ものみの塔 オンライン・ライブラリー
ものみの塔
オンライン・ライブラリー
日本語
  • 聖書
  • 出版物
  • 集会
  • 現代の“信仰療法”― 神の方法?
    目ざめよ! 1975 | 9月22日
    • 神の真の目的からそらされることを許してはなりません。霊的にいやす神のことばの力によって人格を「新しくされ,真の知識に至る」ことによって,はるかに重要な人格のいやしをいま経験するほうが賢明ではないでしょうか。それによってわたしたちはあの偉大な王国のふさわしい民として自分の場所を確保できるのです。―コロサイ 3:9,10,口語訳。エフェソス 4:22,23。

  • 農民と世界の食糧不足
    目ざめよ! 1975 | 9月22日
    • 農民と世界の食糧不足

      世界の勤労者の大多数 ― 実際に四人のうち三人 ― は農業に従事しており,しかも多くの場合,貧困にあえいでいます。これら貧しい人々は,そのほとんど全部がアフリカ,アジア,ラテン・アメリカにいます。豊作の年には彼らは自分と家族そして他におそらくはわずかな人々が食べるだけの食糧をかろうじて生産し,凶作の年には多くの人が餓死します。

      世界の中でも工業化の進んだ国々においては,割合に少数の人々が国民大多数の食糧を生産しています。最も生産的な国のひとつは米国ですが,そこでは小さな農場もあるものの,大規模な農場が多数を占めています。

      豊富な農産物

      世界恐慌以後およそ40年間に米国におけるトウモロコシの1ヘクタールあたり収量は平均約8.8ブッシエルから34ブッシェルへとほとんど四倍になっています。小麦は5.2ブッシェルから12.5ブッシェルへと飛躍的に増加し,米も1ヘクタールあたり収量は平均して385キロから840キロになりました。

      1974年に耕地面積が史上最大となった米国では,ソ連に次いで世界第二位である18億ブッシェルの小麦が生産されました。1974年の米国のトウモロコシ生産高は世界最大の46億ブッシェルでした。また3,600万頭の家畜が食用にされました。これは1973年にくらべて7パーセントの増加にあたります。

      この驚くほど豊富な食糧は,2億800万の人口を持つ米国でわずか280万人の農業従事者によって生産されています。これは農夫ひとりで約74人のアメリカ人を養っていることになります。

      この食糧の生産価格は他の多くの国に比べればかなり安いと言えますが,それでも定額所得者や低所得者層に属する人々の場合,食費が支出に占める割合は増えつづけてきました。農家も他の人々の窮状に同情するかもしれませんが,彼らもまた経済的な問題をかかえています。

      農家がそうせざるを得ないと感ずる事柄

      米国の農夫は世界の貧しい人々を養うのに力をかしたいと願っており,他の国々の飢える何百万人のために相当量の食糧を供給してきました。1965年から1972年までの間に米国は世界のいわゆる“食糧援助”の84パーセントをまかなったということです。しかし米国によって“食糧援助”に回されるもののうち,飢える国々に送られる分は20パーセントだけで,残りは買うことのできる国々に売られています。

      肝要な事として考慮されるのは利潤です。というのは,米国の農業の仕組みでは農作物をつくってもうけるのでなければ農業をつづけて行くことができないからです。それで利潤を上げる必要を訴えるために,一部の農家は過激な手段をとりました。いくつかの州で人々は何百頭もの牛を殺してみぞに捨て,腐るにまかせました。

      もちろん,こんなふうに家畜を殺すことが食糧のひどい浪費であることは農夫も認めるでしょう。しかしミネソタ州モトレイの家畜飼育農家のひとりはこう語っています,「農夫が一年間働いたあげく,2万ドル(約600万円)あるいは3万ドル(約900万円)も損をするとはひどい話だ。……肉を穴に捨てるよりも,このほうがもっとひどいと思う」。

      事情はさまざま

      最近の経済事情は多くの農家に打撃を与えました。たとえば,肉牛を飼育して市場に出しても,その売値が飼料代にもならないことがありました。同様に牛乳45キロの生産に要する飼料が牛乳の代金よりも高くつく場合もあります。そのためウィスコンシン州では最近一日にほとんど十の割合で酪農場が閉鎖されていると伝えられています。

      他方,一部の農家は経済的にうるおっています。アイオワ州で約40ヘクタールの農場を経営する人はこう語りました,「今までこんなに良かったことはないという点で,私は農務長官と全く同じ意見です。それで結論を言えば,これは住んでいる場所によるのであって,ここは良いが,他ではとても悪いところがあるのです」。

