聖書全体は教えるのに有益です
1 聖書の価値については,多くの異なる意見があります。しかしわたしたちは,この本にこそ人類の抱える難問の答えや,個人の生活における信頼できる導きが収められていることを確信しています。(箴言 3:5,6)聖書の助言に反映されている知恵は,他に類を見ません。聖書が唱道する道徳規準をしのぐものはありません。その音信は強力で,「心の考えと意向とを見分けることができ」ます。(ヘブライ 4:12)聖書を入念に調べる必要があることに気づくよう,どのように人々を援助できるでしょうか。11月中,「新世界訳」に「聖書 ― 神の言葉,それとも人間の言葉?」の本を添えて提供する際,以下の提案の幾つかを用いたいと思われることでしょう。
2 基本的な必需品を賄うことについて心配する人が多いので,このように話せば関心を引けるかもしれません:
■ 「最近お目にかかる多くの方は,金銭面での責務を果たすのが大変だとおっしゃいます。いろいろな物を手に入れようとするあまり,ストレスを感じるようになる方もおられます。こういう問題のアドバイスはどこに求めるのが最善だと思われますか。わたしは,不必要な問題を背負いこまないようにするための実際的なアドバイスが聖書にあることを知りました。その一例をお伝えしたいと思います」。「神の言葉」の本の163ページを開き,3節に引用されているテモテ第一 6章9,10節を読みます。4節についてもう少し説明した後,本を勧めてください。
3 次の提案も考慮できるかもしれません:
■ 「新聞を読んだり,ニュースを聴いたりするたびに,不安を募らせる痛ましい問題が報じられますね。[最近のニュースで報じられた不穏な出来事を何か挙げる。] この種の問題にどのように対処できると思われますか。[答えてもらう。] モハンダス・ガンジーは,聖書の教えをあてはめるなら『全世界の問題をも解決できるだろう』と述べましたが,その点聖書そのものにも次のように記されています。[テモテ第二 3:16,17を読む。] 聖書がなぜ信頼できるか,その理由についてお伝えしたいと思います」。「聖書が信頼できる理由」のパンフレットから,目立った点を指摘します。今の世界情勢が聖書預言の成就であるということがいかに注目に値するか,後日改めて訪問してお話ししたい,と述べます。
4 宗教に関心のない人が多い区域の場合,次のような方法を試すこともできます:
■ 「ご近所には,宗教の聖典と言われる本の中にも内容の矛盾したものや,神話や人間の考えを記したものがある,と考えている方が大勢おられます。そして,宗教にかこつけてひどいことがたくさん行なわれてきたのを見て,聖書も信じられない,とおっしゃいます。事実,聖書は人間が書いたものにすぎないという人も少なくありません。あなたはどう思われますか」。答えてもらいます。家の人の答えに応じて,「聖書 ― 神の言葉,それとも人間の言葉?」の本の中から,家の人の反対意見や見方を取り上げている箇所を開き,一,二の点について話し合います。例えば,66ページから始まる,「イエス ― 実在の人物」という副見出しに続く27-29節を用いる機会があるかもしれません。
5 わたしたちの偉大な教訓者は,学ぶ意欲のある人がだれでも必ずご自分について知ることができるようにされました。聖書の真価を認めるよう人々を援助するのは,人々を助ける非常に優れた方法の一つです。そうするなら,人々の命を救うことができるのです。―箴言 1:32,33。