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目ざめよ! 1991
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過去の影響を受けている今日のメキシコの宗教

メキシコの「目ざめよ!」通信員

メキシコ・シティーの巨大な国立人類学博物館を訪れると,今日メキシコに住む多くの人が信奉しているカトリックが,何世紀も昔に行なわれていた部族宗教の影響をどのように受けてきたかを知ることができます。

歴史に明るい人は,エルナン・コルテスなどの征服者たちが西暦1500年代にメキシコにどのようにカトリックの信仰を伝えたかをよく知っています。そのころまでに既に独自の宗教的信条を持つ文化がそこに確立していたことを,国立博物館の展示物は興味深い仕方で明らかにしています。

メシはメシカ族の最初の神でした。このことから,この国と首都メキシコ・シティーの名前の由来が容易に分かります。これら昔のインディオたちは1325年ごろ,テスココ湖の中央に浮かぶ不毛の島にメキシコ・シティーを建てました。最初の住民は,オルメカ族,チチメカ族,アステカ族,マヤ族など様々なインディオの部族から成っていました。それぞれの部族には独自の民芸品があり,昔の建物や寺院や都市の遺跡が幾らか残っています。

宗教の混合

美しいチャプルテペック公園にあるこの博物館を訪れる人々は大抵,メキシコの人々の古代と現代における信条がどれほど混ざり合っているかを知って驚きます。加えて,昔の部族の信条とカトリックの征服者たちが伝えた信条の類似点に興味を持つ人も少なくありません。

アステカ室には,メキシコの建国を示す様々な地図があります。展示物から明らかに分かるのは,アステカ人がたいへん信心深かったということです。ここではアステカ人があがめていた男神や女神の彫刻像をたくさん見ることができます。このページに載せられている大きな彫刻像は女神コアトリクエです。この女神は,神と人間の母と考えられていました。よく見てください。人間の頭の代わりに,向かい合う2匹の蛇の頭を持っています。スカートは絡み合う蛇でできています。これらの象徴的表現の中には命と死を表わすものもあるようです。

征服者たちが来た時,多くのインディオたちは岩だらけの地域や森へ逃げました。このように孤立することによって,今日まで原始的な宗教概念の多くを保ってきたインディオの部族もいます。博物館のガイドは,「例えば,ウィチョル族は太陽とシカとトウモロコシが三つで一組を成すと信じています。カトリックの三位一体の教理に似ています」と説明してくれました。それからこう言いました。「チアパス州のインディオたちは,雨の神,地の神,風の神といった,先スペイン時代の古代の神々を今でも崇拝しており,それぞれの神のために異なる儀式を行なっています」。

今日メキシコに住む多くの人が他の崇拝形式を行ないながらもクリスチャンであると唱えているのはなぜだろう,と不思議に思われるかもしれません。この点について,「民族誌学入門」という展示室にある説明文は次のように述べています。「インディオの生活はあらゆる面で宗教によって特徴づけられている。……インディオの宗教の最も重要な特徴は,先スペイン時代の信条と崇拝方式の名残である異教の風習と,カトリックの風習が混ざり合っていることである。ウィチョル族やラカンドン族やオトミ族の宗教には,先スペイン時代の特色が最も色濃く残っている。例を挙げると,[ウィチョル族は]太陽や水や火を表わす神々を崇拝しており,それらの神々を洞くつの中に隠している。ラカンドン族はマヤ族の神殿に見られる古代の偶像を今でも崇拝している」。そうです,カトリックと古代の異教の信仰を混ぜ合わせるのは,メキシコでは普通のことなのです。

北東部室にはこの点をさらに示す実例が展示されています。それらの展示物はヤキ族やセリ族やタラウマラ族の信条を物語っています。この展示室にある説明文は次のようになっています。「現在のヤキ族はたいへん信心深く,変容して適合させられたものとはいえクリスチャンの概念を持っている。彼らの信条によると,キリストはヤキ族の一人として地上に現われ,洪水から自分たちを救い,領土を与え,八つの町を建設し,コミュニーラ(権力を持つ人々のグループ)を与えた。……彼らはプロテスタントの改宗行為を許さず,カトリックの司祭の存在も認めていない」。

それでも,説明文はこのように続いています。「彼らは,複雑な信条と魔術的な儀式と先スペイン時代の宗教の名残と共に,カトリックの信仰も受け入れた。彼らはキリスト教の神を信じ,大抵その神を太陽と同一視している」。

古代と現代の宗教信条が混ざり合っていることは,タラウマラ族の展示区画を見ればさらにはっきり分かります。そこでは,木製の十字架のついた小さな窓を見ることができます。その下には次のような説明が付されています。「タラウマラ族の宗教は,キリスト教と異教の信条が混ざり合ってできている。前者はフランシスコ会の宣教師によって17世紀に伝えられた。彼らはタタ・リオシ(父なる神),キリスト・イエス,エベルアメ(偉大なる母,つまり処女マリア),特定の村々の守護聖人である他の聖人を信じている。これらすべてには神の地位が与えられている。十字架は,太陽や月,また地の豊じょうの崇拝と関係づけられているので,特に重要な意味を持っている」。

セリ族の展示区画には,「セリ族が信奉している宗教には,古代の信条とキリスト教の影響が混ざり合っている」と説明されています。

昔のインディオの住民の宗教信条を目立たせるものはもっとたくさんあります。例えばメソアメリカ室には,太平洋,メキシコ湾岸,マヤ,アルチプラノ,ミステクという五つの地域の文化を代表する美しい壁画があります。壁画には住民がトウモロコシ,ジャガー,ガラガラヘビ,ワシを崇拝しているところが描かれています。それらすべては神とみなされてきました。

美しい国立人類学博物館を訪れると,この国の昔のインディオが持っていた古代の儀式や信条と,カトリックの征服者が持っていた儀式や信条がどの程度混ざり合ったかということが印象に残ります。展示物から明らかなように,メキシコに住む多くの人は今でさえ,何世紀も昔に行なわれていた部族宗教の影響を受けているのです。

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