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  • なぜ「エホバの証者」の名?
    ものみの塔 1962 | 4月15日
    • に使う出版物のひとつに過ぎません。

      しばらくの間彼らは自分たちを「聖書研究生」と呼んでいました。その国際的団体のひとつが万国聖書研究生協会と呼ばれていたからです。しかしその名前は明確かつ適当なものでしたか。そうではありません。聖書研究生はその人々だけではないからです。キリスト教国の信条に縛られているあらゆる種類の聖書研究生,基本主義者,現代主義者,理神論者がいます。このすべての人々は聖書を研究します。そのうえロマ書 16章17節に述べられている人々,分離して後にも聖書研究生と自称する人々がいました。従って聖書研究生の名はきわめて広義に用いられていたのです。

      しかしもっと大切なことに,聖書研究生の名は正しいものではありませんでした。まず聖書にはその先例がありません。またこれらのクリスチャンは単なる聖書研究生ではなく,霊感された神の言葉として聖書を受け入れた聖書研究生,神の御心を行なうために献身し,イエス・キリストの足跡に従う聖書研究生,その全部が神の御名と御国を宣べ伝える聖書研究生でした。

      エホバの証者 ― なぜ?

      しかし聖書の中で神がご自分の僕を呼んで言われた名前,誰も用いず,また望まなかった名前がありました。それは彼らに全く適した名前でした。すなわちイザヤ書 43章10,12節に基づくエホバの証者という名です。「ヱホバ宣給はく,なんぢらはわが證人わがえらみし僕なり」「なんぢらはわが證人なり,われは神なり,これヱホバ宣へるなり」。

      キリストの追随者はおもにエホバ神の御名のための民です。聖書はそのことを間違いなく示しています。預言者アモスは,エホバ神が「我名をもて称へらるゝ一切の民」を復興させることを預言しました。使徒ペテロは「神が初めに異邦人たちを顧みて,その中から御名を負う民を選び出された次第」を説明しました。また黙示録の中に何回も示されているように,油そそがれたクリスチャンの額には,すべての人の見ることのできるように神の御名が書かれています。―アモス 9:11,12。使行 15:14,新口。黙示 3:12; 14:1; 22:4。

      キリスト教国の指導者の主張に従えば,真の神,創造主,聖書の神は,ご自分を区別するお名前を必要としません。しかしそれは大きな間違いです。彼らは次の事を無視しています。すなわち人間は真の神をさしおいて多くの偽りの神々を作りました。従って他のすべての神々からご自分を区別するために真の神は独特の御名前をお持ちになっているという事です。聖書もこの事をはっきりと示しています。「エジプトの諸諸の神に罰をかうむらせん我はヱホバなり」「もろもろの民のすべての神はことごとく虚し,されどヱホバはもろもろの天をつくり給へり」「われはヱホバなり是わが名なり,我はわが栄光をほかの者に与へず,わがほまれを偶像にあたへざるなり」「たとい神々といわれるものが,あるいは天に,あるいは地にあるとしても,そして,多くの神,多くの主があるようではあるが,わたしたちには,父なる唯一の神のみがいますのである。万物はこの神から出て,わたしたちもこの神に帰する」。―出エジプト 12:12。詩 96:5。イザヤ 42:8。コリント前 8:5,6,新口。

      しかし人が唯一の真の神についてあかしすることはなぜ必要ですかと,尋ねる人もあるでしょう。それには少なくとも四つの明白な理由があるのです。まず第一に,エホバ神は目に見えません。神を見て生きる人はないのです。(出エジプト 33:20)目に見ることのできる創造物は,エホバの存在と力と知恵を雄弁に物語っていますが,創造主の御名前と属性,御目的を全人類に告げ知らせることができません。これらの事を知らせるために,エホバは理知を持つ人間の証者を用いられます。

      第二にサタン悪魔は,エホバの至上権に挑戦し,またサタンが地上にもたらした状態はエホバに栄光を帰していません。このゆえにエホバ神はご自身に関する真理をすべての人に知らせる証者を持たれています。―創世 3:1-6。黙示 12:12。

      第三にサタンはすべての人をエホバ神に背かせると豪語しました。サタンの言葉が偽りであると証明するために,どうしても神は地上に忠実な証者を持つことが必要です。―ヨブ 1:6-12。箴言 27:11。

