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  • CFSはうつ病か
  • 最近明らかにされた証拠の重要性
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  • 病気を認めることの価値
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目ざめよ! 1992
目92 8/22 5–9ページ

CFSは本当の病気か

「病院を転々としました」と,米国ワシントン州に住むCFS患者プリシラは言います。「血液検査を受け,生活習慣について尋ねられました。お医者さんからはどこも悪いところはないと言われ,精神科医のカウンセリングを受けるよう勧められました。どのお医者さんも,私の言うことや病気の症状を真面目に受け止めてくれませんでした」。

これは典型的な経験です。昨年,アメリカ医師会ジャーナル誌上で一人の医師はこう述べています。「CFS患者はここへ来るまでに,平均16人の医師に診てもらっている。ほとんどの人は,健康上どこにも問題はないとか,憂うつになっているのだろうとか,ストレス過剰などと告げられた人々である。精神科医のもとに送られた人は少なくない。今では状況は改善されたが,それほど大幅に改善されたわけではない」。

アメリカ医学ジャーナル誌が述べているとおり,CFSは独特な難問を引き起こします。「身体的には元気そうに見え,理学的検査や臨床検査では正常な結果の出る病気に対処する時のストレスは非常に大きい。この病気は配偶者や親族,雇い主,教師,保健医療の専門家,保険会社などとの間のぎくしゃくした関係と結びつけられることが多い」。

医師にとって問題なのは,疲労があまりにも一般的な症状だという点です。「疲れを訴える患者全員から一人につき1㌦ずつもらえば,医師はもう働かなくてもよくなる」と,ある医療主任記者は書きました。しかし疲労を訴える人のうち,CFS患者がわずかであることは明らかです。CFSの検査法がない以上,医師はどうやって診断すればよいのでしょうか。

CFSの定義

1988年3月,米国疾病対策センター(CDC)は「内科学年報」の中で,CFSを集合的に特徴づける一群の徴候と症状を公表しました。(囲み記事をご覧ください。)

CFS診断の大基準は,(1)活動が50%減退するほどの疲労が6か月以上続くこと,(2)症状を引き起こし得る他の医学的,また精神疾患が除外できることです。しかし患者がCFSと診断されるには,それに加えて,11項目ある小基準の中の8項目,あるいはその11項目の中の6項目および身体所見3項目の中の2項目に該当していなければなりません。

明らかに,CFSと診断される人は,極度に具合いの悪い状態が長期間続いている人たちです。疾病対策センターは患者を明確に見分けるため,CFSを非常に限定的に定義しました。このため,症状がそれほど重くない人は,現在のところCFS患者には含められていません。

CFSはうつ病か

CFS患者はうつ病や他の心理的な障害を抱えていると言う医師についてはどうでしょうか。これらの患者には典型的なうつ病の症状が見られるでしょうか。

CFS患者はうつ状態にあるのが普通ですが,米国メリーランド州ベセスダにある医学校の教授クルト・クロンキーは,「1年以上疲れた状態にあれば,だれだって憂うつになるのではないか」と言います。ですから,うつ病はCFSの原因なのか,それともその結果として起きているのかを考えてみるのは妥当なことと言えます。

多くの場合,この疑問に答えるのは容易ではありません。医師は大基準の第2項目,『症状を引き起こし得る精神疾患が除外できること』を考慮に入れ,患者はうつ病にかかっているのであって,器質的疾患あるいは身体の病気にかかっているのではないと判断するかもしれません。ところが,これが正確な診断でない場合が多いのです。

医学ジャーナル「コートランド・コンサルタント」はこう述べています。「CFSが“器質的”疾患であることの最も動かし難い証拠として,患者の85%に徴候が突然現われている。大多数の患者は,熱や[のどの痛み,リンパ節の腫れ,筋肉痛]を特徴とする風邪のような症状やそれに関連した症状が,ある日突然現われて病気が始まったと言う」。CFSを扱った医師たちは,うつ病は多くの場合そうした症状の原因ではないということを確信しています。

米国ボストンのブリガム・アンド・ウィメンズ病院の総合診療の責任者アンソニー・コマロフはこう伝えています。「症例を比較してみて,次の事実が強く印象に残った。患者のほとんどは申し分なく健康で,活動的で,人生において成功していたが,ある日突然,風邪やインフルエンザや気管支炎などにかかり,それ以後治らなくなってしまったのだ。うつ状態や倦怠感や睡眠障害など,心理的なものと考えられる症状は発病前には見られなかった」。

うつ病の典型的な症状は,すべての事に対して興味を失うことです。しかしポール・チーニー医師はこう説明します。「この患者たちは全く逆である。自分の身に現われている症状が何を意味しているのかひどく心配している。本来の活動をすることができない。働くことができない。恐怖に身をすくませる者も少なくない。だが,周囲の物事に対して興味を失うことはない」。

リンパ腺腫脹,発熱,白血球数の異常な増加,度重なる呼吸器感染症,筋肉と関節の痛み,そして特に,適度な運動をした後に生じることがある独特の不快感と筋肉痛などは,うつ病と関連した症候群の特徴には全く適合しない症状です。

最近明らかにされた証拠の重要性

アメリカ医師会ジャーナル誌の1991年11月6日号は次のように伝えています。「疾病対策センターが設けた慢性疲労症候群(CFS)の定義に該当する患者を対象に現在行なわれている調査の予備的な資料は,CFS患者の大半が,うつ病その他の精神医学上の病気の犠牲者ではないことを示している」。

