アルコール中毒は遺伝するか
「アメリカ医師会ジャーナル」誌に掲載された研究によると,ある人々の場合,アルコール中毒になる傾向を特定の遺伝子を通して受け継いでいるかもしれないと科学者たちは推測しているようです。その研究報告には,人々をアルコール中毒の危険にさらす遺伝子が突き止められたということが言われています。しかし,科学者たちは注意すべき点として,アルコール中毒にならせる遺伝子など一つもないことを述べています。研究チームの責任者は,「善なる主がお作りになったのは,アルコール中毒の遺伝子ではなく,快楽追求型の行動と関連があるらしい遺伝子である」と言っています。
報告は次のように続いています。「研究者たちによると,この遺伝子をも含め,どの遺伝子についても,すべての形態のアルコール中毒の原因になったとは言えない。研究の対象になったこの遺伝子を持っていた人の中にアルコール中毒にならなかった人もいれば,この遺伝子を持っていなくてもアルコール中毒になった人もいた。……多くのアルコール中毒者にとって不幸の始まりは社会的,また文化的要素にあったのかもしれない」。