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目ざめよ! 1999
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「トルティーヤをまわしてください」

メキシコの「目ざめよ!」通信員

「包む物,スプーン,皿,そして食べ物の役を一度にこなす。しかも,他のどんな食べ物ともたいてい良く合う」。そんな発明品を思い浮かべてみてください。栄養学者のエクトル・ブールヘスは,何千年にもわたって世代から世代へと伝えられてきたある発明品を,上のように描写しています。大勢の人が今でも毎日それを食べています。その発明品とは,メキシコ人の主食であるトウモロコシで作った円盤状の食べ物,つまりトルティーヤのことです。a

古文書によれば,トウモロコシは古代メソアメリカの人々にとって非常に重要なものでした。この穀物は,何千年もの昔に現在のメキシコの地で栽培されるようになり,オルメカ,マヤ,テオティワカン,メシカなどの優れた文化が発展を遂げるのに一役買いました。

トウモロコシからトルティーヤに

トルティーヤの基本的な作り方としては,まず熟したトウモロコシの粒を石灰水(約1%の石灰を水に溶かしたもの)に1対2の割合で混ぜます。これに熱を加え,粒を指先でつまんで薄皮が破れるぐらいになるまで煮ます。水を差して冷まし,一晩置いて粒を沈殿させます。

翌日,柔らかくなった粒 ― これをニスタマルという ― を手ですくって別の容器に移し,水を切ります。それから,ニスタマルをすりつぶして,塩と水を加え,マサと呼ばれる柔らかい練り粉にします。伝統的なやり方では,マサを小さな玉に分け,それを手で薄く円盤状にのばして,熱した平たい土鍋の上に置きます。1回ひっくり返してから,もう一度ひっくり返します。トルティーヤの表面の薄い層が膨らんだら,さあ,出来上がりです。

最初の段階で石灰を加えますが,これはある種の健康上の問題を防ぐのに役立っています。どのようにでしょうか。ニコチン酸と呼ばれるビタミンが欠乏すると,ペラグラを引き起こします。ペラグラとは,皮膚炎や下痢や痴呆などの症状を伴う疾患で,重症の場合は死亡することもあります。この病気はトウモロコシを常食とし,たんぱく質の豊富な食物をほとんど,あるいは全く食べない人々によく見られます。

問題は,トウモロコシに含まれているニコチン酸が体に吸収されないことにあります。他方,石灰には,ニコチン酸を体内に取り入れやすくする働きがあります。ですから,メキシコの貧しい地域でペラグラがまれなのは,人々がトルティーヤを食べているためかもしれません。もっとも,白いマサを作るためにニスタマルを水洗いしてニコチン酸を洗い流してしまう習慣のある地域は,例外です。

石灰を加えることによって得られるもう一つの重要な結果は,骨や神経に特に必要な栄養素であるカルシウムの含有量を増やせるということです。ついでながら,トルティーヤには全粒のトウモロコシが使われるので,繊維質もたっぷり含まれています。

こうしたことを総合してみると,あなたもトルティーヤを偉大な発明品と思われるのではありませんか。どんな発明品についても言えることですが,この場合も専門家に倣えば,最もおいしく食べることができます。

一般的な食べ方

16世紀の修道士ベルナルディーノ・デ・サアグンは,トルティーヤがどのように食卓に出されたかを述べています。『トルティーヤは白くて温かいものだった。それは折り重ねて白い布に包まれ,籠に入っていた』。

幾世紀もたった後でも,その供し方はほとんど変わっていません。トルティーヤは今でも温かいものを,たいていは清潔な布に包み,籠に入れて食卓に供します。また,白,黄色,青,赤みがかったトルティーヤなど,昔と同様,いろいろな種類があります。その大きさも様々です。そして,メキシコ人はふつう,毎日昼食にトルティーヤを食べ,朝食と夕食にも食べることが少なくありません。

テーブルに置かれた籠には家族全員の分のトルティーヤが入っています。食卓についている人は皆,食事が終わるまでトルティーヤが冷めないようにしておきたいと考えています。ですから,包んでいる布を開けてトルティーヤを1枚だけ取り出すと,再び布をかぶせます。食事が進むにつれ,トルティーヤのお代わりをする人が出てくるので,どんな会話の最中でも,「トルティーヤをまわしてください」という声が幾度となく聞かれます。

ここで読者は,「メキシコの主婦は毎日,手でトルティーヤを作っているのだろうか」と思われるかもしれません。そのようにしている主婦はほとんどいません。1884年以来,機械が考案され,作業の自動化が図られてきました。今でも手動のプレス器を使ってトルティーヤを作る主婦が,特に農村部に多く見られますが,大半のメキシコ人はトルティーヤをトルティーヤ店で買います。そこでは1台の機械で1時間に3,000枚から1万枚のトルティーヤが生産されます。

食事の直前にトルティーヤを買いに行くのは,たいてい子どもたちの仕事です。ですから,メキシコ人は子どものころの思い出としてたいがい,トルティーヤ製造機から発せられる匂いや音や熱気のことを覚えています。貧しい家庭の人たちも例外ではありません。トルティーヤはたいへん安価だからです。冒頭で触れたブールヘスも言っているように,トルティーヤは確かに,「先祖から受け継いだすばらしい掘り出し物」です。

ですから,トルティーヤを味わえば,一つの民族の歴史をかいま見ることになります。そして,「トルティーヤをまわしてください」と,遠慮せずに何度でも頼めるということも覚えておきましょう。

[脚注]

a メキシコの一部の地域には小麦粉で作ったトルティーヤもありますが,同国の文化に大きな影響を与えるほどではありません。

[22ページの写真]

手製のトルティーヤ

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