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勇気を得よ ― 神の御国は近し!ものみの塔 1963 | 1月1日
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大地が人間の足許から取り去られたかのようになるでしょう。しかし神の御国は動かされることなく,無くなることはありません。それを第一に求め,それに望みをおく限り,私たちは詩篇 46篇1-7節に預言的に言い表わされた確信を持つことができます。
46 「神はわれらの避所また力なり,なやめるときの最ちかき助なりさればたとへ地はかはり山はうみの中央にうつるとも我らはおそれじ よしその水はなりとどろきてさわぐとも,その溢れきたるによりて山はゆるぐとも何かあらん,河あり,そのながれは神のみやこをよろこばしめ至上者のすみたまふ聖所をよろこばしむ神そのなかにいませば都はうごかじ,神は朝つとにこれを助けたまはんもろもろの民はさわぎたちもろもろの国はうごきたり,神その声をいだしたまへば地はやがてとけぬ万軍のエホバはわれらとともなり。ヤコブの神はわれらのたかき櫓なり」。
47 (イ)敬虔な勇気を持つ人々は,どなたと一致しますか。そして何を祈りますか。(ロ)この人々は,政治権力に関する使徒のどんな教えに従いますか。どのように?
47 今日,真に敬虔なこの勇気を持つ人々は,アブラハム,イサク,ヤコブの神すなわち万軍のエホバ,と一致しています。この人々は神の御国が来てこの世の組織制度を滅ぼすように祈ります。イエス・キリストは山上の垂訓の中でその祈りを教えました,「天にいますわれらの父よ,御名があがめられますように,御国がきますように。みこころが天に行われるとおり,地にも行われますように」。(マタイ 6:9,10,新口)それで神の御国の来るのを待たずに亡命政府を樹立して秘密裡に反政府活動をすすめ,暴力に訴えて人々を無理やりに神の御国の側につかせるような早まった事をしません。むしろロマ書 13章1,5節(新口)にある使徒の教えに平和に従います,「すべての人は,上に立つ権威に従うべきである。なぜなら,神によらない権威はなく,おおよそ存在している権威は,すべて神によって立てられたものだからである。だから,ただ〔上にある権威の表わす〕怒りをのがれるためだけではなく,良心のためにも従うべきである」。真のクリスチャンは,自分たちがこの世の組織制度をくつがえすことはできないことを知っています。しかもその事をする神の時が近いことを知っているのです。
48 どうすれば勇気を出すことができますか。キリスト教国においてさえ,勇気はなぜ必要ですか。
48 「勇気を出しなさい」と呼びかけるのは簡単なことです。しかし世界情勢がこのように緊迫している現在,どうすれば勇気を出すことができますか。唯一の方法は,神の言葉,聖書を学ぶことです。聖書は神がどなたであり,神の御国が私たちにとって何を意味するかを教え,確信を与えます。今日,聖書の神に対する不信仰は,キリスト教国においてさえも,一般的になっています。したがって嘲笑する世の中にあって,この神への信仰を言い表わすのにも勇気がいります。しかもキリスト教国の世界改宗によるのではなく,神御自身,世界を滅ぼすことによって御国が設立されることに信仰を持つには,なおのこと勇気が必要です。
49 聖書とその約束に関して,何をしなければなりませんか。
49 しかし神のことを学ばなければ,私たちの避け所であるこの神を求めることはできません。神の御国とその重要さを知らないでいるなら,神の御国をまず求めることはできません。ゆえに聖書を1冊求めて,心を喜ばすその約束を学び,それに信仰を持つことはどうしても必要です。これらすべての貴重な約束をして下さった神に祈ることも必要です。神は,この世のとり除かれること,神の御国の設立と正義の新しい世の到来,死人の復活と全地にわたる楽園の出現を保証しています。
50 聖書から何を学びますか。どのようにして,確信にみちた勇気を示さねばなりませんか。
50 ゆえに御国の本,聖書に親しんで下さい。聖書を学び,王であるエホバ神と,人類を愛して人々のために犠牲の死をとげたキリスト・イエスのことを知って下さい。御国と,この時代における御国の勝利がなぜ確実かを学んで下さい。御国が全地とすべての人にとって絶対の政府である理由を学んで下さい。そして生命を救うこの知識を他の人々に分かち,この組織制度の「終りの時」に成就される栄光ある預言の成就にあずかって確信に基づいた勇気を示して下さい。どの預言ですか。それはイエスが御国に来られ,この世が「終りの時」にはいったことを示す証拠のひとつとして成就すると,イエスの言われた預言です。すなわち「この御国の福音は,すべての民に対してあかしをするために,全世界に宣べ伝えられるであろう。そしてそれから最後が来るのである」― マタイ 24:14,新口。ダニエル 12:4。
