エホバの証人はなぜお宅を訪問しますか
多くの人は,エホバの証人がなぜ家々を訪問し続けるのかいぶかしく思っています。読者のあなたもあるいはその一人かもしれません。しかし答えは簡単です。エホバの証人は神を愛しているからです。また,神に仕えるこれらの人々は,神およびその愛ある御目的について他の人々に語り告げるよう,神のみことば聖書により教えられているからです。そのうえ,あなたを隣人として愛しています。それゆえ,心の平安をもたらした事柄,世界の現状の重大な意味永遠の平和の宿る世界に関する信頼すべき希望をあなたにもわかち合いたいと願っているのです。
国々が第一次世界大戦後経験してきた混乱や苦悩およびその結果は,遠い昔すでに聖書の中で預言されていました。(ルカ 21:10,11,31)また,今日の危急の時代に生き残って神の是認を受け,神の治める新しい秩序の下に生き続けるために人間が歩まねばならない道も聖書に示されています。(ゼパニヤ 2:2,3)今は行動すべき重大な時です。あなたとご家族の命がかかっているのです。この点も,エホバの証人がお宅を訪問する理由の一つです。そして,正義を愛する心の持ち主はその訪問に感謝する結果になることを彼らは知っています。
もちろん,すべての人がエホバの証人の訪問に感謝するわけではありません。主イエスのことばどおり,「そのおこないが悪いために,光よりもやみの方を愛(する)」人々もいます。(ヨハネ 3:19)このような人々は心を乱され,聖書の音信を退けます。宗教心に富む人々でさえ,訪問するエホバの証人に苦々しい態度を示します。そして急いで玄関の戸を閉じ,エホバの証人が来たなら戸をしめて話を聞かないように牧師から指示されているとしばしば語ります。しかしなぜでしょうか。ある人々は疑問をいだきはじめます。信者に知られてはまずいと牧師が考えるような事柄が聖書にあるのでしょうか。
他の人々はただ無関心です。物質を追求するあまり,霊的な福祉を考える時間は少しもありません。彼らは,イエス・キリストが次のように述べたノアの時代の人々と同様です。「ノアが箱舟にはいる日まで,人々は食い,飲み,めとり,とつぎなどしていた。そして洪水が襲ってきて,いっさいのものをさらって行くまで,彼らは気がつかなかった」。そしてイエスは,今の時代も同様であろうと語りました。(マタイ 24:38,39)しかし,まだ時間は残っており,この悪の事物の制度の差し迫った滅びの警告に聞き従う機会は多くの人々の前に開かれています。エホバの証人は,彼らの福祉を真剣に考えて,家々を訪問し続けているのです。エホバの証人は自分たちの音信をだれにも押しつけません。ある人が聞こうとしなければ,次の家に行って伝えます。しかし同じ区域で再び伝道するときでも,以前に無関心だったり失礼な態度をとった人に対して苦々しい気持ちをいだかずに,それらの人々の家を再び訪問します。そしてその中のある人々はおそらく喜んで耳を傾けるでしょう。人の心は生活環境によっていろいろ変化するもので,この事は数かぎりなく生じています。
読者のあなたは,エホバの証人が伝える聖書の音信を一蹴するような人でないことは明らかです。そうでないからこそ,今この雑誌を読んでいられるのです。この雑誌は,表紙の裏に示されているとおり,現在71ヵ国語で毎号485万部印刷されていますから,あなたのような読者がさらに何百万人もいることがわかります。もしあなたがこの雑誌から喜びを得ていられるなら,同様の喜びを味わえる事がほかにもあるのです。しかも,この「ものみの塔」誌1冊に対して支払われた小額の寄付はどの費用もかからないのです。実際のところ,それは全く無料の奉仕として行なわれています。
それは,ご都合の良い時間に毎週1時間ほど家庭で行なう無料の聖書研究のことです。ところで,このように毎週一緒に聖書を調べることによって1年ほどの間には,いったいどんな事柄を学べるのでしょうか。エホバの証人が現在全世界にわたって行なっている秩序だった綿密な方法に従えば,次のような事柄を学べるでしょう。
神は実際に生きていられ,聖書は確かに神のみことばであるという証拠を学びます。次に聖書の大要を検討し,主要な事柄を論じ,それらすべてが互いに組み合わされ,神の目的をいかに明白に示しているかを調べます。このようにして聖書の根本的な事柄を論じたうえで,聖書の特定の問題や,多くの人を困惑させてきた疑問を取り扱います。その幾つかを列挙しましょう。宇宙と,人間および霊者のように命を持つ者とが,どうして存在するようになったか。聖書によれば魂とは何か。死後,その魂はどうなるか。人間はなぜ死なねばならないのか。このような状態がいつまでも続くだろうか。聖書の約束する復活とは,死んだ愛する人々と再び文字どおり一緒に暮らせるという意味だろうか。どこによみがえらされるのだろうか ― 天それとも地上? その時どんな状態が広く見られるのだろうか。ヘブル語聖書の預言および,アブラハム,モーセ,ダビデなどに関する記録は,今日の私たちにどんな関係があるのか。神はひとり ― それとも三位でひとりの神だろうか。モーセの律法は今も適用されるのだろうか。十戒および安息日を守るべきだろうか。神はなぜ長年の間,悪を許してこられたのか。悪は終わるだろうか。いつ終わるか。どうしてそう言えるのか。以上は,納得のゆく答えを得られる興味深い問題の幾つかにすぎません。
教会に所属しているかどうかにはかかわりなく,すべての人々にこのような有益な知識を与えるために,エホバの証人は家々を訪問するのです。あなたがお望みであれば,お近くのエホバの証人は,そのような無料の家庭聖書研究を喜んでお宅で司会したいと考えています。それで彼らが次にお宅を訪問する際には,ご遠慮なくおたずねください。そのような方法で皆さんに奉仕したいと心から願って彼らは家々を訪問しているのです。
聖書の知識を取り入れることは,あなたとご家族にとって今きわめて大切です。そうすることによって神の治める正義の新しい秩序における永遠の生命に通ずる道が開かれるということをイエス・キリストとその使徒は示しています。しかし,行動すべき残された時は縮まっています。今,その機会をとらえてください。エホバの証人は喜んであなたに力をお貸しいたします。―ヨハネ 17:3。ペテロ第二 3:13。