      しかしたとえある年に非常によくても,事情はほとんど一夜のうちに一変し得ることが常識となっています。それで1974年は穀物が高く売れたため,穀物を栽培している農家は一般に高収益を上げましたが,飼料用の高い穀物を買わなければならなかった牧場主には,破産する人が多く出ました。

      このように不安定で均衡を欠いているのはなぜですか。

      農業の基本的な問題

      多くの農夫は天候が一番の問題であると考えており,気象の専門家も最近の異常な気象のパタンが農家に打撃を与えていることを一致して述べています。一例をあげれば,昨年,アイオワ州では多くの農地が破壊的な豪雨に洗われて植えつけがおくれ,ついで摂氏37度を超える7月の酷暑で広範囲にわたって作物が枯れ,9月2日には記録破りの早い初霜がおりるといった有様でした。

      新しく起きたおもな問題は,現代農業の依存している石油の価格の高騰です。1ヘクタールの土地にトウモロコシを栽培するだけで,ガソリンにして120リットルを要するという計算があります。金肥の製造にはむろんのこと,農機具を動かすのにも石油が必要です。石油を原料とする肥料は1972年にトンあたり65ドル50セント(約1万9,650円)であったものが,1974年には175ドル(約5万2,500円)出さなければ買えなくなっています。

      農業用機械の価格も高騰しました。約二年前に7,800ドル(約234万円)であったトラクターが今では倍以上になっているという例もあります。それにもかかわらず,生産が需要に追いつかず,農家は新しい機械を受け取るまで3か月から6か月も待たなければならない状態でした。取替え部品の入手が新しいトラクターを買うよりもおおごとであったこともありました。それで一台が肝心な時に故障した場合に備えて二台のトラクターやコンバインを,価格の値上がりにもかかわらず購入した人もいます。長い目で見れば,収穫で損失をこうむるよりも安くつくという計算からです。

      種子の価格も驚異的な値上がりを示しました。トウモロコシの種子の平均的な価格は1974年から1975年の間に30パーセント以上も高くなっています。乾草をたばねるのに使う針金も三年間に400パーセント以上も値上がりしました。

      またいくらか関連した問題として,農場労働者の問題があります。機械の操作に熟練していない人を使うことを余儀なくされると,多くの場合,修理が増えます。米国中西部のある農夫は農業をやめた理由をいくつもあげた中で,その第一として「正直で信頼できる労働者をやとうのが難しい」ことをあげました。

      農家にとってその時々に打撃となる“小さな事柄”はいくつも,おそらく何百とあり,その全部を合わせると,途方もない大打撃となります。しかも同時に食糧不足のために増産を迫られてきました。とは言っても費用の高騰のために拡大は難しい場合が多くなっています。

      たとえば農地の価格は着実に上昇の一途をたどってきました。ニュージャージー州では今1ヘクタールあたり平均24万2,400円します。デニソン(アイオワ州)のレビュー誌によれば,「州の全域にわたって今年[1974年]あらゆる等級の農地の地価は,1973年の32パーセント上昇に続いて,31パーセントの急上昇を見」ました。

      これらの,また他の理由によって,農産物の価格は引き上げられねばならないというのが農家の言い分です。

      農産物の価格を設定する

      しかし農家は自分自身の生産物の価格を決めることが不可能な経済の仕組みの中に閉じ込められていると,彼らは言います。農家は生産物につけられた価格を受け入れなければならず,それは生産費以下のこともあると不満をぶちまけます。しかし農家が自分自身の価格を決められるものと仮定してみましょう。世界の事情はいくらかでも改善されるでしょうか。

      率直に考えてみてください。昨年,高収益を上げた穀物栽培農家の何人が,それほど恵まれなかった家畜飼育農家に利益を分かったでしょうか。最近スポーカンで開かれたワシントン州の小麦栽培者協会の総会を報道したシアトルのタイムズ紙は,次のように述べています。「農家は……明らかに繁栄を享受している。……小麦栽培農家がようやく主導性を握ったようにみえるとすれば,彼らはそれを手離す気はない」。

      実際には農家も,結局のところ各人が自分の利益を追求することを余儀なくされる経済の仕組みの一部にすぎません。それはいわゆる利潤の追求に基づいています。世界がもっと多くの食糧を求めている時に,この利潤の追求が与えた影響を考慮してください。

