良いたよりを伝える ― 洞察力と巧みさをもって
1 「あなたがたの発することばを常に慈しみのあるもの,塩で味つけられたものとし,ひとりひとりにどのように答えるべきかがわかるようになりなさい」。(コロサイ 4:6)わたしたちが隣人に証言する時,「なんとかして幾人かでも救うため」には洞察力と巧みさが求められます。―コリント第一 9:19-23。
2 わたしたちが戸口で会うほとんどの人が見知らぬ人ですから,このことをどのように効果的に行なえるでしょうか。まず最初に,わたしたちは近所の人々の態度,恐れていること,そして気にかけていることにつき多くをすでに知っています。それは,生活費の高騰,犯罪,不幸な結婚,子供を育ててゆく上での問題,人種や国家間の争いなどです。
3 例えば,わたしたちは1月中「人種の相違 ― それはどれほど大きなものですか」という主題に基づく一連の記事を掲載した特別号の「目ざめよ!」を提供します。この号の「目ざめよ!」を用いる際,論議の的となるこの主題をどのように効果的に話し合えますか。まず第一に,あなたが奉仕している周囲の人々の一般的な態度につき何らかの考えを述べたいと思うかもしれません。または家の人の意見や考えを尋ねてみてください。人々は人種や国家間の問題にどんな態度を示していますか。人種の相違という主題についてわたしたちが話し合う目的は,神が異なった人種の人々をどう見ておられるかを示すことだけでなく,主に良いたよりを宣べ伝える糸口を捕えることです。
4 率直に言葉を出すより質問した方が,この話題に関しあなたが言おうとしている事に『塩で味を付ける』のに助けとなるでしょう。終わりの日をしるしづける状態についてテモテ第二 3章1-5節の中の幾つかの適切な言葉に言及した後,こうした態度が世界の各地で存在する人種問題の大きな原因となっていると考えるかどうか尋ねてみてください。
5 極端な人種偏見を持っている人に対しても,次のように巧みに尋ねてみることができるでしょう。「人種や国家間の問題につきわたしたちはそれぞれ意見を持っていますが,もし全世界の人が他の人に憎しみや暴力を示すことなく生きることができれば,それはすばらしいことだとお考えになりませんか」。人種問題に余り関心を示さないような人に対しても,「世界の各地で大きな問題となっている人種差別などにつきお聞きになったことがありますか。アメリカ,中東,アフリカそしてフィリピンなどでも大きな問題となっていますが,憎しみや暴力でなく愛と一致の行き渡る状態はだれにとっても魅力あるものではありませんか」と述べることができます。
6 人種の相違についてのその人の見方が穏やかなものだということが分かるなら,こう尋ねることができるかもしれません。「世界のある所で人種偏見が強いですが,いろいろな人種に対して神がどうご覧になっているか,お考えになったことがありますか」。そして使徒 10章34,35節を示すことができるでしょう。あるいはあなたは啓示 7章9節を参照したいと思われるかもしれません。そこでは,「すべての国民と部族と……国語の中から来た」人々が,神の新体制の中に救い入れられたことで神を賛美しているさまをヨハネが描いています。
7 多くの場合,特別号の「目ざめよ!」を提供するだけでなく,家の人が予約して読んでみるように提供することができます。もし見本となる他のいろいろな号を示すなら,人種や国家の問題にそれ程関心を示さない人々の興味を捕えることができるでしょう。そして年24冊出される「目ざめよ!」の中で取り上げられるいろいろな記事から家の人がどれ程益を得るか簡単に述べることができるでしょう。半年の予約に「良いたより」の本を添えて提供すれば再訪問と研究の優れた機会ともなるでしょう。「ものみの塔」も優れた記事を載せていますので予約活動によく用いることができます。このように野外奉仕において洞察力と巧みさを働かせることにより,「聞く人たちに恵みとなるよう」エホバがわたしたちを助けてくださることを確信できます。―エフェソス 4:29。