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  • わたしたちの時代は本当に昔と異なっていますか
    ものみの塔 1983 | 5月15日
    • わたしたちの時代は本当に昔と異なっていますか

      現在の世界情勢を評して,米国の経済学者ピーター・F・ドラッカーは次のように述べました。「我々の時代が無限の危険をはらんだ時代であることは,人に言われるまでもなく,だれもが知っている。人間の将来に関して我々が直面している主要な問題は,それがどんな将来になるかではなく,将来があるか否かという問題であることは,人に言われるまでもなく,だれもが知っている」。

      人類に果たして将来があるのだろうかという疑問を多くの人に抱かせる原因となっている問題の幾つかにはどんなものがありますか。わたしたちの時代をこれまでの世代とは異なるものにさせている危険にはどんなものがありますか。

      汚染

      多くの大都市の空気は健康に有害なものとなっています。海洋,湖沼,河川は工業廃棄物で汚れており,わたしたちの食べる魚は汚染されています。地球を保護するオゾン層は排気ガスによって危険にさらされています。汚染が世界的な関心事となっていることには十分の理由があります。OECD(経済協力開発機構)の会議の模様がフランスの日刊紙ル・モンドに次のように報告されました。「1965年から1975年にかけて,自然環境の受けた被害は深刻なものであった。経済不況が[工業の]成長を著しく遅らせるとしても,向こう数年間,自然保護が強化されない限り,自然環境は引き続き悪化してゆくことであろう」。

      汚染は何も新しい問題ではないと主張する人もいます。しかしその主張が真実だとすれば,何千年もの歳月に耐えてきた記念の遺物が突然危険にさらされ始めたのはどうしてでしょうか。「アテネ市の汚染された大気は,トルコの軍隊がギリシャを400年間占領していた時に破壊し得なかったものを日々破壊することに成功している。大理石は徐々に侵食されている」― パリ「ル・フィガロ」紙。

      人口過剰

      さらに,他の要素も世界的な規模で問題を複雑にしています。フランスの月刊科学雑誌「スィアンス・エ・ビ」(科学と生命)は人口増加と砂漠の拡大に関してこう述べています。「世界の人口は2000年までには40億から60億に増加するであろう。一方その同じ期間に,連作,……および都市化の弊害により,耕作可能な土地は30%減少するものと思われる。これら二つの傾向の持つ同時進行性は,一触即発の状況を作り出す危険がある」。

      西欧や第三世界のある国々において人口増加が鈍ってきたのは事実です。しかし,専門家たちによると,人口過剰の問題は少なくとも21世紀の中ごろまではなくなりません。多くの国々で,増加率は依然として上昇線をたどっており,増加は続くものと思われるからです。発展途上国の大半の国々は,世界でも特に人口密度の高い国に数えられています。人口過剰の問題は,わたしたちの時代が過去の時代とは本当に異なっていることを示すものです。

      兵器

      多くの人々が軍備競争に不安を抱いていることはご存じのことと思います。ヨーロッパの幾百万人もの人たちは,東側陣営の国々に配備されたミサイルの射程距離内に住んでいること,また,国内に米国のミサイルが配備されていることに不安を抱いています。しかし,地球のどこに住んでいても,レーザー光線兵器や粒子ビーム兵器,生物学兵器,あるいは人工衛星や軌道を周回する宇宙プラットホームから発射される危険物について心配する理由があります。その上,専門家の中には,これらの兵器のあるものによって核兵器保有の均衡が新しい局面を迎えることになると考える人もいます。それらの兵器のために自分の立場が弱くなったと感ずる国が,先制攻撃を掛けるのを有利と判断するかもしれないからです。

      これまでに,地球の住民の大半を数分のうちに殺してしまう程の力を手中にした世代があっただろうか,それとも,これはわたしたちの時代にだけ見られる状況だろうか,と自問してみてください。

