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  • カタツムリ熱 ― 多数の人びとを死に追いやる病気
    目ざめよ! 1973 | 3月22日
    • をしいられます。今や緩慢ながらも苦しい死の過程が始まりました。寄生虫の繁殖量と施される手当によっては寿命を数十年保てる場合もありますが,患者の抵抗力と体力は非常に弱められるため,たいてい早死は時間の問題となります。

      しかし,感染した人が用便をするさいに体外に排出される卵についてはどうですか。多くの場合,それらの卵は,宿主のカタツムリのいる水の中に排せつされます。ほどなくして卵はかえり,放たれた幼虫はすぐにカタツムリを捜し出し,生きてゆくためにその柔らかい肉の中に潜入します。こうして新たな循環が始まります。

      この病気を予防するための努力

      この問題に対する答えとなるのは,どうすればその病気からわが身を守れるか,また病気が広まるのを防げるかについて人びとに教育することではなかろうかと考えられています。しかし,この問題に取り組む医師や保健当局者は多くの場合,人びとの無関心という問題に直面しています。この風土病のある地域ではあまりにも多くの人が住血吸虫病に感染しているため,だれもがこの病気に伴う慢性的な障害をかかえているのはあたりまえのことと考えられています。世界保健機構の報告が,「住民の習慣を変えるのは困難である」と認めているとおりです。

      とはいえ,自分自身と仲間の人間のことをほんとうに気にかけている人は,良識にかなった予防処置を講ずることでしょう。同保健機構の報告は次のように指摘しました。「もし,人間の排せつ物を水に流さないようにすれば,その寄生虫はカタツムリに寄生できない。各自が便所(共同便所)を使用したなら,ビルハルチア病(この住血吸虫病の別名)はすぐになくなるであろう」。

      現在,カタツムリを殺す殺虫剤を開発して,この病気を抑制しようという努力が払われています。しかし,それは問題です。というのは,多くの場合,同じ化学薬品は他の同植物にも影響を及ぼすからです。小川にいるカタツムリを食いつくす捕食動物を放つことによって,ある程度成功していろところもあります。この病気の流行地を固定させる点で進歩を遂げている国も二,三あります。しかし,ある権威者たちは住血吸虫病がマラリヤをしのぐ世界最大の,寄生虫による保健問題になりかねないと考えています。近年,多くの新しい灌漑用水路や大きな人工湖の開設が保健当局者を憂慮させています。

      しかし,一般社会がカタツムリ熱の根絶を図る行動を迅速に起こさない以上,どうすれば人は自分の身の安全を図れますか。

      感染しないよう,自分の身を守る

      土地の保健当局者に問い合わせて,自分の住んでいる地方の河川の水に有害な寄生虫がいるかどうか尋ねてください。アフリカでは住血吸虫のいない川は比較的に少数です。家庭用には井戸水が最適です。もし,小川から水を汲む必要がある場合には,流れの早い水のほうがより安全です。というのは,弱い吸虫類は急流の中ではすぐ死んでしまうからです。飲料水は最低15分煮沸してください。水をおけの中に48時間たくわえておけば,住血吸虫はみな,死んでしまいます。しかし,水を汲みに行くさいには注意しなければなりません。もし寄生虫に身をさらした場合は,ぬれた箇所を直ちにタオルで勢いよくふき取ります。それは感染を防ぐ助けとなります。

      「吸虫」がいないことが確かでないかぎり,そのような川で水浴したり,洗濯したりしてはなりません。また,このことはバプテスマを施す場所の選定にさいしても考慮すべき要素です。寄生虫は塩水の中で生息できませんから,海洋ではこの有害な寄生虫の問題はありません。住民は各自の水田や用水路がこの寄生虫でおかされないようにする処置を講じるべきです。釣をしたり,知らない河川の水の中を歩く場合にはゴムの長ぐつをはきましょう。しかし,長ぐつを脱ぐさいに注意しなければなりません。

