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目ざめよ! 1985
目85 7/8 25–27ページ

木からの贈り物

モロッコの「目ざめよ!」通信員

ノアの箱船,クラリネット,コペルニクスの地球儀,読者がいま読んでおられる雑誌。これらの共通点は何ですか。それは,すべてが同じ材料から,つまり木から作られているということです。人間の活動領域の中で,木がかかわってこなかった,あるいは今なおかかわっていないと言えるようなところはほとんどありません。森の中に立っていようと,伐採されようと,木は生物界,特に人間の世界に多くの贈り物を与えてくれます。

立ち木

森の中の木は美しく堂々としています。カンバの木の銀色の葉がかすかに揺れる様を見て心を動かされない人がいるでしょうか。あるいは,北アメリカのカエデが何とも言えず美しく紅葉した姿に驚嘆しない人がいるでしょうか。不快な臭いのする汚染された都会に生活している人で,森のきれいな空気を胸いっぱいに吸い込むときの心地良さを感じない人がいるでしょうか。それに,木は多くの鳥,齧歯動物,および他の野生動物の宿り場を提供します。日が落ちると,1本の木に数千羽の鳥の宿る場合があることをご存じでしたか。ここモロッコでは,やぎの宿り場になっている木まであり,やぎはアルガンの木に乗ってその葉をがつがつ食べてゆきます。

人間は立ち木から,コルク・乳樹脂・シロップ・松やに・テルペンチン・タンニン・染料などを取ります。立ち木が人間に与えてくれる他の贈り物としては,ゴム・絶縁材・糖剤・石けん・ニス・塗料・香料・香油・化粧品・医薬品・薬用茶などがあります。

木はほかにも重要な役割を果たします。大気中から二酸化炭素(人間には有害)を葉の中に取り込み,炭素は残して,命を支えるのに必要な酸素を放出します。このように木は,大気が動物と人間にとって呼吸しやすいものとなるようにしています。さらに木は,土壌に水を蓄え,雨水の流出をとどめることにより,土壌の浸食を防いでいます。木がかなりの量の水分を含んでいるため,日照りに遭っても森林はあまり影響を受けません。さらに,木は比較的弱い植物に湿気を分け与えます。アルジェリア南部のような半砂漠の地域にある大木は肥沃な地帯を形造っており,そこには小型の菜園が繁茂しています。

伐採された木

木が伐採される日,つまり切り倒されてその木材が用いられる日が来ると,木は次の三つのうちいずれかの方法で利用されると言えるでしょう。一つは燃料(まき,木炭,あるいはメタノールとして),一つは製紙用パルプです。製紙用パルプは木材の主要な利用法と言えるかもしれません。もう一つは建築資材(自然そのままの状態で,あるいはベニヤ合板やチップボードとして)に用いる方法です。冬の厳しい北アメリカやスカンジナビア半島では,優れた絶縁材である木材は貴重な建築資材です。そのような土地の多くの家は,石やれんがで表面を覆ってあるかもしれませんが,全体が木で造られています。

ふさわしい種類の木がふさわしい時に伐採され,適切な状況で用いられるなら,木は特に長持ちすることになります。約20年前,フランスの港町ラ・パリスで,作業中に2,000年前の木製の杭が発見されました。ソロモンの神殿の内壁に使われた杉や,契約の箱を作るのに用いられたアカシアなど,ある種の木材には非常な耐久性があります。(出エジプト記 25:10。列王第一 6:14-16)ヨーロッパの多くの都市では,中世の木造家屋が保存されています。これらの家は数世紀前のものですが,今の都市化の波の妨げとなるような場合には,解体され,他の場所で建て直されたものもありました。

前世紀までは船といえば木材で造られていました。今なお運送業のために用いられている数少ない木の船の船長が,先ごろフランスのラジオ番組でインタビューされました。その船はいつから使われているかと尋ねられ,この船長は力をこめて自分の見解を述べ,こう言いました。「鉄の船は25年もたてばただのがらくたの山になってしまいますが,木の船は今でも真新しいのです」。