      上に記したような様々な危険が存在するために,特に先進工業国において色々な反動が見られます。汚染と闘うために種々の委員会を結成する市民もいれば,武装したり,シェルターを作ったり,辺ぴな場所に疎開したりなどして,安全を得るためにあらゆる犠牲を払う人もいます。この後者の処置を講ずることに関して,インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は次のように述べています。「小規模であるとはいえ,増加し続けている米国の諸団体は,自分を武装し,人を殺す方法を学んでいる。彼らは社会秩序が崩壊しつつあり,生き残るためには自衛しなければならないと確信しているからである」。他の国々においても,男性ばかりか女性も,個人的に武器を使う訓練を受けています。

      しかし,避けるのにも対処するのにもさらに難しい別の危険があるかもしれません。それは経済の破綻です。西側世界では幾百万の人々が失業しており,東側陣営の国々は他の経済的な問題を抱えています。自分の住む土地でも経済的混乱の影響が見られるのではないでしょうか。1980年後半,フランスのレモン・バール前首相は世界経済について次のように述べました。「これは……世界的な危機である。この問題は短期的でも表面的でもなく,恒久的で根深いものである」。経済学者サミュエル・ピサールはこう述べました。「すべては,我々が新たな破綻の瀬戸際に立っていることを示しており,また証ししている。我々の抱えている問題は,40年前の問題とは全く異質のものである。そして,そのことは我々の不安を増すだけである」。それでは,非常に異なったこの時代に住むわたしたちは,どこに導きを求めたらよいのでしょうか。

      昔イエス・キリストは,他の特徴に加えて,「逃げ道を知らない諸国民の苦もん」を特徴とするある時代について語られました。(ルカ 21:25)こうした様々な出来事に直面しているわたしたちは,イエスの言葉が以前のどんな時代とも非常に異なっているこの時代に当てはまることを認めなければなりません。しかし,イエスがもしわたしたちの時代について実際に語っておられたのなら,それはわたしたちにとって何を意味するでしょうか。これらのすべての事柄は徹底的な変化の近いことを示しているのでしょうか。次の記事はこうした質問に答えるのに役立つでしょう。

  • 最悪の時,しかも最良の時
    ものみの塔 1983 | 5月15日
    • 最悪の時,しかも最良の時

      フランス革命を扱ったチャールズ・ディケンズの歴史小説「二都物語」は,「それは最良の時であり,しかも最悪の時であった」という書き出しで始まっています。ディケンズはこれによって,その時代の不穏な状態と,歴史における重大な変化が起こりつつあるという楽観的な見方とを表現しようとしていたのです。

      しかし,前の記事で調べた事柄に照らしてみると,わたしたちの時代こそ,多くの点で「最悪の時」と呼ぶのにはるかにふさわしい時と言えます。とはいえ,深刻な問題を抱えている時代が,同時に喜びのいわれともなり,本当に「最良の時」と言えるのでしょうか。もし良い時代が間近に控えているという保証があるなら,まさにその通りだと言えます。

      既に見てきた通り,世界は多くの点で苦難の時代を経ています。しかし,人類にとっての救出 ― 犯罪・戦争・飢きん・病気からの救出 ― が近いと信ずる十分の理由があります。聖書はそのような希望を差し伸べているのです。しかし,この希望を自分のものにするには,わたしたちが住んでいるこの時期を識別し,どんな道を取るべきかを聖書から学ぶ必要があります。

      わたしたちの時代 ― 特に指定されていた世代

      1世紀当時,イエスの使徒たちは最初,イエスが約束のメシアとしてイスラエルで権力を執ることを期待していました。イエスの去って行かれる時が間近に迫り,しかも自分たちの期待が実現しないのを見て,使徒たちはイエスが戻って来られる時のことについてこう質問しました。「あなたの臨在と事物の体制の終結のしるしには何がありますか」。(マタイ 24:3)イエスがその答えとしてお与えになった預言は,1世紀に完全には成就しませんでした。そして,霊感を受けて書き記されたその後の書物は後代により大規模な成就のあることを指し示していました。(啓示 6:2-8)それはわたしたちの時代なのでしょうか。

