ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 目93 4/8 3–5ページ
  • 科学は21世紀の課題を解決できるか

視聴できるビデオはありません。

申し訳ありません,ビデオをロード中にエラーが発生しました。

  • 科学は21世紀の課題を解決できるか
  • 目ざめよ! 1993
  • 副見出し
  • 関連する記事
  • 問題がなくなることはない
  • 対策を模索する
  • 最大の課題に直面している
  • 科学 ― 真理の探究を続ける人類の歩み
    目ざめよ! 1993
  • 傷つきやすい地球 ― 将来はどうなるか
    目ざめよ! 1996
  • 人口爆発 ― どれほどの脅威になっているか
    目ざめよ! 1983
  • 人間は永続する平和と安全をもたらすことができるか
    真の平和と安全 ― どのように見いだせるか
もっと見る
目ざめよ! 1993
目93 4/8 3–5ページ

科学は21世紀の課題を解決できるか

「母なる地球が,無頓着で始末に負えない子供たちをもてあますようになるのはそれほど先のことではないことを示す科学的な証拠は,今では歴然としている」― ユーロピアン紙,1992年3月19-25日号。

地球の危機が単なる空騒ぎどころか深刻な問題であり,注意を向ける十分の理由があるという生態学者の意見は次第に強くなっています。事実,生態学者たちは,災難を回避するには直ちに手を打つことが必要であると言います。「何世代もの時間はないのだ」と,ワールドウォッチ研究所の所長は1980年代の終わりに述べました。「状況の逆転を試みる時間はあと何年かしかない」。

1990年に発行された,「地球救出の猶予,あと5,000日」という題の本の編集者たちはもっと具体的です。この本を発行した時以来,秒読みを行なっているのです。彼らが言う最終期限まで,地球を救うために残された時間は今では4,000日足らずになっています。そして,21世紀が明ける時には,その間何か例外的なことが起きない限り,この数字は1,500日ぐらいにまで減少します。

危機が到来しているように見えるのは,どんな異例な状況が重なり合っているからでしょうか。21世紀にはどんな課題が生じるでしょうか。

問題がなくなることはない

平和愛好者たちは冷戦の終わりを大いに喜びました。しかし,世界平和の達成と維持という課題はいまだに残っています。1990年1月,フランスのミッテラン大統領はヨーロッパ統合に伴う諸問題に触れてこう言いました。「我々は,不公平ではあっても安定した世界を後にしようとしている。我々が望んでいる世界は,より公正ではあっても,より不安定であることは確かだからだ」。また,ユーロピアン紙はこう述べています。「[旧ソビエト側の国々における]自由の代償は,不安定の増大である。そのため核戦争の危険は増した。小さいとはいえ,その危険は依然として存在する」。

世界が今抱えている課題の中には,冷戦が始まった時にはほとんど知られていなかったものがあります。「地球救出の猶予,あと5,000日」が述べているとおりです。「今からほんの50年前であれば,地球の環境はおおかたバランスを保っていた。……地球は広大で,美しく,力を感じさせる場所であった。それを人間が損なうことなど考えられなかった。今では,地球は危機にさらされているとか,人間は破壊や汚染によって地球的規模の大惨事に向かいつつあるなどと言われている」。

洪水,暴風雨,地震,火山の噴火など,いわゆる自然災害が至るところで起きています。人間が環境に手を加えることによってどれほどの影響が出ているかについては意見が分かれるところかもしれません。また,地球を守っているオゾン層が,ある場所では危険なほど薄くなっているという証拠もあります。惨事を引き起こしかねない気候の変化が徐々にではなく,突然襲って来るかもしれないと警告する科学者もいます。

医療技術は長い間,ガン,心臓病,循環器系の疾患その他数多くの病気の出現によって進歩しました。しかし長年にわたる医学の進歩にもかかわらず,人々はいまだにこれらの病気で死んでゆきます。ヨーロッパだけでも,ガンで死亡する人の数は毎年推定120万人に上り,10年前より65%近く増えています。120万人というこの膨大な数字は,死亡者数のはるかに少ない新たな死病エイズに対する不安のため,ほとんど気づかれていません。

