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政府による統制がもっと必要ですか目ざめよ! 1975 | 7月8日
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ようになります。その自由は,神がその子たちである人間に対してほとんど,あるいは全く権威を行使しないという意味ですか。
たいていの親は子供を監督するではありませんか。なぜですか。子供の理解できることには限度があるからです。子供は自分のする事に影響を及ぼす要素すべてを十分に理解しているわけではありません。子供を監督する親の動機は愛であって,国民を支配しようとして能率だけを考える独裁者の冷淡さではありません。それでも賢明な親は,子供自身や他の人に害とならない限り,その子供に応じてかなりの自由を与えることでしょう。
同様にエホバ神はイエス・キリストの治める王国により,人類の永遠の福祉を保証するのに必要なだけの統制を行なわれます。その王国は独裁支配ではありません。その忠節な国民すべては,その導きを受けることを喜びとするでしょう。これは食べたり飲んだり,呼吸をしたりするのと同じで,全く自然のことであり,なんら束縛を与えるものではありません。たとえ完全な独立が可能であっても,人々は愛の創造者エホバ神に常に服することを選ぶでしょう。―詩篇 97:10; 119:104,128,163。エレミヤ記 9:24と比べてください。
神の愛の支配の下で『神の自由な子たち』に及ぶ益を考えてごらんなさい。今日の人間はみずからも認めるとおり,その環境についてきわめて不満足な理解しか持ちあわせていません。それで汚染の問題が危機の段階に達しています。気象についても限られた知識しか持たない人間は,人類に十分な食糧を供給できないでいます。
しかし地球とその上の生物の造り主は,関連する物理的な法則をことごとく理解しています。神のみ子キリスト・イエスにしても同様です。み子は創造の業にあずかった「熟達した働き手」であり,いま神の王国の王として仕えています。神とみ子とに導かれて歩むとき,人類は汚染,食糧不足その他すべての問題の根底にある原因を取り除くことができるでしょう。地上にあった時でさえ,あらしを静めたイエスは,自然現象を理解し,制御する力を持つことを示しました。それを見た人々は,「風や海さえ従うとは」と言って驚きました。―箴 8:22-31。マルコ 4:37-41。イザヤ 9:6,7。
イエスについて,次のようにも記されています。「人についてだれかに証ししてもらう必要はなかったからである。人の内に何があるか,ご自身が知っておられたのである」。人の心を見ることのできるイエスは,その力を用いて人種と国家の偏見,利己心や貪欲の根本原因を除くことができます。そのことを考えてごらんなさい。かわってイエスは他の人に対する愛と純粋の関心を人々の心に満たすことでしょう。―ヨハネ 2:25; 13:35。
「終りの日」である今でさえ,200万人を超える「すべての国」の人々はそのとき行きわたる神の「道」と「律法」を学び,また実践しています。分裂した世界に住んではいても,エホバのクリスチャン証人はすばらしい一致を見いだしています。彼らは人種と国家の壁を越えることができました。そして「もはや戦いのことを学ばない」人々となっています。世界の国々の政府が失敗しているなかで彼らが成功していることは,人間の政府による統制の強化ではなく,人間の造り主,愛ある父の政府のみが,前途の挑戦に答え得ることを証明しています。―イザヤ 2:2-4; ミカ 4:1-3,口語訳。
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軍事浪費目ざめよ! 1975 | 7月8日
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軍事浪費
● 軍事費は国家経済を発展させるなどとよく言われるが,新刊書「アメリカ資本主義の没落」は正反対のことを主張している。同書の著者は,第二次世界大戦以来軍事費のために,産業界が機械類や工場などに投資してきたものよりさらに多額にのぼる非生産的資本金1兆5,000億ドル(約450兆円)が投じられてきたことを示している。第二に,著者は,平均的製造業者は100人の生産労働者につき35人の“予備”従業員を擁しているのに対して,軍需産業は平均してその2倍近く(69.7%)の非生産従業員をかかえている点に注目している。それゆえ,ニューヨーク・タイムズ書評はこう述べている。軍事費の浪費は,「非能率を国家的レベルにまで浸透させ……市場体制を骨抜きにしている,と言う[著者の]ことばを否定することは難しい」。
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