      予告された時期を見分けるには,かなりの識別力が必要であることをイエスは示されました。なぜなら,ほとんどの人たちはその時に起きている重大な出来事の意味を理解しないであろう,とイエスは弟子たちに警告されたからです。全地球を覆ったノアの日の洪水を対比となる例として取り上げながら,イエスはこう言われました。「人の子の臨在はちょうどノアの日のようだからです。……[彼らは]洪水が来て彼らすべてを流し去るまで注意しませんでした」― マタイ 24:37,39。

      人はどんな方法でイエスの「臨在」を認識し,ノアの日の大多数の人々のように滅びに押し流されないための手段を講ずるのでしょうか。イエスは数々の面を持つ預言的な「しるし」をお与えになりました。それらは福音書の中に記録されています。この「しるし」が今日見られるかどうか,そしてもし見られるなら,それが何を予告しているかを調べることにしましょう。

      国家間の戦争 ― 不法の増加: 「国民は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がるでしょう」。(ルカ 21:10)「不法が増す」― マタイ 24:12。

      1914年以来,世界的な規模の二つの戦争を含め,多くの戦争が起きました。ニュージーランド・ヘラルド紙によると,現在でさえ約100万人の兵士やゲリラ兵が活動しており,毎日100人以上の若者が殺されています。悲しいことですが,お気付きのように,犯罪もはびこっています。ジャーナリストのアンソニー・ルイスは最近次のように述べました。「本質的に異なっている英国……そしてソ連といった国々から,暴力犯罪の増加およびそれに対処する官憲の無能力さが報告されている」。

      地震: 『そこからここへと地震がある』― マタイ 24:7。

      過去何世紀もの間に,時々大きな地震がありましたが,わたしたちの時代はこの点で特に顕著な時代です。過去数十年の間,地震は非常にひん繁に起きています。1970年から1979年にかけて毎年平均8万人が地震で命を失いました。これには中国の遼寧省における1975年の災害の数字は含まれていません。ある推測によると,その時80万の人が命を失いました。

      飢きん ― 病気: 「そこからここへと疫病や食糧不足があります」― ルカ 21:11。

      ユニセフによると,1979年に全世界で1,200万人の子供たちが飢えのために死にました。アフリカでは3人に一人の児童が餓死します。病気も引き続き全世界で猛威を振るっています。毎年50万人の子供がはしかで死に,10億人が熱帯性疾病にかかります。先進工業国に住んでいる人たちも安心はできません。そこではガン,心臓病,また性病が幾百万人もの人々を襲っているからです。

      世界的な証言: 『王国のこの良いたよりは,人の住む全地で宣べ伝えられるでしょう』― マタイ 24:14。

      1981年9月から1982年8月に至る12か月の間に,良いたよりを広め,聖書の真理を人々に教えるためにエホバの証人が費やした時間は優に3億8,400万時間を超えました。205の国々や海洋の島々で,200万人を超える奉仕者たちが伝道の業に携わりました。

      このすべてが意味すること

      これらの異なった出来事を予告した後,キリストはそれらの意味する事柄を明らかにされました。

      「いちじくの木やほかのすべての木をよく見なさい。それらが既に芽ぐんでいれば,あなた方はそれを観察して,もう夏の近いことを自分で知ります。このように,あなた方はまた,これらの事が起きているのを見たなら,神の王国の近いことを知りなさい。あなた方に真実に言いますが,すべての事が起こるまで,この世代は決して過ぎ去りません」― ルカ 21:29-32。

      イエスの描写された事柄すべての成就は複合的な「しるし」を構成し,神の王国の近いことを間違いなく示すものとなります。それは,『既に芽ぐんでいる』木が間違いなく夏の到来の先触れとなるのと同じです。では,これらの事柄はいつ起こり始めましたか。

