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論争の的となるアマゾン流域地方目ざめよ! 1980 | 2月22日
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埋もれているものと推定されています。パラ州のカラジャス山脈には世界でも最大級の鉄鉱石(固体の鉄を60%含む)の鉱床があります。アルミニウムの原料であるボーキサイトの埋蔵量は5億㌧に上るものと算定されています。陶磁器の原料になり,製紙および石油の精製にも用いられる磁土は,事実上無尽蔵にあります。ほかにも,採掘可能なスズ石(スズ鉱石)の鉱床や岩塩,石灰岩,金などがあります。
良識にかなった仕方でこれらの資源を開発するために,どんな努力が払われてきたでしょうか。
開発の現状
十年前,アマゾンは世界最大の未踏の原野,眠れる巨人でした。現在ではここに,長さ4,000㌔のアマゾン縦断道路を初め,全長ほぼ1万6,000㌔に上る道路が様々な方向に走っています。1977年の末までに,100万人を上回る入植者がこの地域に移り住みました。環境問題の専門家たちは,このような事態を憂慮し,同地域が荒廃の瀬戸際にあると警告しています。アマゾンの原野はアマゾン砂漠と化すかもしれないのです。
それはともかく,人々はこの地域に殺到しています。幾百もの牧場が開かれ,牛が飼われています。その中には,ヨーロッパのある国々と同じほどの面積を持つ牧場もあります。2万頭の牛の群れの放たれている牧場は少しも珍しくありません。トカティンス川に建設されている予定出力670万㌔ワットというような,大水力発電所が幾つも建設されています。個人投資の対象として購入された土地の広さも想像を絶するものです。例えば,米国の億万長者ダニエル・K・ルードウィヒはヤリ川流域の密林約100万ヘクタールを購入しました。ここで,繊維素<セルロース>を得るためにユーカリ樹を栽培し,稲を植え,カオリンを掘り出すつもりです。
将来の展望
同地域への進出を抑えることは不可能ですが,どのようにそれを管理し,節度のあるものにできるでしょうか。ブラジル森林開発協会の会長パウロ・アゼベド・ベルッティは,森林調査官の数を増やす必要性を強調しました。1977年に,アマゾン流域地方を領有する関係国は,開発の共同管理と利用を国境を超えて確認し合うアマゾン条約を締結しました。
1979年の初頭には,ブラジルのマリオ・アンドレアジザ内相が混乱状態の解決を図る政府の対策を発表しました。アマゾンの利用に関する提言や計画は保護を念頭に置いて国家的見地からなされるべきである,と同内相は言明しました。
議論の高まる中,アマゾンの緑の原野に住む900万の住民の間では,積極的な声も聞かれます。ブラジル側では,6,000人を上回る人々が,地球の創造者であるエホバ神は,人間が地球を完全に破壊してしまうようなことをお許しにならないという音信を隣人に伝えています。事実,マナウスとベレンで最近開かれた二つのクリスチャンの大会で,8,000人の人々が,全地を喜びの楽園に変えるというエホバの目的について話し合いました。
そしてそこには,世界最大の温室であるアマゾン流域地方も含まれています。
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こん虫のほうが先だった!目ざめよ! 1980 | 2月22日
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こん虫のほうが先だった!
● 織物その他に用いる上で非常に有用であることが実証されているよく知られたポリエステルは,一般に人間の造り出したものと考えられています。ところが,サイエンス誌によると,研究者たちが,「自然に造り出された線状ポリエステルに関する最初の報告書と思われる」ものを発見しました。ハチの中には(Colletes属のハチ),細胞が線状に並んだ物質を分泌し,卵をそれにくるんで地中に隠すものがいます。この物質はひとたび引き伸ばすと,未知のなんらかの過程(おそらく酵素の働き)によって重合させられ,ポリエステルになります。そしてこのポリエステルが,水や細菌や土壌中の微生物からハチの幼虫を保護します。自然のこの丈夫なポリエステルは一年以上も腐らないと言われています。
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