      「吸虫」におかされているのではなかろうかと思われる場合,医師に診断してもらうのが賢明です。早く手当てを受けるなら,治療はより容易であり,からだの受ける害も少なくてすみます。ここ何年かの間施されてきた標準的な治療法はアンチモンを含む薬を何日かにわたって注射することですがそれには苦痛や多少の危険が伴います。ですから,この病気にかからないように,なおさら注意しなければなりません。体内からこの寄生虫を駆除する方法を改善する点では,幾つかの重要な進歩が見られていますが,その慢性疾患のために人体の臓器がこうむる重大な損傷をいやすことはほとんどできません。そのうえ,患者の体内から住血吸虫を駆除したところで,患者がこの寄生虫のいる水にはいって,再び「吸虫」におかされるようなことになれば,元も子もありません。

      ですから,ご自分の福祉を守るため,死をもたらすこの敵 ― カタツムリ熱 ― におかされないように注意してください。そうすれば,たいへんな苦しみに会わずにすみますし,いっそうの長寿を享受できるでしょう。

  • 台湾省における,ものみの塔協会支部の開設
    目ざめよ! 1973 | 3月22日
    • 台湾省における,ものみの塔協会支部の開設

      台湾省における王国のわざは,多くの迫害に面しながらも,1928年から1956年にかけてすばらしく発展しました。1955年にはついに,エホバの証人に対する長年の禁令が解かれました。その結果,アメリカ人の宣教者であるハルブルック兄弟姉妹が台湾省にはいる道が開かれ,また1956年4月に台湾省で初めての神権的な大会が富源(フ・ユアン)で開かれました。その大会では公開講演に1,808人が出席し,123人がバプテスマを受けました。この大会の主要な講演者は,ものみの塔協会のノア会長でした。「エホバの証人の1972年年鑑」(英文)の記録は次のように続きます。

      その後,台湾省の兄弟たちがいっそう行き届いた監督と援助を受けられるよう,台湾省に支部を開設するごとをノア兄弟は決めました。ポール・ジョンストン兄弟が支部の監督に任命されました。ジョンストン夫妻はギレアデ学校でハルブルック夫妻と同窓でした。ものみの塔協会の副会長であるフランズ兄弟を主要な講演者として迎え,池上<ツーサン>郷 大埔<タピ>村で開かれた大会は,台湾省における王国のわざの歴史に新しい章が初まったことをしるしづけるものでした。日本から地域の監督として訪れたエドリアン・トムソン兄弟とハルブルック夫妻,それに染<リヤン>姉妹は大会の開かれる村に先に行き,一方ジョンストン兄弟姉妹はフランズ兄弟を出迎え,いっしょに飛行機で花蓮<フアリヤン>に飛び,そこから軽便鉄道で池上<ツーサン>に着きました。この時も訪問者たちは,大会がよく組織されていることに驚きました。というのは,90㍍離れた所にある井戸から水を運ぶための「水道部門」さえ設けられていたからです。姉妹たちがチームを作ってその仕事をしました。

      大会のあるプログラムでは,共産主義を非とする特別の決議が2,029人の出席者によって採択されました。兄弟たちが集まって来る間に,フランズ兄弟が演壇に登ってハモニカの即興演奏をしたのはその時のことした。それは多くの人の心を打ちました。「幸福な新しい世の社会」と題する映画を上映した時には出席者は3,029人で最高数に達しました。

      台湾において王国活動拡大のための備えは次々に設けられました。台北では,より大きな屋敷が借り入れられ,その中に宣教者のためのより良い宿舎や王国会館,協会の支部事務所などが置かれました。1957年の秋には台北市外での活動に対する禁令が解除されました。それはその前の年の初めから実施されていました。それにしても,どうして禁令が取り除かれるようになったのでしょうか。聖書を学んでいたある若者の父親は,闘志と決断力のあることで知られた,省議会議員でした。その人は王国のわざに好意的で,エホバの証人の実情をむす子から聞くと,友人

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