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政治的な連合は初めから滅びに定められているものみの塔 1967 | 6月15日
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戦いをいどみます。ヨハネは「この大ぜいの群衆」が神の御座の前に立ち,「救は,御座にいますわれらの神と小羊からきたる」と叫んでいるのを見ました。(黙示 7:9,10,13–17)赤い獣自体が神の民に直接に敵対したことはまだありませんが,それでも今なお多くの国家の支配者は福音の伝道に反対しています。多くの国において彼らをそそのかしているのは,淫婦大いなるバビロンすなわち偽りの宗教の世界帝国です。ポルトガル,スペイン,ギリシャなどにその例がみられます。また共産主義陣営の国々すべては,小羊を代表する者たちに激しく戦いをいどんでいます。
小羊はししの性質を表わす
13 (イ)地上のクリスチャンは王たちと戦いますか。なぜですか。(ロ)諸国家は小羊との戦いに勝つことを期待すべきですか。説明しなさい。
13 神の小羊の地上の追随者はやはり小羊のような性質を持ち,彼らに立ち向かってくる諸国家と実際の戦いをしません。彼らの戦いはエペソ人への手紙 6章11,12節に描かれている霊的な戦いであり,諸国家をハルマゲドンに集めている悪霊に対する戦いです。彼らのわざは教育のわざであって,神の国を人々に知らせ,人間の支配の下で平和の実現しないことを示し,神のことばの真理を学ぶことを望む人々を教えるわざです。しかしそうではあっても,象徴的な十の角が戦いに勝つことは期待できません。小羊のような者たちを滅ぼすことを望んでもそれは無駄です。小羊は「ユダ族のしし」であって,神の敵と戦うとき,ししのような性質を表わすからです。(黙示 5:5。創世 49:9,10)彼らは詩篇 2篇を再びひもといて,天に座す主権者の神からどのように見られているかを知らなければなりません。「天に座する者は笑い,〔エホバ〕は彼らをあざけられるであろう。そして主は憤りをもって彼らに語り,激しい怒りをもって彼らを恐れ惑わせて言われる。『わたしはわが王を聖なる山シオンに立てた』と。わたしは〔エホバ〕の詔をのべよう。主はわたしに言われた,『おまえはわたしの子だ。きょう,わたしはおまえを生んだ。わたしに求めよ,わたしはもろもろの国を嗣業としておまえに与え,地のはてまでもおまえの所有として与える。おまえは鉄のつえをもって彼らを打ち破り,陶工の作る器物のように彼らを打ち砕くであろう』と」― 詩 2:4-9,〔文語〕。
14 小羊は今どんな地位を占め,どんな権威を持っていますか。
14 こうしてエホバは,異邦人の時が終わった1914年に御子の求めに応じて御国を与えました。国々は御子の嗣業です。彼は鉄の杖で国々を打ち砕くでしょう。御子は地のあらゆる主にまさる主,あらゆる王にまさる王として,「主の主,王の王」という新しい称号を授けられました。彼は天においても地においても,必要なすべての権威を御父から授けられています。―マタイ 28:18。使行 2:32-36。
15 (イ)「ユダ族のしし」とともにだれが戦いますか。(ロ)戦いのとき,キリストの霊的な兄弟の,油そそがれた残れる者にはどんな特権がありますか。
15 ゆえに「心をひとつにしている」「十人の王」が,ユダ族の強力なししに敵対して勝つ見込みは全くありません。彼らは完全な敗北をこうむるでしょう。「召された,選ばれた,忠実な者たち」も勝利にあずかります。それは遂には天のシオンの山に彼とともに立つ14万4000人です。(黙示 14:1-3)この戦いの前に死んだ忠実な人々は天の生命への復活という報いを得て彼とともにあり,彼ととも戦います。この人々のすべてはいま彼のもとに集められ,戦闘開始の合図を待っているのです。(黙示 14:13; 2:26-28)しかし地上にも,戦闘の開始を待つ,しかし武器をとって実際に戦うことはしない忠実な人々が残されています。彼らはマゴグのゴグすなわちサタン悪魔と,獣のようなその組織をあげての猛攻撃に耐えるでしょう。(エゼキル 38:39)彼らはキリストの霊的な兄弟の残れる者です。彼らは戦いのあいだずっと忠実なので,勝利にあずかる者とされます。キリストの霊的な兄弟の残れる者が人間としてハルマゲドンを生き残り,戦いのあとしばらく地上にいることは,このように保証されています。そのかたわらには,彼らとともに奉仕する「大ぜいの群衆」がいることでしょう。
