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  • 肝炎 ― どうすれば避けられるか
    目ざめよ! 1972 | 7月22日
    • 肝炎 ― どうすれば避けられるか

      肝臓は人体内部の最大の器官であると同時に,最も多くの,つまり500余の異なった働きをする。したがって,毒物やバクテリヤ,あるいはウイルスの攻撃をうけて時どき炎症を起こしても驚くには及ばない。肝臓の炎症は肝炎として知られている。アメリカでは毎年3万人ないし7万人の肝炎患者が報告されている。実際の総数はこれよりもずっと多いものと考えられる。

      肝炎にはいくつかの種類がある。伝染性肝炎は,保菌者の排せつ物による水や食物の汚染が原因で発生する。保菌者自身は肝炎の症状を示したり,ぐあいが悪くなったりしないことがある。この種の肝炎には,15日から40日の「潜伏期」がある。つまり,ウイルスが体内にはいってから症状が現われるまでに,15日から40日ほどあり,症状はどちらかというと突然に現われる。伝染性肝炎は患者がそれを自覚しない場合がある。これは報告された数の数倍もの患者がいると考えられる一つの理由である。伝染性肝炎で死亡する人は,報告された患者数の,1%の10分の2つまり500人に一人の割り合いにすぎない。

      伝染性肝炎と非常に似ているのは中毒性肝炎である。この病気は一般に,口から取り入れたり,吸入したり,皮膚から侵透したり,あるいは注射された麻薬や化学物質が原因で起こる。肝臓のたいせつな働きは,体内にはいった毒物を解毒することである。しかし,ある種の毒物は肝臓が処理できないほど強くて,肝臓を冒したり,肝臓が循環血液から他の毒物を除去するのを妨害する。

      肝臓の炎症の中で最も重いのは血清肝炎と呼ばれるものである。これは,麻薬の常用者も皮下注射針を通して他人に移すが,一般には,血清肝炎に冒された血液を輸血することから起こる。この肝炎の潜伏期は,伝染性肝炎の潜伏期のおよそ4倍に当る60日から160日である。現に報告されている数が実数よりもはるかに低い一つの明白な理由は,症状が現われるまでにそれだけの長い期間がかかるということにある。

      だが,血清肝炎に関する最も重大な事実は,伝染性肝炎の患者が500人に一人の割り合いで死亡するにすぎないのに対し,血清肝炎の患者は10人に一人の割り合いで死亡することである。したがって,アメリカでは毎年3万人の患者のうち3,000人が死亡していることになる。最近まで,この病気の感染経路は輸血と皮下注射針だけであると考えられていたが,今では,他の方法によっても広まりうるという証拠があるようである。

      不可解な病気

      肝炎のことについて書く人たちは,くりかえし肝炎は不可解な病気であると言う。どうしてだろうか。ひとつには,今日にいたるまで人間は肝炎ウイルスの純粋培養に成功していないからである。それで,科学記者ローレンス・ガルトンはこう述べている。「人間を冒すあらゆる病気の中で,肝炎ほど,患者を弱らせ,科学者の努力をむだにし,結局不可思議でつかみどころのない病気はない」。

      肝炎が不可解な病気であると言われてもしかたのないもう一つの理由は,症状が決して明確ではないことである。ついでながらこのことは,肝炎患者が報告されている数よりも明らかにずっと多いもう一つの理由と言えるかもしれない。ある人は肝炎になっていたのに,病気の性質に気づかず,ひどいカゼを引いたとか,ちょっとした流感にかかった,ひどい消化不良や下痢を起こしたぐらいにしか考えなかったかもしれない。そのため,医師は患者に胆石の手術をしたり,ガンの恐れがあるとしてそれを調べる手術を施し,その後,患者がずっと肝炎にかかっていたことを発見するということが起きている。

      どんな症状があるか

      伝染性肝炎でも,血清肝炎でも,症状はたいへんよく以ている。ただし,血清肝炎の場合は,症状がかなり遅く現われ,ずっと重く6か月かそれ以上の長期に及ぶことが多い。肝炎にふつう伴う症状には,腹部の右上が痛むこと,食欲の減退,頭痛,はき気,熱,胃の不調,下痢,不快,つまり気分がすぐれないことなどがある。通例,そうした症状が始まって4日後,黄胆が現われる。小水からは胆汁が検出され,便は土色になることがある。肝炎がウイルス性の病原体によることは明らかである。1969年の秋のこと,アメリカの一フットボール・チームの,強健な選手全員が肝炎で倒れてしまった。報道によれば,アメリカ東部にあるさる大学のフットボール・チームのメンバーは,その二,三週間前に汚れた水を飲んで,“ハエのように倒れ”ていった。同大学のフットボール・チームの関係者すべてのうち98%以上の人々がそれに巻き込まれた。

      しかし,重いために肝炎であると認められた患者と,それと気づかずにすんだ軽い患者とがあるのは,栄養状態および個人の体力によるところが大きい。このことは,栄養不良のはなはだしいアジアのある国々の肝炎による死者数が,良い食物を十分に取っている西欧諸国のそれの15倍であるという事実によって裏付けられるであろう。

      肝炎を予防する

      伝染性肝炎を予防することは,主として,飲料水が汚れていないのを確かめる問題である。このことは,飲料水が下水汚物で汚染されやすい小さな町や村落にくらべて,大都市ではあまり問題にならない。この面での注意としては,便所を使ったあとや,料理の前に手を十分洗うことと,飲料水に気をつけるということになるだろう。

