『共に集まるのを怠らず』
堕落した人間は,生まれつき利己的なものであるため,『共に集まるのを怠つてはならぬ』という命令を絶えず強調しなければなりません。それに加えて,悪魔サタンは自称クリステャンを巧みに欺いた結果,敬虔の一番良いしるしは,世俗の人間から身を遠ざける神秘な道士,世捨人,又は僧侶であると考えられています。そして,人々は,そのような行動が非常に高慢,自己中心であり,かつ狭いものということを全く見逃しています。
神は最初の完全な人について,『人独なるは善らず』と言われました。使徒パウロはクリステャンを人間の体の器官になぞらえませんでしたか? 人体の器官は,他の器官にむかい『おまえはいらない』と言えるでしようか? また,ヱホバの御命令は,『あなたのすべての心,すべての魂,すべての精神,そして,すべての力を捧げて,あなたの神であるヱホバを愛さねばならない。』というだけでなく,『自分自身の如く,あなたは隣人を愛さねばならない。』隣人から身を遠ざけていて,どうして自分自身の如く隣人を愛することができるでしようか?
実際,隣人を度外視しながら,ヱホバを正しく愛することはできません。他の人々に私たちのヱホバ讚美を聞かせるならば,彼らもヱホバを讃美するようになります。それに加えて,もしこのように神を愛するならば,ヱホバについて私たちと同じように感じている人々と交りたく欲します。その人々とは,私たちにヱホバの属性を思い起させる人々,私たちよりもヱホバを良く知つており,私たちを援助してヱホバの認識を増させてくれる人々です。また人々と交つて,私たちのすばらしい神,すなわち完全な愛,義,智,力の神についてそれらの人々にますます感謝の念を起させたいと,私たちは欲します。共に集まることによつて,讃美を増し加えるだけでなく,その讃美は一層美しくまた調和のとれたものになります。丁度合唱が独唱よりも勝れるのと同じ具合のようです。
したがつて,ヘブル書 10章23-25節(新世)にあるパウロの助言を絶えず思い起すことは全く適当なものです。『約束された方は忠実である故に,公けに述べる私たちの希望を迷うことなくしつかりと保つていこう。また愛と正しい業を励まよう互に心がけよう。ある人の習慣のように,共に集まるのを怠つてはならない。その日の近づいているのを見て,ますますもつて,そうしようではないか。』
ヱホバは,『忠実にして慧き奴隷』,つまり油注がれた残れる者の社会を通して多くの機会を御準備されたため,私たちはこのペテロの助言に従うことができます。ヱホバの証者の会衆には,毎週5回の集会がなされます。すなわち,奉仕中心地における聖書研究,奉仕会,神権宣教学校,『ものみの塔』を用いての聖書研究そして公開講演です。それから,巡回,地域,国家,国際の諸大会が行われます。現在,ヱホバのクリスチャン証者すべての注意は,今年の6月・7月・8月中にアメリカ合衆国とカナダで予定されている5つの大会と,ヨーロッパで開催が予定されている6つの大会に向けられています。心をこめ,精神をこめ,魂をこめ,そして力をこめてヱホバを愛し,自分のごとく隣人を愛する人は,できるだけ多くの大会に出席しようと努力をいたします。どの大会も,ヱホバを讃美し,ヱホバの御名を証言し,そして隣人と自分自身を助けて円熟に進ませる絶好の機会だからです。なお,日本にいる真の崇拝者すべてにとつて,関心を払うべき特別な事項があります。それは,1955年8月11日-14日まで,大阪で開催されるヱホバの証者の国家大会であります。