  • 利潤の追求 ― 飢える世界の陰険な敵
    目ざめよ! 1975 | 9月22日
    • 利潤の追求 ― 飢える世界の陰険な敵

      米国では1973年に取り入れの行なわれた耕地についてみると,5ヘクタールのうち1ヘクタールまでが輸出農産物の栽培に使われた計算になります。この巨大な輸出市場が閉鎖されたり,著しくせばめられたりすれば,農産物は米国内に山積みとなり,価格の下落を招くことでしょう。するとどうなりますか。

      農夫は食糧の生産をわざと減らすかもしれません。農産物市場がどんどんあふれるようになれば,価格はますます下がるからです。

      ゆえに米国のアール・バーツ農務長官がファーム・ケミカルズ誌から出された質問すなわち農産物価格が下がればどうなるかに対して,次のように答えているのも不思議ではありません。「農産物の生産も減少するでしょう」。‘目ざす獲物は利潤である’というのが農夫たちの結論であったと,アイオワ州の一観察者は述べています。

      他方,この同じ利潤の追求は多くの農夫の間に幸福感を生み出してきました。過去二年間の出来事によって多くの農夫の平穏な生活が破られるまでは,彼らはいくらでも好きなだけ,もうけることができると信じていました。しかし大きな利潤を望んでどんどん投資した一部の人は,いま大きな負債に圧迫されています。

      また利潤の追求に動かされて多くの農夫は,世界の食糧の備蓄に反対してきました。農業をしていない人の目から見れば,豊作の時に穀物を多量に貯蔵して不作の年に備えるのは理にかなった事と思われるでしょう。聖書には古代エジプトにおいてヨセフの時代にこの事の行なわれた模様が記録されています。これは世界の食糧の備蓄を勧める人がだれでも注目している事実です。―創世記 41–47章をご覧ください。

      ところが米国の多くの農夫にとって,これは名案ではありません。なぜですか。米国の前農務次官は,ひとつの答えを与えています。世界の食糧の備蓄は米国の穀物と資金に依存するようになるという発言は,この次官によってなされました。その場合,輸出の必要は減少し,農民の収入の主要な基盤が失われることになります。ファーム・ジャーナル誌は,農民にとって不利な影響を価格に及ぼすことなしに備蓄をすることが可能かどうかを専門家に尋ねました。その答えは明白な「否」でした。

      ゆえに利潤の追求は,世界的災害ともいえる事態を引き起こすおそれがあるわけです。

      中間商人が利を得ているのだろうか

      値上がりが農民を潤していないとすれば,だれが利を得ていますか。農民や消費者の多くは“中間商人”を指摘します。それはどんな人ですか。

      この用語は,農民の手を離れた食糧が食料品店で消費者の手に渡るまでの流通過程に関与する人すべてを指して使われています。農民は食料品の価格が高いことを包装出荷業者,荷送り人,スーパーの経営者のせいにします。しかしこれらのグループのそれぞれは自分たちも農民と同じくインフレの犠牲者であり,経費の増大に伴って値上げせざるを得ないと主張します。自分たちが望んでいるのは,生計をたて,商売をしてゆくための正当なもうけだけであると彼らは言います。別のことばで言えば,彼らは体制の一部にすぎないのです。

      農民はまた高い価格を市場の投機家と食品関係の大企業のせいにします。このような非難はどれほどあたっていますか。

      農民が穀物のような主要農産物を売る場合,ふつうは製パン業者その他それを実際に使う人に直接に売るのではありません。それはその土地の穀物倉庫に運ばれてそこで売り渡され,少なくとも一時的に倉庫に入れられます。穀物倉庫において農民に支払われる価格は‘商品市場’によって決定されます。

      通商委員会は全国の穀物倉庫に集まる穀物(および他の商品)の量を常に把握しており,予想される買い手に対して何が売りに出されているかを知らせます。そして買い手からの注文を受けます。米国中の穀物倉庫から供給される量と,それに対する買い手からの需要のかねあいで,農民の受け取る穀物価格が決まるのです。

      投機家は人が株式市場で株を買うのと同じように商品を一定の価格で買います。投機家は実際に穀物を買うのではありません。彼は品物を配達してもらう意図は全くないのであって,市場で穀物の価格が上がるのを待つだけです。それから売って利ざやをもうけるのです。農民に言わせればこれらの人々は食糧の生産に直接関係しないのに,食糧の値上がりのおもな原因を作っています。

      しかし投機家に言わせれば,彼らも体制の一部にすぎないのであって,正当な利潤を得ることを望んでいるだけです。自分たちは投資するたびに大きな冒険をしているのであって,価格は上がるときまっているわけでなく,下がれば大損になることもあると,彼らは指摘します。