別の課題は,世界人口が過去200年足らずの間に,10億人から約55億人に増加したことです。近年は毎年の増加率は減少したものの,西暦2025年までには世界人口は恐らく80億人を超え,2050年までには100億の大台に近づくだろうと予測する人たちもいます。それほど大勢の人々がどこに住むのでしょうか。何を食べるのでしょうか。1991年に出された国連の報告書の推定によれば,すでに10億人が極貧の状態にあります。そのような人々の生活には「栄養不良,非識字,病気が付きもので,普通の基準でみても人間としての尊厳を奪われた」生活をしています。

米国スタンフォード大学の人口学教授ポール・R・アーリックは,これが大きな問題であることに注意を向けて,「貧しい国々の人口過剰は国民をいつまでも非常に貧しい状態に置く傾向にあるが,裕福な国々の人口過剰は地球全体の生命維持能力を弱める傾向がある」と述べています。

以上の要素や,薬物の乱用,住宅不足,犯罪,人種間の争いなどの他の要素は,近い将来に世界的な大惨事の引き金となる可能性があるため,大きな心配の種になっています。課題ははっきりしているのですが,その解決策ははっきりしていないのです。

対策を模索する

ともあれ,諸政府は問題の深刻さを考えて,緊急感の度合はそれぞれ異なるものの,解決策を模索しています。例えば,環境問題の分野では昨年の6月に,リオデジャネイロで自然環境に関する過去最大規模の集まりが開かれました。国連が主催したこの地球サミットは,1972年にスウェーデンのストックホルムで開かれた会議に次ぐ2度目の会議です。その際,ドイツのある有名な政治家は,「この会議は地球の運命を変える転換点ともなり得る」と言いました。

1972年の会議が期待外れに終わったことはだれの目にも明らかです。1972年と1992年の二つの会議の事務局長を務めたモーリス・F・ストロングは次の点を認めています。「ストックホルム以後の20年間に我々が学んだことは,環境関連局にとって唯一の確かな手段である環境規制も重要ではあるが,それだけでは不十分であるということだ。規制には,我々の経済行動の基礎をなす動機の重要な変化が伴っていなければならない」。

では,1992年の会議は,その「重要な変化」を達成する点で1972年の会議よりも優れた結果を生み出すでしょうか。もしそうでない場合,地球はさらに20年後の西暦2012年に3度目の地球サミットを開くことができるでしょうか。

最大の課題に直面している

一般に人々は,宗教や政治が世界の問題を解決できるかどうかについてますます懐疑的になっています。しかし,宗教でも政治でもないとすれば,21世紀の深刻な課題を解決できるのは一体何なのでしょうか。

ドイツ連邦調査科学技術省が発行したパンフレットにはこの疑問が明示されています。「こうした問題を扱うには,これ以上の人為的変化を避けるためだけでなく,地球的規模の変化から悪い結果が生じるのを防止するためにも役立つ,政治的な戦略が必要である。我々が直面している問題の複雑さを考えると,意義深い政治的な決定は,しっかりとした科学的発見と信頼できる予測方式に立脚して初めて可能になる。費用がかかったり,望ましくない悲惨な結果を招いたりする事態の進展を避けるには,この方法しかなさそうである。こうした情報を入手することが,現在の科学界の最も大きな課題となっている」。

科学はこれまでも幾多の困難な課題に直面し,少なくともある程度それらを乗り越えてきました。しかし,やがて来る21世紀の特異な課題を科学が解決できるのかと問うのは間違いではありません。楽観視できる余地はあるのでしょうか。

本誌は,こうした深刻な問題を検討する一連の記事を,この号から掲載します。続く記事は,第1部です。

[4ページの図版]

科学は汚染,病気,人口過剰に対して何ができるか

[クレジット]

WHOの写真 P. Almasy撮影

WHOの写真 P. Almasy撮影

    日本語出版物(1954-2026)
    ログアウト
    ログイン
    • 日本語
    • シェアする
    • 設定
    • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
    • 利用規約
    • プライバシーに関する方針
    • プライバシー設定
    • JW.ORG
    • ログイン
    シェアする