      第四に,エホバがすべての敵を滅ぼし,ご自分の民を救って,宇宙至上権を立証する時は急速に近づいています。それゆえ緊急な警告を伝えるために証者が必要です。それによって正義を愛する人々は逃れて安全を得,悪しき者はハルマゲドンのくる時に滅びを受ける理由を知ります。―黙示 16:14,16。

      現代のエホバの証者はその初めから,エホバの御名を証してきましたが,1931年になってイザヤ書 43章10,12節が自分たちに適用されることを確信し,その年の大会においてその名を以て呼ばれることを公に宣言しました。

      この名を自分たちの名前にしたエホバの証者は,僣越な行いをしたのではありません。彼らはその名を証言しませんでしたか。またその後も証言することを決意していませんでしたか。たしかにそうです。他の人々は,その名前が長つづきするかどうかを疑いました。それは今でもつづいています。30年後の現在,ウェブスター大辞典には次の項目がのせられています。「エホバの証者とは,文書配布および個人の伝道によって,神の支配に対する信仰と組織された宗教および政府の罪をあかしし,千年統治の近いことを証言する人々」。

      エホバの証者は,エホバの御名にふさわしく生きることを常に心がけています。

  • 神の目的とエホバの証者(その36)
    ものみの塔 1962 | 4月15日
    • 神の目的とエホバの証者(その36)

      「『あなたがたは私の証者です』とエホバは言われる。」― イザヤ 43:10,新世訳

      収容所は神をたたえる唇をつぐませることに失敗

      ジョン: 囚人がドイツのいずれかの刑務所についたとたんから,「手ほどき」が始まります。それは囚人をもう少し言いなりになるようにするためのものでした。特にエホバの証者は要注意人物と見なされたのです。証者たちが逮捕収容されている期間中,エホバへの信仰を捨てさせ,他のエホバの証者との接触を中止させるための努力が払われました。秘密警察の者と収容所の責任者たちは宣言書を用意していて,それを証者たちに示し,署名するなら自由を与えると告げました。その宣言書の文面は次のようです。

      私は聖書研究生の国際協会が,偽りの教理をひろめ,宗教活動の背後にかくれて国家に有害な目的を追求していることを認めました。

      私は,それでこの制度からまったく離れ,彼らの教理を捨てました。私は,このいつわりの教理を伝える者,あるいは聖書研究生らしい者をすぐ警察に引き渡すことを約束します。私は,聖書研究生から渡された全部の聖書をもよりの警察に提出します。

      将来,私は国家の法律全部を尊重し,国民社会の一メンバーになります。

      私はまた,今日署名したこの宣言書に違反したときは,再逮捕を覚悟しております。a

      言うまでもありませんが,エホバの神権制度との交わりを断念するこの宣言書に署名した証者はほとんどいませんでした。

      ひとりの兄弟は,刑務所で5年服役した後に,別のおそろしい収容所で次のような典型的な「歓迎」を受けたと述べています。

      毎日,毎日私はゲシュタポの尋問を受けました。私は信仰を否認する宣言書に署名しなかったため,ふみつけられ,つばをかけられ,たたかれました。それから私はオーストリア,マウトハウセンの死の収容所に移されました。銃剣を手に持ち,犬共をつれたSSが駅で私たちを待っていました。私たちは狭い道を行進して収容所にはいりました。犬は囚人のふくらはぎをかむよう訓練されていたので,囚人は悲鳴をあげました。収容所の前で私たちは整列しました。ある者は列の中から出るようにと呼ばれ,逮捕された理由を問われました。そして,耳のところを棍棒でつよくたたかれたので,地面に倒れてしまいました。b

      7人の兄弟たちは,ハンブルクに近いノイエンガム収容所に到着したとき,3度,鋼鞭で25回づつ打たれたのです。鋼鞭は,革の中に縫いこまれた鋼の杖で,牛皮鞭よりも強烈なもの,恐ろしいものでした。次のように報告されています。

      彼らが到着すると,SSのひとりは,「大間抜けはどこにいるか」と大声で叫びました。だれも答えませんでした。「聖書の虫共はどこにいる?」また

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