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「古代の」歴史家 ― どこまで信頼できますかものみの塔 1969 | 7月1日
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でいて,われわれのいちばん見たいところである」と述べています。リビイもその時代の習慣にもれず,当時存在した伝説を物語の中に取り入れています。
これら第1世紀の歴史家たちが,アッシリア,バビロニア,ペルシャなどの王朝時代にかんする知識を,古い史料から得なければならなかったことをわたしたちは忘れてはなりません。そしてそれらの史料の中の,わたしたちがすでに検討してきたあるものは,不注意と年代学上の不正確さとで汚されています。それに,古記録を写本する過程においても不明確な箇所が加わります。
そういうわけで,後代の「古代の」歴史家たちも,前5世紀の歴史家以上に,聖書の示す年代に対して非を鳴らすことはできません,古代後代を問わず,時の正確な記録に意を用いた「古代の」歴史家がきわめて少ないことはたしかです。彼らは現代の読者に,事件,風習,当時の思想など,貴重な背景的資料にかんする知識を豊かに供給しています。しかし,日付を正確にしるすことには,概して深い注意を払わなかったようです。
[参考資料]
1 「大英百科事典」第11版,第28巻,886ページ。
2 「大英百科事典」第9版,第24巻,721ページ。
3 「大英百科事典」第9版,第6巻,599ページ。
4 「大英百科事典」第11版,第26巻,894ページ。
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『こうべを上げ』て救いを知らせるものみの塔 1969 | 7月1日
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『こうべを上げ』て救いを知らせる
エホバの証人の1969年度年鑑より
エホバの証人が困難な状況の下に奉仕する国々(その2)
ポーランド
伝道者は個人の家において小人数でのみ定期的に交わることができます。しかしこの国の多くの伝道者は遠足に出かけ,そこで徳を高める話を聞いたり,逃れの町に関する感動的な劇を見ることができ,このプログラムによって,交わりと野外奉仕の大切さをますます認識するようになりました。この遠足に参加した聖書に関心ある人は深い感銘を受け,何百人もの人々がそれらの機会を捕えてバプテスマを受けました。参加者はみな,エホバがご自分のしもべに敵意を示す者の面前で,しもべたちのために食卓を備えられるということばが真実であることを強く感じました。
一姉妹は数週間診療所にはいらねばなりませんでした。同じ病室にいた患者に「良いたより」を伝道しはじめたこの姉妹は,彼らが真理に対して非常に偏見をいだいていることに気づきました。注意深い彼女はすぐに手をかえ,1週間のあいだ,真理について何も話さないことにしました。しかし他の患者に対して努めて親切にふるまい,思いやりを示しました。他人の悪口を言ったり,みだらな冗談に耳を傾けたりしませんでした。そのうえ,重病患者の世話をし,会話も親しみやすく相手の気持ちをくんで行ないました。数日後ある患者は,姉妹に向かって,「あなたはまったく他の人と違っています。きっとエホバの証人ですね?」と言いました。それから姉妹は数人の患者に真理を語りはじめ,御国の祝福について話しました。そして,最も関心を示した婦人に自分の持っていたカトリック訳聖者をあげました。貸してあげた雑誌は次から次へと回わされて読まれ,6人ほどの人が心から関心を示すようになりました。姉妹がそこを出ることになったときの情景は感動的なもので,多くの婦人が目に涙を浮かべ,無私の心でわたしたちを慰め,援助し,わたしたちの気持ちを察してくれた人に初めて会いましたと述べるのでした。帰宅後,姉妹はこれらの「羊たち」に霊的食物を送り,彼らの世話を続けました。
割り当てられた区域内のすべての人,とりわけるすにする人に会うよう努めることは大切です。それらの人たちは長い間見過ごされてきたかもしれません。ある姉妹は新しい区域をもらい,奉仕年度の初めから伝道をはじめました。その区域には,鍵がかかっていてだれも返事をしない家が1軒あったので,姉妹はそれをメモし,その家のそばを通るたびに戸をたたいてみましたが,いつも返事がありませんでした。彼女はこれを3か月も続けました。姉妹の努力はついに報われました。初老の婦人が戸を開け,しばらく前にどろぼうに入られたため,戸を開けるのを非常に用心するようになったと話し,音信を喜んで聞いたのです。再び訪問がなされ,やがて聖書研究が始まりました。4月にはその婦人は伝道者と一緒に記念式に出席し,よく進歩をしています。姉妹はこのすばらしい経験により,以前に増して目ざとくなり,人が住んでいる気配のある家は決して通り過ごすことをしません。
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