      いずれにしても,穀物が農民の手を離れて消費者の手に渡るまでの間,だれかが穀物を所有しなければならないと,投機家は言います。これは結局のところ穀物を“貯蔵”しているのと同じことであって,投機家がそのための危険な投資をしなければ,だれかがそれをしなければならず,そうなれば投機家の得ているものがだれかの手にはいるだけであると,彼らは論じています。

      また大きな穀物会社についてはどうですか。彼らは市場を操作し,つまり共謀して暴利を得ようとしていますか。もちろん,だれかが自分の利益のために何らかの面で市場を支配し得る可能性は常に存在しています。しかし可能性は決して証拠ではありません。農民や“中間商人”の全部と同じく,穀物会社もまた適正な利潤を望んでいるだけであると主張します。そして穀物会社が,米国から輸出される穀物の大部分を“貧しい”国にではなくて“富んだ”国に売っているのはこの理由なのです。貧しい国はそれを買う資力がありません。

      利潤に基づいた米国の巨大な農業の仕組みは,成功している面もありますが,いつまでも機能を保つことはできません。それは自分の尾を追いかける小犬のようなものです。関係しているすべての人が,現在の経済の仕組みに従ってもうけることを望み,またもうけることがどうしても必要なために,食糧はそれを買う資力のない人々の手にはいらず,まただれかが食糧を買ってその人々に与えることもできません。

      それでセントルイスのグローブ・デモクラット紙は次のように結論しています。「食糧問題は一方に農民,他方に消費者,そして間に中間商人として知られるこみ入った迷路が関係している。悪者がいるにしても,それをはっきりと指摘することは不可能に近い」。

      「このすべてを一緒にすると何が得られるか」と,ハーパーズ誌は問い,こう答えています,「崩壊にひんした体制の処方」。

      なんらかのまさった体制が必要なことは明らかです。それは何ですか。

      飢える人々のための希望

      無私の気持ち,他の人に対する真の愛と関心に基づいた体制は,利潤追求を動機とする現在の体制よりまさっていないでしょうか。しかしこのような新しい体制を建て,運営を始めさせることができるのはだれですか。

      地球と人類の創造者はそのことをできます。そして聖書はこれが創造者の目的であることを明らかにしています。イエス・キリストが追随者に祈り求めるように教えた王国政府は,正義の新しい体制がまもなく地上に建てられるように取り計らうでしょう。(マタイ 6:9,10。ペテロ第二 3:13)そのとき,「地はその産物を出し……神,われらの神はわれらを祝福され」ると,聖書は約束しています。(詩 67:6,口語訳)地は楽園となるでしょう。

      神の王国の支配が全地にとってついに何を意味するか,エホバの証人に聖書から説明してもらってはいかがですか。本誌の発行者にはがきをくだされば,エホバの証人の所在をお知らせします。

      しかし現在の体制の下における農業については何が言えますか。多くの農民は農業をやめたいとは思っていません。彼らは自分の選んだ職業に多くの利点があることを悟っています。ウィスコンシン州のある農夫はこう語りました。「自分の仕事を持つという満足があります。動物を相手に働き,動物たちがさまざまの楽しそうな生命の段階を経て成長するのを見守るのは喜びです。また穀類の作物や牧草の成長を見,年ごとにそれを収穫する楽しみがあります。農夫は自分の計画に従って働き,毎日多くの時間を家族と一緒にすごすことができます。それで農業にも楽しい面があるのです。多くの農夫はこの職業が自分たちを神に近づかせるものであると感じています」。

      彼らは農業を愛しています。しかし彼らは,正直な人々 ― 農民,包装業者,小売業者,出荷業者,卸し売り業者 ― を日夜働かせ,その労働に対して最小の報いしか与えず,食糧を真に必要としている人々に食糧を届けることができない,圧制的な世界体制を憎んでいます。このような人々は真の熱情をいだいて神の約束の実現を神に祈っています。「あなたの王国が来ますように。あなたのご意志が天におけると同じように,地上においてもなされますように」― マタイ 6:9,10。

日本語出版物(1954-2026)
ログアウト
ログイン
  • 日本語
  • シェアする
  • 設定
  • Copyright © 2025 Watch Tower Bible and Tract Society of Pennsylvania
  • 利用規約
  • プライバシーに関する方針
  • プライバシー設定
  • JW.ORG
  • ログイン
シェアする