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極東に平和が訪れるのはいつですか目ざめよ! 1970 | 3月22日
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にあてはまるということを強調している。……聖書の年代計算によれば,人間と人間,また人間と動物とのあいだにもたらされる平和の一千年[これは公開講演の主題]は,遠い将来のことではなく,わずか数年以内に始まるとされている。平和の訪れを望まない者がいるであろうか」。
タヒチの人々は,演壇で行なわれた聖書劇をことのほか喜びました。このことは,そのうちの一つである,「忠実を保つため自分を強くしなさい」という題の劇の時に,出席者数が最高数610人に達したことからもわかります。劇には美しい色彩の照明が用いられ,場面はいっそう真に迫るものとなりました。不法に傾く世の中にあって,神との平和を保つのに必要な霊的な強さを得るには,クリスチャンの交わりおよび聖書研究の備えすべてを活用することがどんなに大切かを,聴衆はよく学びました。
訪問者に対するはなやかな歓送迎を毎日見ている空港の一要員は,この大会に際して目撃した事柄から深い感銘を受け,次のように語りました。「お互いに未知の間柄であっても,信仰によってすばらしい一致を保っている人々を見て,わたしはほんとうに感心しました。わたしたちもみなエホバの証人になるべきだと思います。あなたがたは愛をもっておられるので,世の一般の人々とは異なっているからです」。
平和を告げる代表を歓迎するハワイ
「地に平和」大会の出席者を次に迎えたのは,美しい自然に恵まれたハワイの近代都市ホノルルです。大会初日の11月11日,ホノルルの国際センターは9,061名もの大群衆でうずまりました。隣接する別の会館に第2会場が設けられましたが,それもそのはず,公開講演には1万5,443人もの聴衆が出席したのです。
講演者は,全地を楽園に変えるという神の明確なお目的について述べました。しかしそれがすべてではありません。アダムとエバがかつて享受していた,神との平和な関係に戻る道を見いだすのはだれですか,という質問が出されました。それを見いだしたいと願う人はみな,神のみことば聖書に述べられている段階を経なければなりません。そして,そうすることをすでに決意した人々がこの大会にもいました。314人が神への献身のしるしとして,この大会でバプテスマを受けたからです。それらの人々が太平洋の青々とした海で,水の浸礼を受けた時の光景は忘れることができません。
土曜日の午前,特別の催しが行なわれ,話や経験,それに思い出話を含めて,ハワイにおける御国のわざの歴史が紹介されました。この時,80歳を越したエリス・W・フォックスは,1915年に初めてホノルルを訪れ,真理の最初の種子をまいた当時のことを話しました。9,671人の聴衆を前にして,経験を話したフォックスは,聖書の一記述者ヤコブのしるした,「義の実は,平和を造り出している者たちのために,平和な状態の下で,種をまかれるのである」ということばの成就をまのあたりにして,どんなに喜んだでしょう。―ヤコブ 3:18,新。
ハワイ独特の美しい夕暮れが迫り,穏やかな貿易風にヤシの葉がそよぐころ,大会は幕をおろしました。大会を終えて家路についた出席者の心には,待望久しい平和の時代が今や迫り,御旨にかなう人々に関するエホバの偉大なお目的がまもなく実現して,とわの喜びにあずかれるという確信が,いよいよ深く刻みつけられていました。その時,息をするすべての者は,本来,なすべく定められたことを行なうでしょう。つまり,平和を賜わる真の神を賛美するのです。
確かに到来する平和な時代
極東の国々また諸民族に平和と,また恐怖と不安からの解放が訪れるのはいつか,という多くの人々の疑問に対して,「地に平和」大会はたしかに答えを与えました。
人種,国家,民族の面でさまざまな背景を持つエホバの証人が,これら一連の大会の際に,生活と崇拝をともにして表わした一致と愛の協力のほどは,他の何物によってももたらし得ない人間のあいだの一致を,神の霊が現在すでに実現していることの証拠です。これらの大会に出席した一般の人々は,聖書の原則が実践可能なものであり,また,そのような生き方がこの不敬虔な世の中においてさえ,すぐれた結果をもたらし得ることを知りました。「なんぢの法をあいするものには大なる平安ありかれらにはつまづきをあたふるものなし」としるした詩篇作者のことばは,なんと真実でしょう。―詩 119:165。
しかしこの大会には,またプログラム全体を貫く音信がありました。つまり,神は平和の妨害者すべてを必ず一掃して,地に対する一千年の平和な統治を確立し,しかもそのことを間近な将来に成し遂げられるということです。(黙示 20:6)人間も諸国家もそれを妨げることはできません。(ダニエル 2:44)平和と正義を心から待ち望む人々は,その時豊かに祝福されるでしょう。そのような人はみな,神の御心を知り,御心にかなうことを最善をつくして実践し,神との平和な関係にとどまらねばなりません。今日,わたしたちは利己的な人間や悪い環境に依然として囲まれていますが,今は,わたしたち各自が,神への愛と,神が全地にもたらしてくださる永遠の平和に対する信仰とを実証すべきすばらしい時です。
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聖書を学んだ「女王」目ざめよ! 1970 | 3月22日
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聖書を学んだ「女王」
● 「女王」から聖書を教えて欲しいと言われたら,クリスチャン奉仕者はどう答えますか。喜んでそれに応ずるでしょう。カリブ海,セント・ビンセント島のキングスタウンに住む婦人の奉仕者のひとりもそうしました。しかし,その「女王」とは審査員によって選ばれる感謝祭の女王です。この島で感謝祭の女王に選ばれるというのは重大なことです。感謝祭はたいていの島民にとり一年中で最も楽しい時だからです。この女性は,ビンセント島の他の人々と同様,ものみの塔協会の出版物をいくらか読んだことがあり,また,親せきの中には真理にいる人も幾人かいました。この人が聖書を学ぶようになったいきさつについて,前述の奉仕者はつぎのように書いています。「この女性には,アメリカにいて真理にはいっている親せきさえありました。それまで彼女はいろいろな理由で聖書の研究をこばみました。血の問題について感情的な見方をしていたことも妨げとなっていました。たまたま彼女は,巡回のしもべによる日曜日の公開講演への招きに応じました,血について幾つかの点がわかりやすく説明され,神の持たれる見解が示されました。その後まもなく,この女性が聖書を勉強したいと申し出,わたしは驚きながらも喜んでそれに応じました。彼女との研究は模範的であり,大へん進歩的でした,彼女はエホバの証人のすべての集会に出席しはじめ,現在ではわたしたちとともに公の証言に加わり,さらに神権宣教学校にもはいっています。いっしょに生活している年若いいとこにも伝道していますから,彼女は真理を十分とらえていると思えます。そのいとこも同じように急速に進歩しクリスチャンとしての悟りを深めています。このふたりは,友人や親族,あるいは仕事の仲間などから反対や嘲笑を受けてきました。しかし,ふたりは,それをしのぐ多くの物を得たと考えています。かつての「女王」は昨年夏に開かれた「地に平和」ニューヨーク大会に出席し,数万人にのぼる神の御国の民を見ました。現在この女性は,自分が民を従えるのでなく,エホバとその王イエス・キリストに忠実に仕える100万人余の民のひとりであることに満足しています。
― エホバの証人の1970年度年鑑から
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