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薬品としてのホルモン目ざめよ! 1974 | 4月8日
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博士のように,ただ便宜のためだけに人工的に陣痛を起こさせることに反対の人もいます。母親か子供の命が関係している時だけ用いるべきだと彼らは主張します。
ホルモンは他の病気や障害の医療にも利用されます。たとえば尿崩症にかかると,腎臓は多量の水分を排出します。そのために患者は激しい渇きをおぼえますが,この状態の治療にはしばしばホルモンが使われます,粒液浮腫と軽い甲状腺腫は甲状腺ホルモンの欠乏が原因で生じます。それでこれには,豚の甲状腺から採ったホルモンが使われるかもしれません。もちろん,これらや他のホルモンの効力を考慮して,その使用の際に,有能な医師の綿密な監督の必要が認められています。
以上のことから,患者の体内の自然のホルモンの欠乏を補うためのホルモンの投与がしだいにふえていることがわかります。また,特殊の病気に対抗する手段として,あるいはからだに特定の効果を生み出すために,医師たちがホルモン療法を利用することもしだいに多くなっています。しかしホルモンは非常に強力であり,その強力な影響はまた多方面に及ぶので,それに代わる治療が可能かどうかもよく考えずに,安易な気持ちで用いるべきではありません。とくにクリスチャンは,場合によっては関係してくる道徳的な面に注意を払わねばなりません。薬剤としてのホルモンにそのように用心するなら,その使用に対してもバランスの取れた見方をすることができるでしょう。
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許しを請い求める目ざめよ! 1974 | 4月8日
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許しを請い求める
アメリカ,ミシガン州のカラマスー市にあるエホバの証人の王国会館に来て講演をしていた一奉仕者は,講演中に行なわれたある注解に非常に驚かされました。その講演者はいつものように,聴衆からの答えを求める幾つかの質問をしました。
ひとりの男の人が手を上げました。講演者は,その人が王国会館の集会に初めて出席した人だということを知らずに,その人を指名しました。その男の人は提出された質問に直接答える代わりに,立ち上がって,長年エホバの証人に対してひどい態度を取ってきたことを謝りたい,と言いました。そして神が許してくださることを望んでいると言いました。なぜそのようなことを言ったのでしょうか。
注解をしたその男の人はドイツで生まれてそこで育ち,1920年代の終わりにはナチ党に入党しました。後に彼はカナダに移りましたが,ドイツ人は卓越した民族であるといった,政治や人種上の問題に関する自分の確信をあからさまに述べたため,第二次世界大戦中は投獄されていました。戦後,その人は釈放され,最後にアメリカに定住しました。彼は政治および人種問題に関するナチ的な国粋思想を捨ててはいませんでしたが,外面的には極端に愛国的なアメリカ人になりました。
時々エホバの証人が彼の家に立ち寄ると,彼は証人たちを口ぎたなくののしったり,家から追い出したりし,国旗に対して愛国的な行為を行なわない者にはだれでも侮べつ的な態度を示しました。そのような状態が約15年間も続きました。
1970年の春に,ふたりの年若い証人が彼の家を訪問しました。しかし,後に彼自身が述べたところによると,そのふたりの若い女性をきびしく扱う気持ちにはなりませんでした。会話は人間の魂の問題にふれました。バプテスト教会の影響を受けていた彼は,人間には不滅の魂があることを堅く信じていました。しかしそれらの証人たちは,聖書から人間が魂であることを示しました。
彼はその証人たちが置いて行った聖書研究の手引書を注意深く読み,ほどなくして,定期的に聖書を教えてほしいとエホバの証人に頼みました。そして翌月,王国会館に姿を現わしました。
講演をしていた奉仕者は,エホバは真の崇拝に反対していた人を許すことがおできになるし,事実許されるということを話し,その人を安心させました。今では,その男の人はエホバの証人の奉仕者になっており,惜しみなく許しを与える神エホバに関する真理を他の人びとに伝えています。
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