      また,貝,とくにハマグリは,海水中の汚物で汚れて,危険をもたらすことがある。古代のイスラエル人があらゆる種類の貝の食用を禁じられていたのは,衛生上の理由がないでもなかったと思われる。

      血清肝炎を予防する唯一の確実な方法は,輸血を絶対にしないことと,処分できる皮下注射針だけを用いることであると言われてきた。

      血清肝炎を減らすための努力はいろいろ行なわれてきたが,その中でいく分成功したのは,血液の冷凍(学者たちはいまだにその理想的な方法を考え出すことに努力している),赤血球を分離して必要になるまで保存し,血液の全体を使わずに赤血球だけを用いることなどがある。しかし,これらの方法は問題を完全に解決してはいない。

      近年,ある医学者たちは“オーストラリア因子”を開発した。これはキヌザルとして知られる小さなサルを実験台にしてつくられた。現在この因子は,血液中の肝炎ウイルス検出用として,病院に提供されている。しかし,すべての医業関係者にもてはやされているわけではない。たとえば,この方面を深く研究した,アメリカ,イリノイ州のマソニック病院の病理学者R・ケルセイ博士は,「我々に関する限り,AU抗原は,標準的なウイルス性肝炎患者のわずか20%ないし25%を発見するにすぎない,きわめて貧弱な鑑別物質だ」と語った。そのうえ,AU抗原試験は,「偽りの安心感を与える。輸血された血液すべてにAU抗原試験をせよという考えは現時点ではばかげている」。a

      この分野の他の学者たちは,ヘパーゲント(HG)試験を提唱してきた。彼らはこの試験に大きな期待をかけ,また大いに推奨している。しかし,HGを相当使用した人の中には,それを承認したり,無条件に支持するのをやや警戒している人がいる。b

      血清肝炎予防の努力には,血液を集める際にいっそう注意することも含まれている。たとえば,アメリカのニュージャージー州保健局は,麻薬中毒者,あるいは麻薬中毒の疑いのある人から採られた血液の場合,血清肝炎の危険は平均の7倍にのぼることを発見した。しかし,いわゆる“悪い”献血銀行と“良い”献血銀行,および“悪い”営利目的の血液銀行と“良い”営利目的の血液銀行の比較相違については,ニュージャージー州保健局のM・J・ゴールドフィールド博士は次のように語った。「良い血液銀行と悪い血液銀行に関するあらゆる偏見や,経営の行きとどいた血液銀行の血液は肝炎を起こすことが比較的少ないといった盲目的な信仰に反して,…肝炎の危険は,営利目的の血液銀行ならどの銀行でも,また献血銀行ならどの銀行でも大差がなかった」。換言すれば,正しく経営されている営利目的の血液銀行でも,運営のまずい献血銀行の3倍の危険を持つ。

      肝炎に対処する

      医師の中には,無茶をしなければ患者が望むままに食べたり運動したりすることを許す人もいれば,絶対安静と栄養豊富な食物をとるよう命じる人もいる。

      また肝炎患者には普通以上の量のビタミン類を強く勧める医師がある。たとえば,フッシベイン博士によれば,英国の学者たちは,ビタミンCのような水溶性のビタミンは効果があることを発見したという。非常に大量のビタミンCを,比較的大量のビタミンB12といっしょに投与するとよいという医師たちもいる。ビタミンの使用,および,脂肪分の摂取を患者にどの程度許すかということは,論議を呼ぶ問題である。しかし,肝炎患者にアルコール飲料は絶対禁物ということは,どの医師も同意している。

      要するに,わたしたちがこのことから学ぶ教訓は,健康を保つことに努め,食物や飲み水を汚染から守り,輸血を避けよということであろう。

      [脚注]

      a 「アメリカ医学協会誌」,1970年11月23日号,1,401頁-1,409頁。

      b 「アメリカ医学協会誌」,1970年11月23日号,1,401頁-1,409頁。

  • 食べすぎは問題を引き起こしうる
    目ざめよ! 1972 | 7月22日
    • 食べすぎは問題を引き起こしうる

      ◆ 料理法百科事典というのは料理の本で,食べすぎの影響について次のように述べている。「一,二回の一時的な食べすぎは,重大な影響をおよぼすことはないかもしれないが,食べすぎが長く続くなら,消化器官にかかる重圧が直接の原因のさまざまな病気が生じてくる。定まった時間に消化されるそれぞれの食物の量には限界がある。この量を越えると,食物は,澱粉,脂肪,砂糖,蛋白質のいずれを問わず,腐敗するか,または消化せずにそのまま排せつされてしまう。あるいは,もし食べすぎたものが吸収されるなら,血液には負担がかかり,排せつ器官は過労になる」。

      「ごちそうをたくさん食べたあと歌が正確に歌えないのは,声帯の一時的な充血が原因とされることが多い。このことはアルコール中毒者の太い声の原因とも見られているが,食べすぎによる唱歌の困難はおもに,胃が大きく拡張すると横隔膜や他の呼吸筋の活動を制御することができなくなることから生ずる。食べすぎは飲食物に関するごく一般的なあやまちであり,食べすぎが原因しているのではないかと思われる多方面からこの問題を考えてみると,この習慣が飲みすぎよりも多くの病気の原因となっていることは明らかである」。

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