「賢くあれ」
16 政治的な連合が失敗する理由およびだれのためにそれが失敗するかを説明しなさい。
16 それで諸国家の指導者が「心をひとつに」して作り出した政治上の連合が失敗することは,運営の不手ぎわによるのではなく,またそれがまちがった方向に進んだからでもなく,初めから滅びに定められているからです。それは宇宙の主権者である全能の神と,神が位につけた王に対する反逆です。それは,神の国の代わりに建てられたものに人々の希望と崇拝を向け,神と戦う「十人の王」の道に人々を導くゆえに,人々の益に反するものです。無限の宇宙の創造者に敵対するのは,なんとむなしいことではありませんか。エホバご自身が次のように警告していられます。「〔エホバ〕はおのがあだに報復し,おのが敵に対して憤りをいだく。だれが彼の憤りの前に立つことができよう。だれが彼の燃える怒りに耐えることができよう」― ナホム 1:2,6,〔文語〕。
17 政治的な反逆を滅ぼす前に,エホバはいまどんな警告と機会を与えていますか。
17 しかし預言者は次のようにことばを続けています。「〔エホバ〕は恵み深く,なやみの日の要害である。彼はご自分を避け所とする者を知っておられる」。国家の指導者に対してさえ,エホバは警告されます。「それゆえ,もろもろの王よ,賢くあれ,地のつかさらよ,戒めをうけよ。恐れをもって〔エホバ〕に仕え,おののきをもってその足に口づけせよ。さもないと主は怒って,あなたがたを道で滅ぼされるであろう,その憤りがすみやかに燃えるからである。すべて主に寄り頼む者はさいわいである」。王たちに与えられた警告に耳を傾け,私たち自身,エホバの御名により頼むなら幸いです。エホバの御名はすべてエホバを愛する者にとって堅固なやぐらです。このようにしてのみ,私たちは,神に敵対する企てをする者の滅びを避けられます。このようにする時にのみ,神の栄光の御国の下で永遠の生命を享ける望みがあるのです。―ナホム 1:7。詩 2:10-12。箴言 18:10。
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年老いても奉仕するものみの塔 1967 | 6月15日
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年老いても奉仕する
● これは,オーストラリアの92才の兄弟の経験です。「私は1923年に奉仕を始め,1929年から開拓奉仕にたずさわり,エホバに奉仕する楽しい年月を送って来ました。今では年老いて思うように働くことができなくなりましたが,でもまだ毎週定期的に奉仕に出かけるだけの力がのこされていることを,大変感謝しています。私はいま,小冊子や招待ビラや雑誌を配布する奉仕に,時を費やしています。先月,私は538冊の雑誌を配布することができました。この雑誌のほとんどは,区域内のにぎやかな商店街で配布しました。エホバに奉仕してエホバから与えられた喜びと祝福を思うと,かつて詩篇記者がのべたと同じように感じます。「なんぢわが敵の前にわがために宴をまうけ,わがこうべに油をそゝぎたまふ,わが杯はあふるゝなり。わが世にあらん限りはかならず恵みといつくしみとがわれにそひきたらん,我はとこしへにエホバの宮にすまん」。(詩 23:5,6)この兄弟の熱心さに励まされた78才の一姉妹は休暇開拓奉仕を申しこみました。彼女はこの兄弟にくらべるなら自分はまだほんの娘のようだと考えたのです。彼女は次のような報告を寄せています。「献身した者として休暇開拓奉仕をしたこの月ほど楽しかったことはありまません。それは生涯の中で最も幸福な時であったと思います」。
これらの経験は,私たちがたとえ年老いてもエホバ神に奉仕して聖なる御名をほめたたえ,終わりまで忠実を保つことができることを示しています。これらのすぐれた手本に私たちも従いましょう。
― エホバの証人の1967年度年鑑から
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