51 (イ)なぜ伝道のわざを一人でする必要はありませんか。(ロ)その人々と交わることはなぜ必要ですか。それはヘブル書のどんなさとしに従うことですか。
51 御国の伝道をするのは,あなた一人ではありません。全世界187の国々で150以上の言語を用いて,大ぜいのエホバの証者が活発にこの伝道をしています。彼らは「万軍のエホバ」を避け所,力,助けとしました。いま勇気を得るには,一緒に神の言葉を学んで,その持つ勇気を吸収するため,エホバの御国証者と交わることが必要です。このことについて,聖書の時宜を得たさとしに従いなさい,「愛と善行とを励むように互に努め……集会をやめることはしないで互に励まし,かの日が近づいているのを見て,ますます,そうしようではないか」― ヘブル 10:24,25,新口。
52 (イ)前途にある新しい世のことを考えるとき,なぜ今クリスチャンの勇気をつちかうことが必要ですか。(ロ)勇気のある人々は,ハルマゲドンのあいだ,何を経験しますか。
52 すべての証拠に照らしてみるとき,「かの日」は近づいています! ですから勇気,クリスチャンの勇気をつちかうため,積極的にあらゆる手段を講じて下さい。キリストと同じ勇気を持つ人々だけが,間もなく世界を滅ぼすハルマゲドンを通り抜けることでしょう。世に従う臆病な人々はその宇宙的な戦争に生き残りません。そのような人々は今日,神の側におらず,神の御子,王イエス・キリストの側にもいないからです。正義の宿る神の新しい世は,臆病者のはいる世界ではありません。聖書はそのことを明白に述べています。(黙示 21:8)二つの世界を代表する勢力間の決定的な戦いハルマゲドンにおいても,勇気のある人々は神の御国に忠実を保ち,御国がサタンの古い世に対する大勝利を得て,正義の新しい世をもたらすまで御国の伝道を決してやめないでしょう。これらの勇気ある人々は神から保護され,戦いを通り抜けてキリストによる神の勝利の御国の下,約束された新しい世にはいるでしょう。聖書のすすめにいま従うのは全く当を得たことです。勇気を出しなさい! 神の国は近づいたからです!
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神の目的をさしとめる事はできないものみの塔 1963 | 1月1日
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神の目的をさしとめる事はできない
あらゆる被造物のうち,エホバの目的が遂行されるのを,拒む事が出来るものはありません。「かくわが口よりいづる言もむなしくは我にかへらず,わが喜ぶところを成し,わが命じおくりし事をはたさん」。―イザヤ 55:11。
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神の目的とエホバの証者(その53)ものみの塔 1963 | 1月1日
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神の目的とエホバの証者(その53)
「『あなたがたは私の証者です』とエホバは言われる。」― イザヤ 43:10,新世訳
その頃,神とクリスチャンに敵対するデュプレシス一味の決定的敗北を招く一因になった別の事件が起きました。
婦人の奉仕者ルイス・ラムは,1946年12月7日,ケベック州バーダンにおいて,州警察官パウロ・ベノアの手で逮捕されました。ベノアは,「ケベックの燃える憎しみ」と題する文書を配布しているエホバの証者を逮捕するように命ぜられていたのです。ラム姉妹はこのパンフレットを持っていませんでしたが,彼は横暴きわまる仕方でこの姉妹を逮捕しました。
逮捕されたのは土曜日でしたが,彼女は逮捕の理由も明らかにされないまま,友人や弁護士を呼ぶことも許されずに,月曜日まで拘置されました。写真や指紋をとられたうえ,犯罪者のように取り扱われました。警察署の留置場は不潔で,病気の売春婦と同じ独房に入れられ,便所も同じでした。
このひどい取扱を受けてのち,この貞淑な若い女性は,月曜日にベノアから「良い知らせ」があると言われ,釈放されると告げられました。しかし一つの用件があります。このようなひどい場所に3日間も不法監禁したことに対して彼を訴えないことを誓約する一文を入れるようにと,いうのです。そうしなければ刑事犯として告訴すると言われ
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