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破壊的な子供たち
● 退任をひかえた少年審判所のトーマス・ジル主席判事は,米国コネチカット州の法廷で裁判官を勤めた過去20年間に,いっそう危険な子供たちのグループの出現を見たと語っています。同判事によれば,彼らの反社会的行動は非常なもので,今や彼らは「人々を恐怖に陥れる」「極端に破壊的なグループを成して」います。
凶悪さの点でこれらの青少年はかつて青少年犯罪とみなされたものの度を越えています。ジル判事によると,以前の13年間に彼の法廷で審理された約5万5,000件の事件のうち,子供の殺人事件は一件に過ぎませんでした。ところが最近の一年間だけでこのような事件は3件にも達しています。そして青少年犯罪の同じような増加は,ほとんどあらゆる土地で見られます。
聖書の預言は,この時代に子供たちが全く「親に不従順な者」となり,人々も一般に次第に自制心のない者,粗暴な者,善良さを愛さない者となることを予告していました。―テモテ第二 3:1-5。
イタリアにおける不吉な徴候
● 昨年夏のイタリアの総選挙でカトリック教会の支持する与党のキリスト教民主党は,わずかの差で共産党に勝ちました。しかし共産党は増加し続けています。
この事は同時に行なわれた都市選挙にも見られました。例えば,ローマ市政の場合,共産党はキリスト教民主党の33.1パーセントに比べて35.5パーセントの票を獲得しました。それでローマは初めて共産党主導の連立政権の下に置かれました。ニューヨークのサンデー・ニュース紙によれば,これは「バチカン,およびローマのカトリック司教として治める法王にとって一歩後退を意味」しています。ローマでの得票によって共産党は今やイタリアの主要都市すべての市政を支配することになったと同紙は述べています。
カトリック教会にとって別の大きな懸念は,イタリアにおける宗教的な慣習の衰えです。カトリックの定期刊行物コモンウィールの報ずるところによれば,1956年に教会の定期的な聖体拝領者はイタリアの人々の53パーセントを占めていたのが,1960年には40パーセント,1965年には35パーセントとなり,最新の数字は30パーセントに過ぎません。この傾向が逆転する徴候は全くありません。イエズス会の雑誌シビルタ・カットリカによれば,同誌の行なった世論調査において質問に答えた人の72パーセントは教会が労働者階級に真の関心を全く抱いていないか,それとも理解を欠いていると感じています。
イタリアおよび他の国々において政府がいっそう急進的なものになるこの傾向また“既成”宗教からの人々の離反は,キリスト教世界の教会にとって不吉なものです。しかしこの事は聖書の啓示 17章,18章に預言されていました。その箇所で神の言葉が明らかにしているように,この世に対して「娼婦」となった宗教は近い将来に突然の滅びをこうむり,これらの宗教の支持者に大きなショックを与えるでしょう。
ナチの指導者は狂気であったか
● ナチドイツの指導者は精神に異常をきたした狂人であったと一般に信じられています。したがって狂人を政権の座から閉め出しておけば,ナチの行なったような残虐行為は繰り返されないと多くの人は考えてきました。しかし何十年に及ぶ研究そしてニュルンベルク裁判におけるナチの指導者の人格テストの結果は,そうではない事を示しているようです。
フロリダ大学の心理学者M・ハロワーによれば,「ニュルンベルクで裁かれたナチ党員は,今日の我々自身の政府あるいはその事について言えばPTAの指導者に見られると同様に多種多様な人々の集まりであった」。研究の対象となったナチ指導者8人のうち,6人は「なんら重大な精神不安を示さず,中でも二人は非常な順応性を有していた。彼らの犯罪を狂った精神のせいにすることはできない」。
ではそれは何のせいですか。抑制されない,人間の権力は腐敗する傾向があります。ゆえにだれであれ,神の律法を破ることを人々に求める指導者に盲目に服従することは,あらゆる種類の腐敗した行為につながるおそれがあります。この理由で真のクリスチャンは次のように命ぜられているのです。「わたしたちは,自分たちの支配者として人間より神に従わねばなりません」。(使徒 5:29)そのうえ,神の律法を破る人々は,「天の場所にある邪悪な霊の勢力」― 悪霊の支配に対して自分を無防備にします。(エフェソス 6:12)こうして人間の指導者と,彼らに盲目に従う人々は,聖書が「この事物の体制の神」と呼んでいるサタン悪魔の手先となることがあります。―コリント第二 4:4。