世界最大のカシューノキ
ブラジルの「目ざめよ!」通信員
世界最大?「ギネスブック 1994年版」によれば,そう呼ばれるのももっともかもしれません。リオグランデ・ド・ノルテの海岸の近くにあるこの写真のカシューノキは,確かにブラジルでは最大です。実際,この木は現在ただ1本で市の大きな1区画分,普通の大きさのカシューノキなら70本は育てられるほどの広い土地をふさいでいるのです。
カシューノキは常緑樹です。普通は,丈の短い低木から高さ20㍍ほどの木まであり,その大きさは様々です。カシューノキの花は小型で,革質の大きな葉と際立った対照をなしています。食用になるその種子がおいしいカシューナッツで,これはカシューアップルと呼ばれる梨形の果実に無理に埋め込まれたような格好をしています。いかにも不思議なことですが,カシューノキはウルシ科の仲間ですから,この木を取り扱う人は十分注意しなければなりません。ナッツは二つの殻で覆われていて,それらの殻の間にある油脂は,皮膚に水ぶくれを生じさせるおそれがあります。しかし,ありがたいことに,その有毒成分はナッツを炒る過程でなくなります。
奇妙なことに,腎臓の形をしたナッツは,まるで創造者がナッツのことを忘れて後でそれを果実の上にのりづけしたかのように,果実の外側で大きくなるように見えます。カシューアップルがナッツを支えているのです。ですから,この木の本当の果実はカシューナッツだと言う人もいます。いずれにしても,次にカシューナッツを食べる時には,もしかしたら世界最大のカシューノキの実を食べているのかもしれないな,と考えてみてください。