大工を業とする人たちは木材の耐久性を増し加える方法を知っていたものです。例えば船大工は,船の木製の部品を10年間,港の泥の中に埋め,それから船を組み立てたと言われます。この方法を取ることにより,船にはシロアリがつかなくなり,木材が守られるということです。同時に,水に浮かべて運んだ木材は,乾燥する前に長期間水の中につけておけば長持ちすることも知られていました。これ以上水は染み込まないというところまで木材を塩水の中につけておくと,木材は反ることがありません。このごろは先を急ぐあまり,木材を保存するこうした伝統的な方法は用いられていません。

およそ1世紀の間,列車の車両は木造でした。50年たって時代遅れになったとしても,依然として非常に良い状態を保っていました。1920年代まで木材は自動車産業において,そのボディーや内装に広く用いられました。今日,多くの自動車ファンは,職人が良い仕事を行なうことに誇りを持っていた時代を懐かしく振り返ります。現代の車のうち,20年ないしはそれ以上使っても問題がなく,博物館の陳列品として展示できるものがどれほどあるでしょうか。

オーク材のようなある種の木材には,同量の軟鋼やアルミニウムの2倍の強度があります。過去において航空機に広く木材が使われた理由はここにあります。樹脂を含んだ木材も機械や電気の分野で幅広く用いられています。

木材が王者として君臨している一つの分野があります。それは家具の分野です。現代的な装飾家たちは,クロムめっきを施した鋼鉄,ガラス,プラスチックのような他の材料を導入していますが,それでも部屋に温かさを醸し出す点で自然の木材にかなうものは一つもありません。ベニヤ板の代用品として比較的成果を上げているものの一つ,フォーマイカが木材の外観を真似て作られることが多いのは,恐らくそこに理由があるのでしょう。

木材はわたしたちの味蕾にまで影響を与えます。ユリウス・カエサルとその軍団はガリア(現代のフランス)を侵略した時,非常に良質のぶどう酒を発見しました。その理由は,地中海沿岸の他の民族とは違い,ゴール人がぶどう酒を木の樽に蓄えておいたからです。木の樽を使うと,酒蔵から出たばかりの辛いアルコールが良質の飲み物に変わるのです。木の樽で何年も寝かせたぶどう酒のアルコールは,望ましくないアセトンとエーテルを失い,タンニンを吸収します。

音楽の分野では,木材の作り出す音質は他の追随を許しません。高級な楽器を製造するときには,木材の種類と品質を厳密に選択することが肝要となります。しかし,楽器に用いる場合には,木に対する扱いを誤ることは許されません。流れ作業を取り入れた方法でバイオリンを作ろうとする試みがありましたが,結果は思わしくありませんでした。優れた音質を持つ楽器を作るには,製造者の愛と経験に勝るものはないのです。

木材はそれこそ何にでも用いられてきました。車両も木材で作られましたし,街路の舗装にも用いられました。木製の杖は懲らしめを与えるために用いられてきましたし,オーケストラの指揮をするために木製の指揮棒が使われてきました。木製の水道管が作られ,ベアリングやびょうを含め,時計を木で作ることさえ行なわれてきました。モナ・リザは恐らく世界で最も有名な絵画ですが,それは木のパネルの上に描かれました。ルネ・ラエネック博士が考案した最初の聴診器も木製でした。

最後まで役に立つ

最後に,木製の家具や楽器などが使い古されて燃やされるときでも,木材はまだわたしたちの役に立ちます。木が燃えてできた灰はカリウムを豊富に含んでおり,石けんや肥料に用いられます。では,木を燃やして出る煙のすすについてはどうですか。それは無用な厄介者でしょうか。決してそうではありません! 木を燃やしてできる最後のこのかすでさえ,ある種のコケを駆除する優れた肥料です。

このように,森の中に立っていても,伐採されても,木は人類に多くの贈り物を与えています。人間が木材を使って軍艦や殺人の武器を作ってきたことも確かです。しかし,今日では木製の武器はだいたい時代遅れになっています。それはふさわしいことです。堂々たる木にとって,人間を滅ぼす手助けをするよりはるかに優れているのは,人間の役に立つことです。エホバは木を創造された時,何とすばらしい祝福をお授けになったのでしょう。詩編作者が歌ったとおりです。(恐らく木製の弦楽器の演奏に合わせて歌ったものと思われる。)『果樹とすべての杉よ,エホバのみ名を賛美せよ』― 詩編 148:9,13。

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