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エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1954
塔54 5/1 178–179ページ

読者よりの質問

☆ 黙示録 20章7節は,1000年統治の後にサタンは底無き坑から解き放たれて語つています。この最後の験しは,1000年期の終りの時期に来ますか? それとも1000年期の後に来ますか? それは,7000年の創造または休みの日の中に来ますか? それともその後に来ますか? また,キリストが御国をヱホバに返すのは,サタンの験しの前ですか? それともその後ですか? ― 一読者より

サタンが解き放たれるのは,1000年統治が終つてからであると黙示録 20章7節は明白に述べています。このように書かれています『千年が終るとすぐに,サタンはその監禁から解き放たれるであろう。』(新世)前にこの読者よりの質問欄で,キリストの1000年統治とサタンと悪鬼共1000年の間,底の無い坑に入れられることは同時に起き,同時に終る,と示されました。それですから,『これらのことの後に,サタンは少しの間解き放たれねばならない』といことは,最後の試験が1000年統治の終つた後に来るということを決定的に証明するものです。(黙示 20:1-6を見よ)それから,サタンとその悪鬼共は『少しの間』底の無い坑から出されるのです。

全く千年の間,サタンとその悪鬼共からの妨害なしに,キリストは支配しますが,それはコリント前書 15章24-28節(新世)に予言されていることを成就するためです。『彼はすべての政府と権威と権力を滅ぼした時に,御国を父なる神に渡す。なぜならば,彼の足下に神がすべての敵を置かれるまで,彼は王として支配しなければならない。最後の敵として,死は亡ぼされる。実に,神は「すべてのものを彼の足下に従わせられた。」しかし,「すべてのものは従えされる」と彼が言う時すべてのものを彼に従えさせられた方は,この中から除外されるということは明らかである。すべてのものが彼に従わされてから,御子自身も,すべてのものを彼に,従えされた方に従うのである。それは,神があらゆる者にたいしてすべてのものとなられるためである。』

キリストの王権に反対するすべての政府と権威と権力は取り除かれ,最後には死という敵も亡ぼされるでしよう。つまりこうです,アダムからのうけついで来た死はなくなるということです。なぜならばキリストはその死のすべての悪い痕跡と人間家族への死の影響を拭き取られるからです。それから後には,人間家族はその肉体が完全になり,永久に生きることができます。アダムの子孫であるという理由で,彼らは死ぬことがありません。アダムから相続したすべての処罰はなくなつてしまつたからです。ヱホバ神が『あらゆる者にたいしてすべてのものとなられる』ために,キリストが御国政府をヱホバ神に渡されるのはその時なのであります。イエスがこのことをすることは必要です,なぜならばイエス自身では,この群の人間に永遠の生命を与えることができないからです。『義とし給う』,すなわち新しい翻訳では『義しい者と言明する』方はヱホバ神であるという聖書の原則はいつも真です。―ロマ 8:33,新世。

さて,神が彼らを義とされる,または義しい者と言明し,永遠の生命の価値ある者と言うためには,彼は裁きを行わねばなりません。イエスは,千年の間のその御国によつて,人類を守る幕として働かれます,それで人類を,人間としての完全さと罪無き状態にイエスが向上せしめられている間,神の怒りは人間に来ないでしよう。千年の終りに,イエスが御国を神に渡す時,人間の家族をも神に渡します。それで神は人間に注意を払われ,人間家族の裁き主として直接に働かれます。神の側に立つか,神に反対するかという裁きをするその試験として,神は悪魔を解き放ちます。神はイエスを用いて悪魔を解き放ちます。なぜならば,イエスが悪魔と悪鬼共とを底の無い坑に入れたからです。彼らは出てきます,そして人間を試験するでしょう。

その試験は人間を誘惑することではありません。人はその時に知識を持つているからです。アダムの時と同じことです。彼は神から知識を持つていましたから欺かれたのではありません。しかし試験が来た時,自分の妻についての欲望と利己的な願いのために,アダムは誘惑に落ちました。それから彼は罪をおかしましたが,それは自分の意志で決定しておかしたのであつて,欺かれたからではありません。千年の終りもそうでありましよう。知識が足りないからというので,人間は欺かれることはありません。しかし悪魔は人間に働きかけて,アダムの時のように悪と利己的な願いとを引き起して誘惑にさそいこみます。試験として神はそのことを許されますが,それは誰が実際に,心と精神と魂と力をもつて神を愛するかを見るためです。利己主義の路をとつて,悪魔と悪鬼共に従う者は亡ぼされます。そして最後には,悪魔と悪鬼共も実体的なゲヘナである『火と硫黄の池』に投げこまれます。(黙示 20:8-10)ヱホバはこのように試験を準備されます,そして神の側に立つ者と反対する者とを裁き,目に見えるものも見えないものも罪人と叛逆者を処刑します。ロマ書 16章20節に予言されていますように,ヱホバこそサタンを打ち砕かれる方です。しかしそうするのに,彼は刑執行者としてキリスト・イエスを用います。このようにしてヘブル書 2章14節(新世)の成就がなされます。『その死を通して,死をひき起す手段を持つ者,すなわち悪魔を彼は亡ぼすためである。』

サタンがハルマゲドンの時に千年間底の無い坑に入れられることは,キリストの千年統治の時と同時に起きるということについて,聖書ははつきりと確証しています。また,最後の試験をするためにサタンが解き放たれるのは,千年統治が終つて,キリストが御国政府をヱホバ神に渡されて後であるということもはつきり確証されていますが,しかしこの最後の試験が,ヱホバの7000年の休息の日に来るか,またはその後に来るかは現在では判りません。私たちは待つて,何時ハルマゲドンが終り,千年統治が始まるかを見なければなりません。その時になつて,千年の終りにある最後の試験が,7000年の日に関係しては何時頃来るかはつきりと判ります。アダムの時より6000年経たない前にハルマゲドンが終るならば,1000年統治は7000年の休息の日以前に終るでしよう。それですから,最後の試験は7000年の日の中に起るでしよう。しかし,このことについては明白に言うことはできません。7000年の日に関係して試験の期間が何時あるかということを間違いなく発表するには,ヱホバに待ちのぞみ,私たちが時の流れのどこにいるかということをヱホバから教えていただなけばなりません。

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