胞のかなりの部分がすでに破壊されていれば,肝臓は萎縮して,硬化したまま二度と元通りにはなりません。

食道: 肝炎がひどくなると,消化管の静脈にかかる圧力が増大し,食道が胃につながる部位にある静脈は膨脹して,壁が薄くなります。それは容易に出血するようになり,時には大量の出血があることもあります。

胃: 少量のアルコールは胃液の分泌を促しますが,アルコール分の強い飲料を大量に飲むと,胃液の分泌が抑制されます。胃炎が生じ,消化液を分泌する胃の粘膜が損なわれ,胃の筋肉が動かなくなります。その結果,食物が十分に混ぜ合わせられたり,化学的に分解されたりすることがなくなります。大抵の場合,食べた物の養分を十分に摂取できないために,また,飲みすぎる人はアルコールで食欲を満たしてしまって,もっと必要とされる食物を摂らないために,栄養失調になってしまいます。

すい臓: すい臓は,食物を分解するための酵素や血糖値を調節するインシュリンを供給します。ところが,アルコールを飲みすぎると,酵素がすい臓に働きかけるようになり,すい臓の大部分が壊死に陥ります。その結果,インシュリンの生成が減り,軽い糖尿病を引き起こします。また,消化酵素が欠乏するため,食物はきちんと吸収されなくなります。関連した点として,引き起こされる痛みのために,その人が薬物(鎮痛剤)に依存するようになる危険性があります。

心臓と血液循環: 飲みすぎと共に,高血圧や心拍の異常が生じてゆくこともあります。心臓の細胞が大きくなるにつれて,心臓全体が肥大します。そうすると,心臓の弁がきちんと機能を果たさなくなり,心筋の動きは鈍くなり,血液の循環が損なわれます。体全体が適切な栄養分を受けられなくなり,毒素が蓄積されてゆきます。そのような症状に悩まされている人は,心臓発作や卒中になりやすくなります。

肺: アルコールを乱用する人々の間には,慢性の気管支炎や肺炎がよく見られます。よくある合併症は結核で,それは栄養不良や肺疾患になりやすくなっていることに原因があります。一調査は,結核患者の少なくとも50%はアルコール中毒者であることを示していました。

腎臓: アルコールを飲みすぎると,腎臓内の血管が大きくなります。尿の排泄量が多くなりすぎ,必要とされる水分が体から失われます。

脳と神経系: アルコールの飲みすぎは,特に神経系に害を及ぼします。脳も他の器官同様,大きな“機能余力”を有しています。ですから,憂慮すべき症状が現われないうちに,非常に多くの細胞が破壊されてしまうことがあります。しかし,他の器官の場合とは異なり,脳の被る損害は二度と元通りにならない場合があります。脳を細かく調べる人々は,アルコール中毒者の脳だけでなく,度を過ごして飲む社交的な飲酒家の脳も,実際に萎縮することを示しています。

アルコールが神経系に及ぼす影響は,記憶喪失という形で現われることがあります。酒を飲んだことは覚えていますが,翌朝になると,自分がどうやって帰宅したか,どこに車を置いたかを思い起こすことのできない人がいます。筋肉の協調の欠如や震えが数時間だけでなく,かなり長い期間続くようであれば,それは神経系が冒されている別の証拠です。

中には,“酒が回らないようにする”能力について誇らしげに話す人もいます。そうした人は大酒しても,しらふのように見えます。実際にはどんなことが起きているのでしょうか。必ずしも,そのような飲酒家が,余り害を受けずに多くを飲めるというわけではありません。そのような人はむしろ,アルコールに対するみかけの耐性を培ったにすぎず,その結果として,以前よりも大量に飲まなければ脳や神経系が警告を発しなくなってしまったのです。同時に,飲みすぎのために肝臓が損なわれていれば,アルコールを処理する体の能力は実際には衰えています。このような状態の下で飲酒を続ければ,全身に害が及び,それが増大するという結果になります。それは決して自慢できるようなことではありません。

脳と神経系は呼吸をもつかさどっています。ですから,酔酒にはゆゆしい危険があります。血中アルコール濃度が高くなりすぎると,体の肝要な機能も止まってしまうことがあります。

度を過ごしたアルコールが脳に及ぼす影響のために,大酒する人の人格は悪い影響を受けます。当人の健康が損なわれ,医師の手当を求めるようになる前にそうなるのです。それよりもずっと前に,その人は妻を身体的に虐待するようになり,信頼の置けない行動や理性的でない振る舞いのゆえに幾度か職を失うことにもなるでしょう。

飲みすぎた場合に自分の体内で何が起きるかを知り,自分の人格に生ずる変化が他の人々にも明らかになることを知るとき,分別のある人であれば,自分を省み,自分の飲酒の習慣について真剣に考えるはずです。“機能余力”が尽きてしまう前に,大酒を飲むことをどうしてやめようとしないのですか。

アルコールと薬剤を一緒に飲む

アルコールを薬剤と一緒に服用すると,器官のひどく損なわれる危険が著しく増大します。それがアスピリンや抗ヒスタミン剤のような,ごく普通の家庭常備薬である場合でもそう言えます。ある医学的な研究によれば,最もよく処方される薬剤100種のうち50種以上には,アルコールと一緒になると好ましくない反応を示す成分が少なくとも一つ含まれています。米国のカレン・クィンランという少女は,アルコールと精神安定剤を一緒に服用したため,幾年もの間,昏睡状態にあります。

中毒を引き起こす二つの成分が一緒になると,新しい毒素が形造られるというわけではありません。しかし,多くの場合,不適当な組み合わせで服用されると,いずれかの成分の効果が幾倍にも膨れ上がるのです。すでに弱っている肝臓は,衰弱の度を増し加えずには安全に処理できないほどの仕事に直面することになります。

アルコールの乱用に対処する方法

アルコールの乱用に対処する方法は,吸収の度合を遅らせるために,ポテト・チップや卵を食べるようなことにあるのではありません。飲み騒ぎの前にクリームを飲むことも解決策ではありません。吸収の度合を遅らせれば酔っ払わずに済むかもしれませんが,やはり飲みすぎることに変わりはないのです。

“酔いをさます”ために冷たいシャワーを浴びたり,ブラック・コーヒーを飲んだり,冷たい外気に当たったり,運動したり,ひと泳ぎしたりしたところで,解決策にはなりません。そのような活動は気分を変えるのに役立つとしても,体の血中アルコール濃度を変えることにも,細胞の破壊を遅らせることにもならないのです。

本当に必要とされているのは,アルコール飲料をたとえ飲むとしても,飲む際には節度を保つことです。そのために,助けになるものがありますか。

[9ページの図]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

飲みすぎが続くと,どんなことが起きるか

心臓

血液の循環が損なわれる

肝臓

毒素が蓄積する

腎臓

過度の排尿; 必要とされる水分が体から失われる

脳

記憶喪失; 人格に悪影響

食道

出血の危険性

肺

結核患者の50%はアルコール中毒者

胃

消化不良

すい臓

部分的に壊死状態に陥る

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