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野と森にすむこうかつなハンター目ざめよ! 1977 | 1月8日
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うか。キツネはまさにそのように行動することで知られています。
もちろん,安全な所に逃れるための方法はほかにもあります。地面から古いさくの上に跳び乗ってその上をしばらく歩けば,キツネのにおいが消えているのを知って猟犬はあきらめることでしょう。では,小川の中を走るのはどうですか。それとも,肥料を施したばかりの畑を走り抜けるのはいかがですか。そうすれば自分のにおいは消えてしまうでしょう。また,冬の間はどうですか。キツネを支えるには十分でも,何頭もの猟犬が乗れば割れてしまうほどの薄い氷の上を走るのは,敵を出し抜くには実にうまい方法です。なんと,キツネ君は向こう岸に座って,氷水の“行水”をしている不運な猟犬を眺めているではありませんか!
しかしキツネは,そのこうかつな手段すべてをもってしても,ノミから逃れることはできないでしょう。ところが,いつでも確実にノミを追い払える方法があるのです。英国でのことですが,キツネはある時,サンザシの生け垣から羊毛を集めていました。数年前に英国ケンダル市のR・アトキンソンは,キツネは「口の両端から2,3インチ(約5,6㌢)突き出るようにして羊毛を口にくわえた」と書き,さらにこう続けています。「それから野原に流れている小川へ行くと,後ろ向きになって小川の中へ入り,犬のようにしりをついて座った。そして最後に,前足を出して,鼻孔,および口にくわえた羊毛を除いて体全体が水中に没するまで,体を低くした。キツネはそのままの状態で2,3分静止していた。それから,羊毛をそっと口から離し,水から出てくると,体を勢いよく震わせ,姿を消した。キツネの放した羊毛は川下にまで流されていったので,我々は捜しに行き,ようやくその羊毛が小川の岸近くにあるのを見付けた。驚いたことに,その羊毛には,雌のノミ,それも幾百匹ものノミがついていた。明らかに,ノミは水を嫌い,最も高い乾燥した場所,つまり羊毛の方向へと進んだのであった」。
そうです,確かに,キツネは池や川に後ろ向きに入ることにより,ノミを巧みに追い払うことができます。こうかつな手段を用いて,この動物はノミや猟犬を惑わすのです。では,キツネが非常に賢いとは思わない人でも,恐らく,キツネが野と森にすむこうかつなハンターであることは認めるでしょう。
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“最も勇敢な人々”目ざめよ! 1977 | 1月8日
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“最も勇敢な人々”
● 最近,カナダの連合教会オブザーバー誌の編集主幹は,「宗教組織の代表者がエホバの証人を擁護することはめったにない」と同誌に書いた。「しかしながら,エホバの証人は勇敢な人々である。わずかな罪のゆえにこれほどの迫害を受けている宗教グループは世界にも例を見ないであろう」とも語っている。同氏はさらに,マラウィでの最近の迫害に言及して次のように語った。「ナチ政権下のドイツにおけるエホバの証人の記録は,世界で最も勇敢な人々の記録であった。ヒトラーに敢然と立ち向かった証人たちの態度について,我々は余り多くを耳にしていない。……その組織の大きさで彼らほど毅然とした態度を取り,多くの苦しみを受けた宗派は他にない。
「彼らは全体主義政体や軍事独裁政権に抵抗し,決して妥協することはない。(キューバのフィデル・カストロは宗教組織の統制に成功したが,エホバの証人については今だになすすべを知らない。)エホバの証人が信念を持って拒否する行為,すなわち政党への加入や投票を,愚かな政府が強要したりしなければ,マラウィのエホバの証人はアフリカの他の国々におけると同様,生産に励む善良で道徳的な市民となり得るし,そうなるはずである」。
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