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  • 「私たちの神の家をなおざりにしない」
  • エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1966
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  • アルバニア
  • ブルガリア
  • チェコスロバキア
  • 東ドイツ
エホバの王国を告げ知らせるものみの塔 1966
塔66 6/1 349–351ページ

「私たちの神の家をなおざりにしない」

エホバの証人が困難な状況下で熱心に働く国々

― 1966年度のエホバの証人の年鑑から ―

伝道者最高数: 103,546

人口: 422,163,000

比率: 4,077人に1人

これから述べる11ヵ国におけるエホバの証人の活動を,年鑑のはじめの方に載せられている報告表の中に国毎に発表するのがわたしたちの願いです。しかしこれらの国々で働いている兄弟姉妹を守るためには,11ヵ国を全部まとめて報告する以外にはありません。これらの国々のすべての政府は,エホバの証人がそこで働いていることを知っています。エホバの証人が何事かを行なっているという事は知っているものの,これらの政府は,それぞれの国で何人のエホバの証人が働いているかを協会の出版するいかなる報告によっても確かめることはできません。もしそれが知れるなら,彼らはわたしたちの仲間であるこれらのしもべたちにいっそう圧迫を加え,迫害と反対を強化して,遂にはすべての者を探し出すようにさえなりかねないことをわたしたちは知っているからです。しかし,これらの国々から寄せられた経験をここにかかげて,その地の兄弟たちのことを少しでもおしらせできるのは大きな喜びです。彼らが,大きなわざを行ない続けているのはほんとうにうれしいことです。しかしクリスチャンがエホバ神を喜ばすためには,真の忍耐,ねばり強さなどの霊の特質が要求されるのです。

アルバニア

アルバニアの兄弟たちは依然むずかしい状態の中にあり,御国奉仕にかんする活動について何らの報告もできません。ある兄弟たちは今でも投獄されたままです。崇拝と聖書の研究のためにどんな集会も開くことは極めてむずかしい状態です。しかし,兄弟たちが決してやめることなく信仰に固く立ち続けていることをわたしたちは知っています。彼らは,互いに助け合い,励まし合って創造者エホバに忠実に仕えています。アルバニアの兄弟たちは「わたしたちのために主に祈ってください」と言ってきました。わたしたちは,これら忠実な兄弟および姉妹たちのために,エホバが聖霊によって今後も力を与えられることを確信し,必らず祈り続けるでしょう。

ブルガリア

「収穫は多いが,働き人が少ない」(マタイ 9:37)ということばはブルガリアでは特に真実です。ここには,人類の将来はどうなるかの問題に対する答えを求めている正直な心の持ち主が大勢います。そのような人々はその答えを教会にも,あるいは政治の中にも見出せません。しかし彼らがひとたび神の御国の真理に接すると,さらに深く学ぶためには100マイル(160キロ)以上も旅をすることさえいとわなくなります。このような例はここブルガリアにもあります。ブルガリアにおけるわざは昨奉仕年度中さらに進歩し,多くの人は聖書の研究を始めて非常に熱心になり,唯一の真の神を喜ばすために自分の生活を変えました。彼らにとってエホバの証人を恐れる理由は実際のところ何もありません。エホバの証人はだれにも害を加えず,政府に対しても何の反対も行なわないからです。彼らは法律に従う市民であり,他の仲間の人々に最善の福祉となることのみを求めています。たとえ現状は容易ではなくとも,エホバはご自分の熱心なしもべたちを祝福しています。このゆえに,まったくの逆境にあるにもかかわらず,エホバの証人は良い結果を得ています。

チェコスロバキア

エホバの過分の恵みにより,チェコスロバキアのエホバの証人は祝福に満ちた奉仕の1年を過ごし喜んでいます。信仰の家族は大きくなり,相当数の人々が浸礼を受けました。これらすべての事は,時が悪くても伝道が実を結んでいることを示しています。ある人は財布を失ったことから,エホバの奉仕者になりました。そのいきさつは次のとおりです。数年前あるエホバの証人が路上で財布を拾いました。中にはいくらかのお金と一緒に,持ち主である一老婦人の住所を書いたものがはいっていました。この兄弟にとって財布をその持ち主に返すのはごく当然のことでしたが,持ち主にとってはむしろ大きな驚きでした。婦人は兄弟に言いました。「どうぞあなたのご住所をお教えください。そのうちお尋ねして,あなたのご親切に対しあらためてお礼を述べたいと思います」。この婦人は約束の日に,そのエホバの証人の家を訪ねました。これが兄弟にとって,神のみことばである聖書の高い道徳の原則について証言する絶好の機会になったことは言うまでもありません。そして兄弟はさらに,聖書の約束する新しい秩序の下にあって,そのすべての市民が正直という原則を行なうことについて説明しました。こうして聖書の音信に対するその婦人の真の関心がひき起こされました。彼女は多くの疑問を持っていました。以来数年にわたって彼女は熱心に聖書を学び続けました。現在,彼女は,神のみことばの伝道者です。そして失われた財布だけでなく他の事柄においても正直な人々の団体の一員となっているのです。

