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自分のお金を賢明に使う目ざめよ! 1980 | 8月8日
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95㌣」は,もしそれが本当なら,正札は特売期間が終わったら99㌦95㌣に戻るはずです。「99㌦95㌣相当の品」となると,もっと意味合いが薄くなります。店側に言わせれば,その商品はもっと値段の高い商品に匹敵するというわけですが,この比較は店主が頭の中でそう思っているだけのことかもしれません。「カタログ記載価格99㌦95㌣」は,もっと当てになりません。これはメーカーの価格表か箱に印刷された値段です。それは現実とは縁遠いものである可能性があり,極端に高い値をつけておき,店がこれを書き直して,いかにも破格の値段で提供しているかに見せているのかもしれません。
「生産者価格を割る」となると,もっと疑わしい点が続出します。どうしてそんなことがあるのだろうか,売れ行きが悪かったせいだろうか,生産中止になったのだろうか,部品はもう入手できないのではないか,といった疑念がわいてきます。
「お買得」。覚えておきましょう。この人目をひくキャッチフレーズは,一つの目的しかないのが普通です。財布のひもをゆるめさせるというねらいです。「特別」,「値引き」,「残品見切り」といった文句は,店長が望むところ以上を意味していないことは明らかです。有名店においてさえ,「7㌦95㌣に正札をつけておきなさい。来週6㌦50㌣にこれを書き換えられるようにさ」と指示された従業員は一人だけではありません。
わたしたちがこうした策略のえじきになるのは,格安品を掘り出そうとする欲があるからです。価格と品質を知ることによって,自分を守ることができます。また本当に必要としているものでない限り,格安品などというものはないことを忘れないようにしましょう。たとえ本当に50%節約になる買得品があったとしても,それを買わなければ100%節約したことになるのです!
幾つもの店を見て回る
低収入の家庭の人たち(出費を減らす必要性が最も強いはずの人たち)は,収入のもっと良い家庭の人たちが買い物をする際に2軒以上の店を見て回るのに比べ,1軒で買物を済ます場合が多い,との報告があります。
何軒かの店で値段を比べてみて,支出を減らすことができますか。もちろんできますとも! 米国の消費者連盟が調べたところ,同じ家庭電気製品でも,その価格は店によって259㌦から370㌦までまちまちであることが分りました。
食費を減らす
賢い買い物をすれば,多くの主婦は食料品の支出を25%も切り詰められる,との推定がなされています。食費は家計の中で大きな部分を占めています。専門家はこれを切り詰めるのに,どんなことを勧めているのでしょうか。
まず第一に,計画を立てねばなりません。毎日買い物に出かけるのでなく,週に一回まとめて買えば,支出を抑えることができます。特売を見逃がさないよう注意し,同時に食料品は出盛りの時期,一年のうちどの時期よりも格段に安い時に買うようにします。
買い物メモは大きな助けになり得ます。値段を安くした目玉商品を広告に出してお客を引きつけようとする商店側は,安い商品の損を埋め合わせて余りあるほど他の品物を買わせようと待ち構えています。店内を見て歩く間に,利益の大きい品物を買わせようと,実に周到な神経が配られているのです。
高く積み上げられたり,通路の端に置いてあったり,通路の中ほどに特別の台に載せてあったり,勘定を払うレジのカウンター近くに積んで目立たせたりしてある商品は,メモに載ってない品物を買うよう誘うかもしれません。スーパーマーケット経営者たちは,店の利益率がこうした衝動買いをそそのかすのに成功するかどうかにかかっていることを知っています。レランド・J・ゴードン,スチュアート・M・リーの二人は「消費者のための経済学」という本の中で,「消費者が衝動買いする傾向は,売り手に都合よく利用されている。衝動買いは,男性が買い物をする時に増え,子供連れの時はね上がる。衝動買いのわなに気づいているので,慎重な買い物をする人は自分の買い物メモにつけてある品物だけ買い,それ以外一切買わない」と書いています。
節約する他の方法
食料品販売では,包装の仕方と,調理に便利なように手を加えた食料品が,さまざまな策略の舞台となっています。以前,砂糖や米をキロ単位で買う時,目の前ではかりにかけてもらって,家に持ち帰ったものでした。昨今では,これらは包装済みの形で並べられていますが,これがくせものです。箱は大きくても,中身はぎっしり詰まっているとはとても言えないものもあります。あるハンド・ローションのびんは,2倍の量の入った競合メーカーのびんより大きく見せる形に作られていました。容器は中身が余計入っているかに見えても,実際には損をすることがあります。
手っ取り早い対応策は,比べてみることです。パック詰めにしろ,びん詰めにしろ,買う前に重さを見ることです。
加工された野菜は便利なパック入りで売られており,チーズは一口大の大きさに包装されています。しかし,こうした便利さの代価は支払わねばならず,それが想像以上の額になることもしばしばです。調理済みの食料品は割高なばかりではありません。栄養価も期待するほどではないかもしれません。増量材などの混ぜ物や水分さえ,加工食品の栄養分の一部に取って代わっています。
原則は簡単です。買おうとする食品にかけた特別の手間が大きいほど,支払った金額に対して得られる物は,少なくなるでしょう。
どうやって自衛するか
慎重な買い物をする人は,買い物というこの仕事に真剣に取り組み,自分のお金で可能な限りの多くの物を得ようとします。前ページに,支出から無駄を減らすために覚えておきたい,基本的な点のチェック・リストを掲げました。
これらを実行しても,物価を下げることにはなりませんが,自分のお金の行くえに関心を払うなら,お金をより有効に使えるでしょう。そして,必要とした額より余計支払わないで済むようできる限りのことをしたという満足感を得られるでしょう。
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非喫煙者の見方が立証される目ざめよ! 1980 | 8月8日
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非喫煙者の見方が立証される
◆ ニューイングランド医学ジャーナルは,最近の研究によって,他人のたばこからやむなく煙を吸い込んでいる非喫煙者の抱いている恐れが立証されたと述べている。同誌は,非喫煙者は肺に重大な害を被る危険があると言明している。たばこの煙の立ちこめる場所で働く人々が,1日に吸うたばこが10本以内の喫煙者と同じ位肺活量の低下していることが判明した。同誌は,これにより,“受け身の喫煙者”の呼吸器系統が冒される危険のあることが確かな根拠に基づいて初めて証明されたと述べた。新しい研究結果はまた,両親が家でたばこを吸うと子供たちの肺活量が落ちるという以前の研究を確証している。
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