稲妻から身を守ってください!
スウェーデンの「目ざめよ!」通信員
普通,稲妻の電圧は数千万ボルト,流れる電流は数万アンペアにもなります。それに対し,家庭用の典型的な電気回路はたいてい15アンペアに定められています。a 稲妻に打たれる危険を最小限に抑えるために何ができるでしょうか。以下の提案に注意を払ってください。
• とにかく可能なら,屋内に入ってください。車でも十分な保護になります。高いビルの中はどうですか。高いビルでも避雷針があれば安全です。例えば,ニューヨーク市にあるエンパイア・ステート・ビルは毎年25回ほどの落雷がありますが,それでもびくともしません。しかし,金属製の屋根でアースされていない建物や,アンテナや金属フェンスの近くの場所は避けるのが最善です。
• 湖や野原,ゴルフコースなどの広々とした場所からは逃げてください。ぽつんと立っている高い木も,同様に危険なことがあります。たくさん木が生えている所にいる場合は,最も低い木の近くに避難してください。嵐が迫って危険なために広々とした場所から移動できない場合は,両ひざを抱え込んで地面にうずくまります。平らに寝転がってはなりません。稲妻に打たれるおそれのある面積をできるだけ小さくすることが大切だからです。
• 屋内にいる場合でさえ,警戒できることがあります。以下はいくつかの提案です。暖炉や金属製の配管のような電気の通るものに触れないようにしてください。シャワー室や浴槽には入らず,電話も使わないようにするのが賢明です。コンピューターやテレビその他の器具のプラグは抜いてください。家に落雷した時に,損傷を受けるおそれがあるからです。
• だれかが稲妻に打たれたなら,すぐに心肺蘇生術(CPR)を施すことが肝要です。スウェーデン,ウプサラ大学の高電圧研究科に勤めるビクトル・シュカ教授は,稲妻に打たれて死んだように見える時でさえ,CPRによって蘇生する場合が少なくないと述べています。「しかし,脳の損傷を防ぐため,治療は直ちに施されなければならない」と教授は警告しています。
もし稲妻を伴う嵐に遭ったなら,今述べられた予防策に従うことを考えてください。そうすれば,この畏怖の念を抱かせる光景の被害者になることはまずないでしょう。
[脚注]
a アンペアは電気の流れ,すなわち使われている電流の量を表わす単位です。ボルトは電流の力を示します。「目ざめよ!」誌,1985年5月22日号,21,22ページをご覧ください。