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目ざめよ! 1983
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望まれない外国人 ― どんな解決策があるか

ある晩,午後10時に,一人のメキシコ人の若者が他の11人と共にメキシコの町ティフアナと米国とを隔てる金網にできた穴を腹ばいになって通り抜けました。国境から24㌔ほど離れたところで一行は,金を出して雇った案内人の手配した車に迎えられました。この案内人は“コヨーテ”として知られています。車が発進せずに手間どりすぎたために,国境巡視隊に見つかり,彼らはメキシコに送還されました。

次の日の晩,その若者は他の15人と一緒にもう一度試みましたが,今度はヘリコプターの国境巡視隊に見つかってしまいました。ヘリコプターの回転翼<ローター>による気流の乱れで,彼らを覆っていたビニールシートがめくれて,一行はヘリコプターのスポットライトに照らし出されたのです。

その同じ週に3度目の挑戦をした時にも,またまた捕まり,退去させられました。この時は,一行が列車の線路づたいに歩いていた際に,音を探知する装置で探知されたのです。4度目には成功にこぎ着けました。

この若者は,国境巡視隊の懸命の努力にもかかわらず多くの国から米国に首尾よく入り込んだ,推定500万人の不法入国者の一人にすぎません。毎年ほぼ50万人がさらに流れ込んで来ています。逮捕されて退去させられる人が少なくないとはいえ,その大半はすぐに戻って来ます。自分たちが望まれていないと分かっている国に,これらの人々はどうしてこれほどまでも入りたがるのでしょうか。その主な要因は経済にあります。

米国および他の幾つかのヨーロッパ諸国の在留外人は,職を得て,国の貧しい親族に仕送りするお金を得たいと思っているのです。ヨーロッパのそうした在留外人は,トルコ,ポルトガル,ユーゴスラビアなどの祖国に,年間約120億㌦(約3兆円)を送金して,それらの国々の経済の重要な要素となっています。しかし,それらの人々の存在は問題を生み出しています。

職の奪い合い

緩慢な経済成長と失業の増大のために,職の激しい奪い合いが起きています。1950年代半ばから1970年代にかけて,幾つかのヨーロッパの国々は空きの出た勤め口を満たす移動労働者として約3,000万人の外国人の入国を認めました。それは,必要がなくなったら帰国するという理解のもとに行なわれました。しかし,その国にとどまることに決め,家族を呼び寄せた人は少なくありませんでした。これらの国には,依然として1,500万人ほどの移動労働者が生活しています。今では不景気のために,その国の市民と職を奪い合う在留外人が多すぎるのです。

英国では地元の人々とアジアおよび西インド諸島からの移動労働者との激しい衝突が生じました。西ドイツでは,デモや反移動労働者の事件が増えてきています。西ドイツのシュトゥットガルトでは,反トルコ感情をあらわにする団体がトルコ人を従業員名簿にとどめる会社に報復処置をとると脅しました。

1982年の夏には,トルコ人移動労働者のセムラ・エルタンという女性が自分の体に1ガロンのガソリンを注ぎ,焼身自殺を遂げました。ドイツ人がトルコ人を扱う仕方に絶望してのことでした。死ぬ前にこの女性はラジオ局に電話を入れ,「ドイツ人は私たちのことを犬のように扱うべきではありません! 人間らしく扱ってほしい」と言いました。

フランスではアルジェリア人の移動労働者とその家族に対する憎しみが募ってきています。スウェーデンは外国人の入国規制を厳しくしました。スイスは不法な移民を抑えるための措置を強化しました。イタリアでは密入国した外国人を雇った雇用者に厳しい罰則が科されることになると思われます。こうして,これらの国々の景気がよかった時には望まれていた在留外人が,今では望まれない人々になっているのです。

米国でも同じような不満が聞かれます。つまり在留外人が米国市民の必要とする職を奪い合っているというのです。募る敵意は,主にインドシナ人および中南米からの外国人に向けられています。ニューヨーク市立大学の一経済学者の調査が明らかにしたところによると,1970年代の後半に全米で生み出された新しい職全体の半分までが,合法的に入国した外国人や不法入国者に持ってゆかれました。テキサス州ヒューストンの2,000人の建設労働者を対象にした別の調査は,その40%が米国の市民権を持っていないことを明らかにしました。

州および地方自治体の当局者は,自分たちの予算では教育,保健衛生,生活保護などの形で外国人に対する幾百万ドルもの援助を継続することはできないとこぼしています。しかし,1982年6月に米国最高裁判所が下した判決では,各州は不法入国者の子弟が無償の教育を受けるのを拒んではならないと定めました。

出入国管理局の係官が米国各地の数多くの企業を1982年5月に手入れし,不法入国者の労働者を国外退去させたとき,それらの人たちの占めていた仕事を求める失業中のアメリカ人が大勢いました。一つの工場で,手入れの結果50の勤め口が空きましたが,それに対して1,000人の応募者がありました。シカゴの一食品工場には60の勤め口ができましたが,その工場は600人の申込書を受け取りました。ところが多くの場合に,市民は自分が得た職を嫌ってやめていきます。