      世界の形勢を変えた出来事を評して,フランスの経済学者アルフレッド・ファーンブル-ルースはこう語りました。「1914年の戦争は,今日なお我々を揺るがしている震動の発端であった」。他の多くの歴史家や政治家たちも,第一次世界大戦が始まった1914年に,全く異なった時代が始まったことを認めています。1922年から1939年の間法王であったピウス11世は,1914年以来起きている出来事が「我々の主によって発表されたような終わりの日のしるし」であることを認めました。わたしたちが見てきたように,この預言で予告された様々な出来事は今日なお生じています。したがって,1914年にその最初の衝撃を目撃し,今なお生きている人々によって代表される世代こそ,この預言の最終的な成就を目撃する世代であると信ずる十分の理由があります。

      では,この「世代」の人々が年を取ってゆくのを見るわたしたちの態度はどのようなものであるべきですか。わたしたちは失意や無関心に負けてはなりません。むしろ,イエスが「しるし」の様々な要素を挙げた後にお与えになった助言に注意を払う必要があります。イエスはこう言われました。「これらの事が起こり始めたら,あなた方は身をまっすぐに起こし,頭を上げなさい。あなた方の救出が近づいているからです」。(ルカ 21:28)神の王国の支配のもとに展開する間近い将来がどんなものかを知る時,わたしたちはそのような態度を取ることができます。

      神の約束

      多くの人は,もっと気持ちの良い環境で安心感を抱いて働くことができるなら,今の色々な苦労は軽減されるだろうと感じます。聖書はそのような思いを無視していません。イザヤのような預言者たちは,人が生活を楽しむことができるようになる,より良い状況を予告しました。「彼らは必ず家を建てて住み,必ずぶどう園を設けてその実を食べる。彼らはいたずらに労することなく,騒乱のために産み出すこともない」― イザヤ 65:21,23。

      しかし,聖書は,エホバからの祝福には霊的性質の祝福が含まれる点に特別の注意を引いています。人間は単なる物質からもたらされる幸福感以上のものを必要としています。愛と公正の原則を尊重すること,そしてそれらの原則を尊重する他の人々と共に住むことを必要としているのです。神の王国はそのような望ましい環境を地上にもたらし,正直な心の人たちが自分の能力を十分に発揮することを可能にします。先に引用した預言者はこのようにも述べています。『地に対してあなたの裁きがあるとき,産出的な地に住む者たちは必ず義を学びます』― イザヤ 26:7-9。

      神の王国は他のどんな政府もなし得ないことを成し遂げます。すなわち,人間を罪とその結果である災い,病気,そして死から救出するのです。イエス・キリストを通して神がこのことを成し遂げられるとき,義を愛し,それを実践するすべての人たちはとこしえの命を得ます。―ヨハネ 3:16。

      今すでに益にあずかる

      神の目的に調和して生活することにより,今すでに多くの幸福にあずかれるという点を見過ごしてはなりません。地上に起きている悪い事柄はだれにも明らかに見られ,そのこと自体は何の喜びももたらしません。それでも,そうした出来事の意味を識別し,その「しるし」を認めるなら,わたしたちの時代がなぜある意味で,最良の時の前触れであるかを理解することができます。なぜなら,わたしたちは神が介入し,人間の諸問題に対する恒久的な解決をもたらしてくださるのを目撃することになるからです。

      問題の多いこの世のただ中に住んでいるとはいえ,エホバの証人たちの刈り取っている益をあなたも刈り取ることができます。神の律法に対する証人たちの知識は彼らに道徳的な保護を与え,平衡の取れた生活を営むことを可能にします。彼らは神の約束に基づく希望と,敬虔な行状からもたらされる思いの平安を味わっています。(詩編 119:165。テモテ第一 4:8)さらに,キリストが間近い将来に神の敵たちを滅ぼし,神の永遠の祝福を受ける機会を開いてくださる時,そこには救出があるからです。―ゼパニヤ 2:2,3。詩編 29:11。

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