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エフェソス 注釈 2章新世界訳聖書 (スタディー版)
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今の世の体制: ここで「体制」と訳されているギリシャ語は,基本的に「時代」という意味。たいてい,特定の期間を特色づける情勢や特徴を指す。「世」に当たるギリシャ語(コスモス)はここで,神から遠く離れていて神に従わない人間社会を指す。この節では2つの語が組み合わされていて,全体として,「今の世の歩み[または,「習慣」,「方法」]」と訳すこともでき,神から遠く離れている人々の振る舞いや基準を指す。パウロは,かつてエフェソスのクリスチャンが正しくない生き方に従って歩んでいたことを示している。
人々に影響を及ぼしている空気の支配者: この「支配者」とは悪魔サタン。パウロは文字通りの空気を例えにして,自己中心的で不従順な精神が今日の世界にどれほど広がっているかを述べている。パウロはコ一 2:12で「世の精神」という言葉も使っている。空気がどこにでもあり,いつでも吸い込めるように,「世の精神」も常に存在している。それは人類の大半に「影響を及ぼしている」。その精神は,罪深い欲望に働き掛け,巧妙で,執ようで,空気のようにどこへでも浸透するので,大きな影響力がある。神から遠く離れていて神の意志に反する生き方をする人たちは,ここで「不従順な人たち」と呼ばれている。
不従順な人たち: 直訳,「不従順の子たち」。使徒 4:36の注釈を参照。
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