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フィリピ 注釈 3章新世界訳聖書 (スタディー版)
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ベニヤミン族の者: パウロはこの節とロマ 11:1で,自分がベニヤミン族の者であることを明らかにしている。ここでそうしたのは,ユダヤ人として代々受け継いできたものの一面を強調するためだった。ベニヤミン族は誉れある部族だった。族長ヤコブは死ぬ前にベニヤミンの子孫についてこう預言した。「ベニヤミンはオオカミのようにかみ裂く。朝には獲物を食い,晩には奪った物を分ける」。(創 49:27)確かにベニヤミン族からは,エホバの民を守るためにオオカミのように戦う勇敢で有能な戦士が多く出た。ベニヤミン族の中には,「朝に」つまりエホバがイスラエルに確立した王権の夜明けに,あるいは「晩に」つまりその王権の日没後に,この預言を実現した人たちがいた。(サ一 9:15-17。代一 12:2。エス 2:5-7)パウロも勇猛な戦士であることを示し,偽りの教理や慣行との戦いをした。パウロは,数え切れないほどのクリスチャンにその戦いの方法を教える役割も果たした。(エフ 6:11-17)
ヘブライ人から生まれたヘブライ人: パウロはここでコ二 11:22と同様の点を述べ,ユダヤ人として代々受け継いできたものを際立たせている。(注釈を参照。)パウロはいわば,自分が生粋のヘブライ人で全くのユダヤ人家系の出であると言っている。そう言ったのは,偽りを教える人たちがパウロのユダヤ人としての背景を疑問視し,自分たちの背景を誇っていたからかもしれない。しかし,パウロはそうした要素が自分にとっては何の意味もないことを強調している。フィリ 3:7,8の注釈を参照。
律法に関しては,パリサイ派: パウロはここで,ユダヤ教に関する自分の背景について書いている。ユダヤ教のパリサイ派の信奉者だった両親に育てられたことを言っていると思われる。(使徒 23:6の注釈を参照。)以前パリサイ派だったクリスチャンはほかにもいて,使徒 15:5(注釈を参照)に「以前はパリサイ派だった信者」が出てくる。
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