東ドイツ

昨奉仕年度の終わりで,東ドイツにおけるわたしたちのわざが禁止されてから15年目になります。しかしエホバの保護と祝福により,御国の音信の伝道を中止しようとする敵の企てが失敗したことに対し,わたしたちはエホバに感謝しています。何年にもわたって過酷な迫害や圧迫が神の民に加えられ,伝道が禁止されているにもかかわらず,さらに多くの人々が良いたよりに接し,エホバの証人としての立場をとってきました。そして伝道者の示した忍耐は,エホバのみ名に対する偉大なあかしとなったばかりでなく,からだを殺す者を恐れずに,神の与えたわざを行ない続けるよう,他の国々に住む兄弟たちへの励ましともなりました。

2人の休暇開拓者は,ある墓地でひとりの婦人と話を始めました。彼女は死者に対する希望について知りたいという真剣な願いを表わしたので,その開拓者たちはその人を再び訪問する約束をしました。訪問してみると,彼女は開拓者たちの来るのを早くから待っていました。この婦人はそれまでにもキリスト再臨派の本を何冊か読んだことがありましたが,エホバの証人の教えの方がもっと真理に近いのではないかと考えていました。休暇開拓者は自分たちがエホバの証人であることを打ち明けました。すると彼女は思わず叫んでこう言いました。「あの墓地であなた方にお会いできたのは,ほんとうに神のお導きではないかと思います」。すぐに聖書研究が始まり,彼女は急速に進歩しました。12月の4回目の研究の時に,その婦人はクリスマスの前に用いる飾りである「再臨の花環」を贈りたいと申し出ました。伝道者への感謝のしるしとして,自分でそれを作ったのです。伝道者は祭日や偶像の問題を巧みに取り上げました。聖書からそれらについて話し合ったところ,彼女は神のみ心を行ないたいと述べました。そしてただちに,クリスマスツリー,再臨の花環,宗教的な肖像,ロザリオなどを火で焼き捨てたのです。この研究は大変良く進歩しました。

一伝道者とある期間研究していた別の婦人は,自分の教会を脱退することに決めました。教会を去ったところ,その教会の牧師が彼女を訪ねてきました。牧師は,どうして教会を去ったのかと尋ねました。そこで彼女が,牧師は神のみ名を見過ごしているゆえ,もはや真理を十分に人に教えてはいないと告げると,神のみ名は実のところそれほど重要なことではないと牧師は答えました。その牧師は,彼女に会費の支払を怠ったことが教会を去った真の理由だろうと言いました。ここで彼女は小切手帳を取り出し,金額を書き込み,それを牧師に渡しました。小切手に彼女の署名がないのに気付いた牧師は,署名がなければ無効だと言いました。そこで彼女はこう答えました。「もしわたしの名前がそれほどに重要ならば,天と地の創造者のお名前ははるかに重要ではないでしょうか」。もちろんのこと,彼女は小切手に署名せず,それどころか牧師に続けて証言しました。遂に牧師は,もし教会の信者がエホバの証人のもつ熱意の半分でも持ち合わせているならば,教会はもっとよくなることだろうと言いました。

「羊」の世話をして「狼」から守るには,しばしば勇気をもって決定を下すことが要求されます。ひとりの若い姉妹が,ある婦人と6ヵ月ほど聖書の勉強をしていました。婦人はよく進歩していました。その婦人には14歳になるむすこがひとりいました。ある日,勉強をしているところに,このむすこがかなり興奮した様子ではいってきて,伝道者のことを警察に知らせたので間もなく警官がやって来るだろうと言いました。少年は警察に知らせたことを後悔していたのです。自分のむすこのしたことにその婦人がすっかり当惑したのを見て,伝道者は慰め励ましてから,すぐに裏口より逃げました。伝道者はその後どうしましたか。翌日,その少年が学校に行っている時間を見計って再びその婦人を訪れ,前日,実際に2人の警官がきたことを知りました。警官は,どんな「若い女」が来ていたかを知りたかったのです。普通の親しそうな年配の女の人だったと,その婦人は警官に告げました。すると,警官たちは次のように議論をはじめました。エホバの証人は危険人物だということを一般の人々に知らせようとしている権威筋の努力にもかかわらず,年寄りばかりか実際のところますます多くの若者までがエホバの証人になっており,彼らは刑務所に入れられることにさえ驚かないというのです。警官が言ったことに,この婦人が少しも動揺していないことが伝道者にはわかりました。それどころか,彼女は伝道者がこんなにも早く訪ねてくれたことを大変喜んでいました。むすこが学校にいる時間に,研究は続けられました。

真理を学ぼうとする人々の前にある妨げを取り除くためには慎重さが大切です。ある伝道者が一ラジオ修理工に最初会って,証言したところ,かなりの興味を示しましたが,驚いたことに再び訪問しないでほしいと言いました。これは明らかに人を恐れたためでした。しかし伝道者はそれであきらめることなく,この人のことをある姉妹に話し,今度はこの姉妹が自分の古物のラジオをその人に修理してもらうことにして持って行きました。こうして姉妹はラジオが修理できたかどうかを聞きに行くたびに,数回にわたって彼と話す機会をつくることができたのです。彼は少しずつ確信を持てるようになり,今では伝道者との聖書研究を喜んで行なっています。

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