「最も偉大な人」の本で聖書研究を始める
1 家庭聖書研究は司会者と家の人の双方にとって,非常に楽しく,報いの多いものです。他の人々に聖書の知識を分かつ喜びに比べられるものは何もありません。―箴言 11:25。
2 終わりの日のしるし: 「最も偉大な人」の本の111章を用いて証言した場合,どのように研究を始めることができるでしょうか。
■ 「世の中には平気で人をだまして不正な利得を得ようとしたり,暴力事件を引き起こしたりする人が後を絶ちませんね。すべての人が平和な生活を送れる時が来るといいのですが,多くの方は『そんなことを考えたところで,結局何にもならない』と考えているようです。あなたもそう思われますか」と尋ねます。その後,「実はこのような暴力的な時代が来ることは古くから預言されていました」と述べ,111章の「終わりの日における確信」の副見出しの4節を読みます。それから,「では将来には明るい見込みがあるのでしょうか。世の中で今起きている事柄にはこのような意味があります」と述べ,同じ副見出しの7節を読み,さし絵を用いながら話し合います。
3 手短な話し合いを終えた後,次のように述べ,次回の訪問を約束できます。「その後,わたしたちの地球はどのような状態になるのかについて,来週もう一度,これぐらいの短い時間お寄りしてお話しできればと思います」。
4 山上の垂訓: 最初の訪問で35章から話し合った人の場合,このように言えます。
■ 「先日お渡しした書籍の中にとても役立つ事柄が書かれていましたので,一つだけお伝えしたいと思いお寄りしました。わたしたちは親から『他の人に迷惑をかけないように』とよく言われたものですが,最近ではたとえ他の人に迷惑をかけても自分さえよければという人が増えているように思えます。そう感じられたことはありませんか。[家の人の意見を聞く。] 確かに他の人に迷惑をかけないよう心がけるのは大切なことですね。ところで,このような言葉を守れば一層よい世の中になると思われませんか」と述べ,35章の「命に通じる道」という副見出しの6節を読み,身近な例について話し合います。その後,「もし,他の人に対して冷淡にではなく親切に,偏見や憎しみの代わりに愛を示せるとしたらどんなに住みやすい世の中になるでしょう。次回は,生活に役立つ別の言葉をお伝えしたいと思います」と述べ,短い再訪問を繰り返し家庭聖書研究の基礎を築きます。
5 イエス・キリスト: イエスについて関心がある人には,次のように言えます。
■ 「イエス・キリストと聞くとクリスマスの日に馬小屋で生まれたことや刑柱上での死を思い浮かべる方も多いと思いますが,この本にはイエスが実際はどのような人物で,どのような生涯を送り,また人々に役立つどのような教えを与えたかがたいへん分かりやすく書かれています。中には,イエスが偉い人で普通の人はとても近づけなかったと考える人がいるかもしれませんが,実際には同情心にあふれた親切で近づきやすい人でした」と述べてから,イエスの優れた特質や教え方を35章,40章,64章,73章などから話し合えます。
6 正しいことを愛し,抱えている問題を解決する方法を探し求めている,正直な心の持ち主はまだまだ大勢います。確かに,聖書研究によってイエスの教えを知る機会を差し伸べることは,非常に報いの大きな仕事です。