現代の世界における聖書の価値
1 多くの人は聖書が時代後れで非現実的であると考えます。最も広く配布され,最も多くの言語に翻訳された本であるにもかかわらず,比較的少数の人しか読んだことがなく,その導きに従っている人はさらにわずかです。
2 それとは対照的に,わたしたちは聖書を神の言葉として重んじています。聖書は歴史的にも正確であるばかりか,その驚くべき調和,預言,知恵,人々の生活を良い方に変える力を持っていることなどはすべて,聖書が「神の霊感を受けたもの」であることを示しています。(テモテ第二 3:16)わたしたちは自分の経験とこのすばらしい贈り物に対する感謝に動かされて,その真の価値を調べるよう他の人を励ますべきです。
3 このように近づくことができます:
■ 「きょうは,ご近所の皆さんに聖書についてのご意見を伺うために訪問しています。聖書は古くから洋の東西を問わず多くの人に親しまれ,益となってきたと言われていますが,中には自分にはあまり関係のない本だと考えられる方もいるようです。あなたはどう思われますか。とても昔に書かれた書物であるにもかかわらず,現代のわたしたちに益となるこのような言葉をご紹介できればと思います」と述べ,家の人の関心を引く聖句を読みます。例えば,金銭を追求することの虚しさを明らかにしているテモテ第一 6章9,10節,あるいは良い人間関係を保つのに役立つマタイ 7章12節などの聖句に注目させ,聖書の言葉が現代にも当てはまることを強調します。その後,「神の言葉」の本の162ページを開きながら家の人に手渡し,聖書の「高い知恵」について調べてみるよう積極的に勧めます。
4 聖書には関心がないと言う人に対して,このように言えるかもしれません:
■ 「聖書というと単なる宗教書あるいは歴史書というイメージを抱かれるかもしれませんね。そうした事柄に関心を持たれないとしても,親として,あるいは夫として妻として家族が仲良く,そして楽しく暮らしてゆくためにどのように貢献できるかについてはよく考えられるのではないでしょうか。多くの人々がこのことについて様々な意見を述べるため,はっきりとした指針があれば良いのにと思われませんか。その点,聖書は簡潔にこう述べています」と言って,エフェソス 5章28,33節や箴言 31章など,家族生活について扱った聖句を紹介します。その後「神の言葉」の12章に結び付けることができます。
5 「論じる」の本13ページの「聖書/神」の項目にある紹介の言葉を使うと良いことに気づくかもしれません。付加的な情報は262-272ページに載せられており,家の人の質問や反論に答えるときに役立つでしょう。
6 学生時代に聖書を読んだことがあるとか,幼稚園のころに教会へ行ったことがあるなど,多少なりとも聖書に接したことのある人にはこのように言えます:
■ 「わたしたちはだれでも自分や家族の幸福を願いますが,必ずしもお金や物だけで真の幸福が得られるとは限らないようですね。真の幸福を得る秘訣が聖書の中に,このように簡潔にまとめられていたのをご存じでしたか。以前に読まれたかもしれませんが,イエス・キリストは山上の垂訓という有名な言葉の中でこう言われています」と述べ,マタイ 5章5-9節を家の人と手短に話し合います。その後,マタイ 5章3節に言及し,真の幸福を得るためには聖書を読むことが欠かせないという点を強調します。聖書の言葉が人々にどれほどの影響を及ぼすかについて,「神の言葉」の本の13章から話し合うこともできます。
7 聖書を読むよう人々を励ます機会に気を配るようにしましょう。関心を持つ人が書き記された神の言葉に対する敬意と愛を築くよう助けましょう。そうした人々は聖書の原則を個人の生活に適用し,真理の知識に至ることにより,現在と将来にわたって多くの益を得ることでしょう。―詩編 119:105。