今,『完全にそろったよろいを着けなさい』!
1 真のクリスチャンは肉の戦いに参加することはしません。しかし,彼らはある戦闘に携わっており,兵士にたとえられています。使徒パウロは,クリスチャンの戦いが血肉に対するものではなく,「天の場所にある邪悪な霊の勢力」に対するものであるとはっきり述べました。(エフェソス 6:12)この戦闘を生き残るには,防御のための霊的なよろいが必要です。このよろいは戦闘が進行中である今,手に入れ身に着けるべきものです。将来必要とされるものに過ぎないなどと考えてはなりません。
2 今,戦いを成功に導くために必要な基本的武具のいくつかを考慮してみましょう。
3 かぶと: 基本的防御用具の一つ。戦闘の際の戦士の保護を目的として作られた戦闘用のかぶり物。霊的に言って,わたしたちの思いは誤った影響力や不敬虔な宣伝から保護されねばなりません。それは,個人,家族,会衆の研究を通して,聖書からの正しい,築き上げる情報で養われる必要があります。これは本当に,会衆の集会に出席し活発に参加する必要性を強調するものではありませんか! また,家で聖書について考えたり話し合ったりする家族の取決めも何と重要なのでしょう! 個人としても,わたしたちは真理や救いの希望について黙想しなければなりません。あなたはそうされますか。神が与えてくださった積極的な「救いの希望」は,ちょうどかぶとが頭を保護するようにわたしたちの知力を守るだけの十分な強さを持っています。―テサロニケ第一 5:8。
4 胸当て: これは,戦士の胸を守る鎧装の保護物で,鱗状のものや鎖,あるいは堅い金属でできていました。「義の胸当て」は神の霊的なよろいの一部です。心の罪深い傾向を考える時,保護用の胸当てとして義が必要であることはすぐに認められます。(創世 8:21。エレミヤ 17:9)永遠の命のための神の取決めに対する信仰に根ざした,神の霊によってもたらされる義によってのみ,心が罪深い傾向に屈するのを食い止めることができます。(ローマ 6:15-20)あなたは,神の義に対する愛の点で成長し,毎日他の人々と接する際にそれを実践するよう努めておられますか。
5 腰帯: 腰の周りに着ける革製のベルトで,その幅は5ないし15センチと様々で,多くの場合,鉄や銀あるいは金の板金が飾りびょうで付けられていました。腰に帯を締めるということは,活動の備えをすることを意味しました。(列王上 18:46)パウロは,「それゆえ,真理を帯として腰に巻き……しっかりと立ちなさい」と勧めました。真理は,試みとなる状況に置かれた時にも確固として踏みとどまる決意を持つよう,戦いの態勢を整えたクリスチャンを強めます。
6 盾: パウロは「邪悪な者の火矢をみな消す」ための武具として「信仰の大盾」を勧めました。同じように,エホバ神への信仰,エホバへの全幅の信頼により,わたしたちはありとあらゆる患難の下で耐え抜くことができます。この信仰はただ創造者の存在を信ずるだけのことではありません。(ヘブライ 11:6)それは,わたしたちが経験するかもしれないどんな害も,死そのものでさえも,わたしたちの天の父は無に帰させてしまわれるという破れることのない確信を含むものです。(マタイ 10:28)あなたはこの信仰をお持ちですか。
7 剣: 聖書の中で,剣は最もひんぱんに述べられている攻撃および防御用の武具です。多くはもろ刃 ― 両側が切れる ― で,よく研がれ,手入れの行き届いた状態に保たれていました。神の言葉は,『どんなもろ刃の剣より鋭い』と言われています。クリスチャンの霊的なよろいの中には,「霊の剣,すなわち神のことば」が含まれています。(エフェソス 6:17)真理をふれ告げる面で攻撃用としてそれを用いることができます。防御面では偽りの教えや人間の伝統をそれによって退けることができます。野外の奉仕活動に神の言葉を用いるため真の努力を払ってください。「剣」を正しくふるって柔和な者たちを導く業に十分に参加してください。自分の知識を他の人々に分かち与えることにより,わたしたちは『いろいろな推論や,神の知識に逆らって立てられたいっさいの高大なものを覆す』ことができるのです。―コリント第二 10:5。
8 サンダル: 足にはく物も必要です。歩兵は,輸送や移動を足に頼ります。迅速かつ確実な動きは必須の条件です。霊的に用意の整ったさまの一部として,クリスチャンの兵士は「平和の良いたよりの装備を足にはき」ます。わたしたちの足が,他の人々を援助する目的でわたしたちを他の人々の家に運ぶ時,それは何と喜ばしいことでしょう。苦難に遭っている時でさえ,「良いたより」を他の人々に知らせる業に活発に,定期的に参加するなら,忠実に耐える助けになります。
9 あなたは「あらゆる良い業に対して全く整えられ」ていますか。すべての武具が所定の位置にしっかりと着けられていますか。あなたはこの最もし烈な戦いを勝ち残るでしょうか。今,よろいの全体を整える必要を悟っておられますか。それは真剣な事柄です。神の民すべてはこの困難な時代に『しっかりと立つ』必要を意識しなければなりません。そうするには,エホバが備えておられる霊的なよろいが必要です。個々の武具にはそれぞれ所定の位置があります。完全に支度が整っていることを確かめてください。信仰の点でゆるぐことのない決意をもって,堅く立ってください。邪悪な霊者たちとの日々の戦いにおいて,また,さし迫った最後の闘いにおいて勝ち残ってください!