開拓者としてエホバに仕えることを考慮してみましたか
1 開拓者たちによってなされている立派な業を見るのは何という励ましでしょう。「りっぱな業に熱心」とは,パウロが当時の勤勉な働き人たちを表現した適切な描写です。(テトス 2:14)今日ではどうでしょうか。「開拓者としてエホバに仕える点でわたしが見いだした喜びを描写すべき言葉がありません」と,ある姉妹は答えました。あなたも,自分の神聖な奉仕においてそのような気持ちを経験できるでしょうか。
2 開拓奉仕へと踏み出す最初の段階の一つは,開拓者精神を培うよう努めることです。それはどんな精神ですか。最近の一連の巡回大会から学んだように,それは宣べ伝えよという命令に対する正しい態度もしくは気構えです。それには人々への関心が含まれます。それはこの終わりの日に神のご意志を行なうということから来る喜びの精神です。一定の生活水準を保つことに打ち込む人々もいますが,開拓者精神を持つ人々は,人々を援助することにさらに多くの時間を費やすため喜んで犠牲を払います。(マタイ 13:45,46)開拓者精神を持つのは開拓者だけでしょうか。そうではありません。事情で開拓奉仕こそできないかもしれませんが,この精神を持つ人は大勢います。
3 自分の事情にあって開拓奉仕が可能かどうかをどうすれば見定めることができますか。あなたの会衆にも,開拓者である人や,開拓者であった人が幾人かいることでしょう。その人たちにこのことを話してみるのはいかがですか。実行可能な予定を立てる仕方について,役立つ提案を喜んで与えてくれるでしょう。(エフェソス 5:16)人は個人研究や家族への責任と野外奉仕との間に平衡を保たなければなりません。物質の必要物をまかなうためには時間が必要であり,そのために世俗の仕事に就かねばならないかもしれません。そこでお金の正しい用い方が関係してきます。物事を簡素に保ち,神の王国を第一にしているなら,イエス・キリストに見倣っていることになり,開拓奉仕に喜びを見いだすことでしょう。
4 経済面では開拓奉仕が可能だと分かったものの,健康が持ちこたえるかどうか,あるいは実行可能な予定を立てられるかどうか確信が持てないとしたらどうでしょうか。数か月間補助開拓奉仕をして,その間に事情を整えるのはいかがですか。もしうまくいったなら,少なくとも1年間開拓奉仕をすることを是非考慮してみてください。こうすれば,長い期間に及んだ場合自分の健康や予定などがどうなるかを見る機会が得られるでしょう。開拓奉仕の喜びをひとたび味わえば,きっとやめたくなくなることでしょう。しかし,うまくいかなかった場合でも,あなたは全時間奉仕で祝福に満ちたすばらしい1年間を送ったことになり,それはあなたにとって宝のようになるでしょう。
5 自分と一緒に働く人を見付けるのに問題をお持ちですか。補助開拓奉仕や開拓奉仕に参加するよう他の人々を励ますという方法で,開拓者のパートナーが見付かることが少なくありません。自分から率先して,一緒に喜んで働きたいことを他の人に知らせると,相手の人たちもやってみようという気になることが少なくありません。励ましの一言を添えて招待するだけで十分かもしれないのです。
6 あなたはいつからこの特別な業に参加できるでしょうか。新奉仕年度の始まる9月はいかがですか。気候も良くなるその初秋の時期を楽しむのに,開拓奉仕に勝るものがあるでしょうか。またそれに先立つ夏の期間に補助開拓奉仕をしてみてはいかがですか。必要の大きな区域でそれを行なえれば,忘れられない楽しい思い出となることでしょう。
7 25年間にわたる自分の正規開拓奉仕を振り返って,一人の兄弟は協会に次のように書き寄せました。「全体を通じて,それはある程度の達成感,ある程度の訓練を受けある程度の犠牲も払ったという感慨を伴う楽しい思い出を残してくれました。しかし,代わりに得たものは,私たちがあきらめたりしたものを補って余りあるものでした。―マルコ 10:29,30」。7か月後,この兄弟はなおも開拓奉仕を続ける中で亡くなりました。開拓者精神の何と立派な模範でしょう! あなたもこの兄弟と同じ気持ちを味わうことができますか。正規または補助開拓者になれるとしても,事情でそのどちらも行なえないとしても,「りっぱな業に熱心」であるなら,あなたもそのような心に深く残る,成し遂げたという数々の思い出を得られることでしょう。