サンフランシスコの北部にある鳥肉加工工場では,鳥の羽をむしる従業員18人が逮捕され,国外退去になりました。この仕事を求めて,数百人の申込みがありました。1週間以内に,新たに雇われた18人の従業員のうち14人がやめました。カリフォルニア州サンタローザの水産会社では,逮捕された不法入国者のしていた仕事を求めてきた人々が,魚の内臓を除くというその仕事をはねつけました。

手入れの結果,カリフォルニア州サンタアナの家具製造会社には,流れ作業のラインに約100人分の空きができました。その会社のスポークスマンは,政府の周旋所から送られてくる労働者たちはほとんど一日ももたなかったと語っています。仕事はきつくて単調であり,土地の人々はそれを望まないのです。

カリフォルニア州のあるいちご農園でも同じことが言えました。国外退去になった不法入国者の代わりにやって来た人々の大半は,仕事があまりにもきつかったために最初の日にやめてしまいました。一日中ひざをついて仕事をしたのです。

搾取される不法入国者

不法入国者を従業員として用いている雇用者が,国外退去を恐れる彼らの弱みにつけ込むのは珍しいことではありません。この記事の冒頭にあげた若いメキシコ人が一時期働いた勤め先は,米国の最低賃金の3分の1しか支払わず,残業手当も全く出しませんでした。

ニューヨーク市のチャイナタウンでは,香港<ホンコン>からの不法入国者60人が最低賃金の3分の1足らずで衣料産業の労働搾取工場で働いているのを摘発されました。マンハッタンの屋根裏の同様の労働搾取工場では,それよりもさらに低い賃金で,中国人,韓国人,キューバ人が働いていました。

不法入国者を雇っている,果物や野菜の生産者たちは,最低賃金を支払っていると主張しますが,そのお金は労働者を雇う労働請負人に支払われるのが普通です。自らも外国人であるこれらの請負人はしばしば,賃金からかなりの額を天引きし,汗水流して働いた労働者にはごくわずかしか残しません。

各国の市民よりもはるかに少ない賃金ですすんで働くので,外国人は衰えゆく産業に活気を呼び戻すことができます。これらの諸産業は外国人の存在なしにはつぶれてしまうと思われます。ですから,外国人はより高い賃金を要求するその国の人々の職を奪っているどころか,実際にはそれらの産業と関連する他の事業を活気づけて職を作り出しているのです。

問題に対処するための努力

ヨーロッパ諸国は自国にいる望まれない外国人が故国に帰ることを望んでおり,そうするよう圧力をかけています。フランスは,4,500㌦(約112万5,000円)プラス家族4人分の航空運賃という帰国補償金まで設けました。しかし,その圧力に応じる人の数は十分ではなく,結果として一触即発の状況が形造られてきています。

米国政府は移民法を修正する立法措置をとろうとしています。その法律は,不法入国者が居留要件にかなっていれば彼らに法的な身分を認め,それら幾百万もの人々を救済するものです。一方,その法律は,出入国管理局の人員と予算を増やし,外国人が米国に入るのを一層難しくしようとしています。それに加えて,不法入国者が職を得るのを一層難しくし,不法入国者を故意に雇い入れる雇用者に対する罰金刑や懲役刑まで定めています。この立法措置によって,米国政府は不法入国者の流入を減らしたいとしています。

居留要件にかなう人々に法的身分を与えるこの決定が下されたのは,すでに米国に居住している幾百万もの不法入国者を見つけ出して国外退去させるのは不可能であるからに違いありません。しかし,これらの人たちに法的身分を認めると,さらに大きな問題が生じます。出入国管理局はそれらの人々に居留文書を発行するという膨大な仕事を抱えることになります。ところが,同局はすでに処理できないほどの文書業務に追われているのです。合法的な居留を求める申請書の処理の面で幾年もの遅れが出ています。出入国管理局のサンフランシスコ地方局長は,「我々は恐るべき量の未処理文書を抱えており,ひどい遅れが出ている。遅れはますますひどくなってきている」と語りました。

欧米諸国は望まれない外国人が入って来ないようにベルリンの壁のようなものを築く訳にはいきません。国境巡視隊を強化したところで,中南米諸国の経済情勢の悪化や政治的動乱の増加に伴って増えている不法入国者の洪水を,米国政府がとどめることができるという希望はほとんどありません。

問題の唯一の解決策は,絶望に打ちひしがれた難民の洪水をひき起こしている世界的な経済および政治の諸体制を完全に変えることです。こうした変化をもたらそうとする人間の努力はいずれもみじめな失敗に終わっています。人間は,平和と一致をいよいよ促す,より安定した世界を作り上げる代わりに,政治的にはいよいよ分裂し,経済的にはますますもって不安定な世界を作り出しています。

望まれない外国人という問題に対する解決策を人間は持ち合わせていませんが,神にはその解決策があります。神がずっと昔に約束された世界政府は必要な変化をもたらす力を備えています。その支配のもとで人類はもはや人間に源を有する無数の争い合う政府に分裂するのではなく,神に源を有する一つの完全で公正な政府のもとに統一されるのです。その政府がもたらす安全についてミカ 4章3,4節の聖書預言は次のように述べています。「国民は国民に向かって剣を上げず,彼らはもはや戦いを学ばない。そして彼らはまさに,各々自分のぶどうの木の下,自分のいちじくの木の下に座り,これをおののかせる者はだれもいない」。

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