疾病対策センターでCFS調査を綿密に監察したウォルター・ガン医師はアメリカ医師会ジャーナル誌のその号の中で,「[調査の対象になった]患者たちは皆うつ病を抱えているだろうという多くの医師の予想に反し,疲労が始まった時点でうつ病の徴候が見られたのはCFS患者のうち30%に過ぎなかった」と説明しました。

多くのCFS患者とうつ病患者との間には身体面の違いさえ現われる場合もあります。「大うつ病(MDD)の患者にはレム睡眠中に異常がしばしば見られるのに対し,CFS患者にはノンレム[睡眠]中に異常が見られる」と,医学ジャーナル「フィーメール・ペイシェント」は述べています。

サイエンス誌(英文)の1991年12月20日号は別の重要な調査結果を報告しています。それによると,「CFS患者の特定の脳内ホルモンの量が変化していた」のです。さらに,「正常な人との違いはあまり大きくはないが,CFS患者は一様にステロイドホルモンコルチゾール値が低くなっており,脳下垂体ホルモンACTH(副腎皮質刺激ホルモン)値が高くなっていた。これはうつ病に見られる変化とは全く逆の現象である」と述べています。―下線は本誌。

CFSが本当の病気だとしたらどうなる?

医師たちはCFSのような理解できない疾患に対しては懐疑的です。トマス・L・イングリッシュ医師はこう書いています。「懐疑主義が我々の職業に浸透している。健全な懐疑的態度をとることが,知的で識別力のある医師たちの間で“はやって”いる」。しかしイングリッシュは,「もしCFSが本当の病気であるとすれば」,苦しんでいる患者にとって懐疑的な態度がどれほどの益になるのかという疑問を投げかけています。彼は懐疑的な仲間の医師たちに向かって,「もしもあなたが間違っているとしたらどうだろうか。あなたの患者はどうなってしまうだろうか」と問いかけています。

イングリッシュ自身CFSを患っており,仲間の医師たちに向けて彼が書いた記事が昨年,アメリカ医師会ジャーナル誌に掲載されました。彼は苦しんでいる患者の立場に立って考えるよう医師たちに勧め,この症候群の特徴を次のように説明しています。

「“風邪”を引いてからというもの,生活の質が元に戻らないほど変わってしまう。思考が明快でなくなる。……時には,新聞を読んだり,テレビ番組の話の筋を追ったりするのもやっとの思いである。際限なく続く時差ぼけみたいなものだ。かつては自信を持って歩いていた患者の世話という崖っぷちも,今では霧に包まれていて少しずつしか進めない。体のあちこちで筋肉痛が生じる。症状が現われては消え,悪化してはまた治まる。……同様の経験をしている他の患者と話すことがなければ,……あるいは同様の患者を何百人も診たことのある医師に相談することがなければ,あなたも自分の身に現われている症状を不可解に思うだろう。

「私が話をしてきた多数の仲間の患者は,助けを求めて医師のところへ行った人たちだが,彼らは恥をかかされ,憤りと不安を抱いて病院を後にした。身体に異常のあることを自分の体が告げているのだが,医師からは心身症だろうと言われたため,ただ恐怖感といら立ちだけを覚え,安心感は得られなかった。そのため彼らは,医師たちが本当の問題をほとんど理解していないことに気づいた。……症状が奇妙であまり知られていなければそれだけで,病気は存在しないと考えるべきだろうか。検査室で検査をすれば,これまでの病気だけでなく新しい病気の判別も可能だとみなすべきだろうか。新しい考えに対する不信は人間の歴史と同じほど古くから存在し,その不信から生じる有害な結果もまた同じほど古くから存在する」― アメリカ医師会ジャーナル誌,1991年2月27日号,964ページ。

病気を認めることの価値

「CFS患者と長い時間をかけて話をする医師たちは,同じ話を繰り返し聞く。それは典型的な話である。慢性疲労症候群は現実に存在すると私は断言できる」と,感染症専門医アラン・カインドは述べています。

その意見に賛成する医師は増えています。フィーメール・ペイシェント誌は医師たちに次のように勧めています。「明確な診断と適切な治療が確立されるまでの間,医師には,これらの患者に彼らが本当の病気にかかっており,“精神的な病気”とばかりは言えないことを告げる特別の責任がある」。

患者が病気にかかっていることをはっきり示すと,大きな益が得られる場合があります。ある女性は,CFS患者であることを医師から告げられたとき,「涙がわいてきました」と語りました。彼女の病気が本物であり,名前もあることを医師の口から聞き,彼女は本当にほっとしました。

とはいえ,CFSの原因は何でしょうか。調査の結果,何が明らかになりましたか。

[7ページの囲み記事]

慢性疲労症候群の診断基準

大基準

1. 活動が50%減退するほどの疲労が6か月以上続く

2. 症状を引き起こし得る他の医学的,また精神疾患が除外できる

小基準

疲労が始まった時,またはその後に現われる症状

1. 微熱

2. 咽頭痛

3. リンパ節の痛み

4. 筋力の全体的な低下

5. 筋肉痛

6. 運動後の疲労が長引く

7. 頭痛

8. 関節痛

9. 睡眠障害

10. 物忘れ,混乱状態,集中力低下,うつ状態などの神経心理学的な障害

11. 以上の症状が(数時間から数日のうちに)急に現われる

身体所見

1. 微熱

2. 咽頭炎

3. リンパ節が触れるか,あるいは圧痛がある

[8ページの図版]

医師は鋭い洞察力を働かせて,うつ病と慢性疲労症候群とを見分けなければならない

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