王国宣明者の報告
エホバの栄光となるりっぱな業
イエスは山上の垂訓の中で弟子たちに,「あなた方の光を人々の前に輝かせ,人々があなた方のりっぱな業を見て,天におられるあなた方の父に栄光を帰するようにしなさい」と言われました。(マタイ 5:16)同じように,今日の真のクリスチャンもエホバの栄光となる「りっぱな業」に携わっています。
そのりっぱな業とは何でしょうか。それには,良いたよりを宣べ伝えることが含まれますが,わたしたちのりっぱな振る舞いもその肝要な部分です。最初に人々をクリスチャン会衆に引き付けるものは,わたしたちの良い行状である場合が少なくありません。次の経験は,マルティニーク島のエホバの証人たちがどのように『彼らの光を人々の前に輝かせ』ているかを示す例です。
□ 家から家への伝道に参加していた一人のエホバの証人は,あるカトリックの女性を訪問しました。この女性は25年間,ある男性と同棲していました。彼女はエホバの証人が教えていることを知っていました。というのは,7年ほど前に,「あなたは地上の楽園で永遠に生きられます」という本を受け取っていたからです。a この女性は証人に,「宗教が多すぎるんですよね。こんなに入り乱れていては,だれを信じればいいのか分からない」と言いました。それでその証人は,真理は聖書の中にしか見いだせないこと,真理を見いだすには注意深く聖書を研究し,神の霊と導きを神に祈り求める必要があることを説明しました。
この女性は聖書を研究することには関心を示したものの,しばらくの間,エホバの証人の王国会館で開かれるクリスチャンの集会への招待を断わっていました。どうしてでしょうか。その人は非常に内気な人だったのです。しかし,キリストの死の記念式への招待状をもらったので,この女性は内気を克服して出席しました。
集会について彼女が最も深い感銘を受けたのは,王国会館に漂っていた愛に満ちた雰囲気でした。自分の教会では,そうした偽りのない友情を経験したことがありませんでした。その集会に出席してからは,地元の証人たちが司会するすべての集会に出席するようになりました。それから間もなく,同棲していた男性と正式に結婚しました。彼女は今では会衆のバプテスマを受けた成員です。
□ 別の証人のりっぱな業も良い結果を生み出しました。この女性はある会社で責任ある立場に就いていました。レユニオン島出身の一人の男性が入社したとき,その人は背の低い人だったので,一部の従業員からばかにされ,笑いものにされるようになりました。しかしその証人は,それらの従業員とは対照的に,いつも親切に,敬意をもってその人に接しました。そのうちに男性は彼女に,あなたはほかの人たちと随分違うけれど,どうしてなんですかと尋ねるようになりました。
証人は,エホバの証人から聖書の原則を学んだので,敬意をもって人に接するようになったということを説明しました。また,神の目的と新しい世の希望について聖書が述べていることも示しました。その人は,聖書研究をすることに同意し,クリスチャンの集会に出席するようになり,一緒に暮らしていた女性と正式に結婚しました。
結局,その男性はレユニオン島に戻りました。彼は以前,親族,特に妻の家族とうまくいっていませんでした。しかし今度は,彼のクリスチャンとしてのりっぱな行状に親族は非常な感銘を受けました。この男性はバプテスマを受け,現在は奉仕の僕です。妻と二人の娘を含め幾人かの親族がやはり,クリスチャン会衆の中で,神の王国の良いたよりの伝道者として仕えています。
[脚注]
a ものみの塔聖書冊子協会発行。