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目ざめよ! 1983
目83 7/22 16–18ページ

アフリカの巨大な蓄電池に充電する

南アフリカの「目ざめよ!」通信員

大都市の電力需要をまかなうほど強力な蓄電池があると知ったら驚かれますか。さらに驚くべきことに,「過充電する」ことによって水の不足している工業地帯に水を供給することさえできます。言うまでもなく,そのような装置は持ち運びができないので,それを調べるために,わたしたちは南アフリカ共和国の,レソトとの国境近くにあるドラケンズバーグ山脈の風光明媚な土地に旅行する必要があります。

わたしたちの立った見晴らし台は標高3,000㍍以上もあり,アフリカの大断崖の縁に位置しています。空気はさわやかに澄んでおり,眺望は絶佳です。わたしたちの背後には,内陸に向かって,ハイベルトとして知られている広大な中央高原が広がっています。こちら側では,トゥゲラ川が断崖を落下して緑の山ろくの丘に流れ込んでいます。始めは小さな流れにすぎませんが間もなく大きな川になります。

ドラケンズバーグ断崖から見下ろすと,二つの送電線が目につきます。それらの送電線は,空に煙をはき出す発電所に通じているのではなく,山ろくの丘の岩壁の中に突然消えています。その送電線の約400㍍上方,丘の頂上の向こう側には大きな貯水池があります。そこから約5㌔離れた所には第二の貯水池がありますが,それははるかに低い地点に設けられています。奇妙なことに,その貯水池の水深は常に変化しています。二つの貯水池が同時に満水になったり,空になったりすることはありません。実際,その水深の変化は1週間ごとに予測できます。金曜日の午後になると,下の方の貯水池は決まって満水になり,月曜日になるとその水はなくなって今度は上の方の貯水池があふれるばかりに水をたたえているのです。

目には見えませんが,二つの貯水池を結ぶトンネルと坑道が地下に張りめぐらされています。それらのトンネルは,ポンプにも電気をおこすタービンにもなる4基の大きな機械につながっています。上方の貯水池を満たすためには,2,600万立方㍍の水をくみ上げられなければなりません。これは,電気を供給するだけではなく,水の少ないハイベルトに水を供給する大きな蓄電池に例えることができます。この施設はドラケンズバーグ揚水蓄電事業と呼ばれています。

揚水の経費を上回る利点

蓄電池は有用ではありますが,大抵お金がかかり,再充電するのに時間が必要です。同様に,上の貯水池への揚水には電力が必要とされます。その貯水池をいっぱいにするのに35時間以上かかりますが,それは週末や夜間のオフピークの電力を利用して行なわれます。

現在,南アフリカの電力需要は,おもに火力発電所によってまかなわれており,その最大出力は約1万9,000メガワットです。したがって,ドラケンズバーグに蓄えられる余分のメガワットは緊急の時や電力需要のピーク時などに好都合な補充電力となります。食事の準備が行なわれる正午や夕方の早い時期には,ばく大な量の電力が消費されます。

火力発電所をもう一か所稼働させるとなると,建設費と空気の汚染の問題があります。さらに,低温からスタートして最大出力を得るまでに時間がかかります。論議をかもす原子力発電所は一定の出力でしか稼働しないので,オフピークの時期に電力が浪費されるという問題があります。揚水による蓄電の方法によると,2時間分の電気をおこすのに約3時間の揚水が必要とされます。それだけの価値があるのでしょうか。

ブリタニカ百科事典(英語版)は次のように述べています。「そのような設備は,純粋にエネルギーの観点から言えば効率は悪いが,実際的な意味では効率がよいと言える。なぜなら,オフピークの電力を浪費せずに利用することができるからである」。余剰電力を利用して,必要な時に電力に戻せるようにするのは,出回っている株を安値で買い,需要が増加した時にそれを売却して利益を得るのに似ています。

ドラケンズバーグ揚水蓄電事業には,拡大する内陸の産業に水を供給するという別の利点もあります。そのような産業には,南アフリカの最大の財源である金鉱が含まれます。南アフリカで生産される金は,世界の他の地域における金の総生産額を上回っています。どれだけ費用がかかっても十分の量の水が供給されなければなりません。ドラケンズバーグ事業の,上方の貯水池が満水になる週末の間,揚水作業はさらに10時間続けて行なわれます。このようにして毎週数百万立方メートルもの水がトゥゲラ盆地から,それよりはるかに高い所にあるバール盆地に移されるのです。高価な金の価格を考えると,それに要する経費はわずかなものと言わなければなりません。

どのように操業するか

トゥゲラ川の水が下方のキルバーン貯水池に導き入れられます。水はそこから山を貫いてくみ上げられ,上方のドリークルーフ貯水池を満たします。満水になるとこの上方の貯水池の水は別の貯水池に流れ込みます。これは南アフリカ最大の貯水池で,完成時には,世界最大の地壁の一つを持つことになります。

電力需要がピークに達する通常の週中の期間には,ポンプの使い方は逆になります。上の貯水池のいわば“プラグ”が抜かれます。水が降下する時,巨大なポンプはタービンとなって,3分以内に1,000メガワットの電力を発生します。もし必要なら,バッテリーの再充電が必要になる時まで,つまり上方の貯水池に水を再び満たさなければならなくなるまで,この出力を27.5時間保つことができます。(下のさし絵をご覧ください。)

地下発電所

4基の可逆ポンプ・タービンが,山の表面下100㍍以上の深さに掘られた空間に設けられています。この巨大な空洞の容積は,各階に二部屋の寝室からなる区画が77戸ある,13階建てのマンションの大きさに匹敵します。その両側には別の二つの大きな空間があり,そこには水の逆流を調整するバルブと,発電量を必要な送電レベルに調節する変圧器があります。

各々のポンプ・タービンの最大出力は270メガワットで,36万馬力以上に相当します。それは隣国のレソトが使用する最大出力をはるかに上回ります。揚水のためであろうと,発電のためであろうと,これらの巨大な機械は毎分375回転します。

コンクリート製の水路の直径は6㍍です。下方の貯水池に達するまでに,それらの水路は一緒になって,さらに大きな一つの水路を形成します。その中で水は毎時約200㌔もの猛スピードで流れます。これはすべて,人の目に見えない所,すなわちドラケンズバーグ山ろくの丘に生えている,風に揺れる草の下で行なわれているのです。

1892年,スイスのチューリヒの近くで世界最初の揚水蓄電事業が開始されて以来,その価値に対する評価は高まってきました。この方法は電力を蓄電する方法としては有効ですが,電気をおこすわけではありません。ポンプに揚水をさせるためには,他の場所にある発電所からの推力が得られなければなりません。水が流れ下る時にのみ,蓄えられていた水力エネルギーが回転軸の上で機械エネルギーとなり,発電機を動かして電気エネルギーを再び生じさせるのです。

[17ページの地図/図版]

(正式に組んだものについては出版物を参照)

ドリークルーフ

発電および揚水所

キルバーン

[18ページの図版]

発電の役を果たすとき

ドリークルーフ貯水池

キルバーン貯水池

[18ページの図版]

ポンプの役を果たすとき

ドリークルーフ貯水池

キルバーン貯水池

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