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  • 要求される有効な経済体制
    目ざめよ! 1972 | 1月8日
    • したがって,それ自身の価格を見いださねばならなかった。ドルの勢いは振わなかったので,ドルの需要は他の通貨,とりわけドイツのマルクおよび日本の円と比べて小さかった。そのためにドルの価値は他の通貨との関係において低下した。これは要するにドルの切り下げである。

      ドルはもはや他の国々で以前ほどの価値をもたないということである。だからたとえば,あるドイツ製品に以前100㌦支払ったなら,今は105㌦かそれ以上支払わねばならない。確かに,米国にはいってくる外国製品はほとんどすべてもっと高くなるだろう。

      その値上がりは,外国製品に対するアメリカ人の購買意欲を押え,輸入を減らして貿易収支の赤字の是正に資するであろう,というのが希望であった。それに,外国通貨は以前より多くのドルを買うであろうから,そのためにアメリカ製品は他国にとって安くなり,売れ行きが伸び,貿易収支の是正はさらに進むというわけである。

      輸出超過の回復は重視されている。なぜだろうか。USニュース・アンド・ワールド・リポート誌は,軍事費,経済援助,米国人の海外投資に必要な対外支出をまかなうには,米国の貿易収支を黒字にもどさねばならぬ,というのがニクソンの考えであると述べている。

      大統領はまた,他国に通貨の切り上げを促すため,10%の課徴金を実施した。この税金は外国製品の値段を上げて,アメリカ人の購買欲を押える。外国通貨の切り上げがアメリカの満足するまで行なわれたなら,課徴金は撤廃されるということであった。アメリカの目標は,日本の円が12%ないし15%,ドイツのマルクが約8%,そして他の通貨も若干切り上げられることである。

      これと関係していたのが90日間の賃金と物価の凍結で,その後他の抑制策が予定された。これはインフレの阻止に役だつだろう。アメリカ製品の価格の上昇速度は落ちて,世界市場における競争力が増すだろう。また,自国のお金が年々購買力を弱めていくのを見てきたアメリカ人の高まる怒りも静めることができる。

      海外の反応

      他の国々はこうした事態に対してどう反応しただろうか。共同市場貿易委員会の西独のメンバー,ラルフ・ダーレンドルフは言った。「アメリカの相手国は『ショックを受け』『ぼう然自失した』という表現ほど,ニクソン大統領の新経済政策の影響の説明に広く用いられた表現は少ないであろう。これにはいくつかの理由がある。措置が急激であったこと,事前の話し合いがなかったこと,決定項目のいくつかが直ちに発効したことなどである」。

      とくに大きなショックを与えたのは,10%の課徴金の実施,および金をドルと交換するという27年来の約束を破ったことであった。対米輸出の減少という見込みは,他の国々の経済にとっては脅威であって,失業率の上昇という,よう怪さえ呼び出すおそれのあるものであった。ダーレンドルフが述べたとおりである。「欧州共同体の対米輸出はだいたい70億ドルにのぼるが,その90%近くが影響を受けるものと見られている。……将来,貿易にかなりの混乱が見られることには疑問の余地がない」。

      他の国々はこれにおとなしく従うだろうか。長期間そうするのはおそらく不可能なことであろう。ニューズウィーク誌は次のように論評している。「ソ連共産党機関紙プラウダは,アメリカはその同盟国に対して経済戦争を宣言した,と言ったが,それは真実に近い」。また,ある銀行家は,「米大統領は爆弾を人々のひざに投げ込んだ。彼らも同じように投げかえすかもしれない」と言った。

      国外の一般の人々にも,おもしろい反応が現われはじめている。ヨーロッパのある保養地で,英国の観光客は「ところで,貧乏人になった気分はどうですか」と聞いてはアメリカ人をからかっている。また別の国で,ある米人観光客が買物をして,ドルで支払おうとしたところ,店員は辛らつな口調で,「そんなくず紙じゃだめですよ」と言った。

      だから,ニューヨーク・タイムス紙が,客員記者の寄稿した社説で,「世界金融センターにおけるドルの不人気は酔いをもさますほどのものがある」と述べたのはもっともである。

      はたして有効か

      アメリカのとった措置は効を奏するであろうか。下り坂にある米国経済を建て直すものとなるであろうか。ドルはかつての力と威信を取りもどせるであろうか。有効な新経済体制が古い灰の中から生まれ出るだろうか。

      なんらかの新しい国際経済体制が台頭するということは,初めからわかりきっている論である。それがはたして古いものより有効かどうかは,時がこなければわからない。世界の政治家にせよ経済学者にせよ,何が起こるかほんとうに知っている者はひとりもいないのが実状である。コナリー米財務長官が,「われわれは,だれもが全く知らない力を呼び起こしてしまった」と言ったとおりである。

      カナダ,トロントのグローブ・アンドメール紙の社説は,リチャード・ニードハムの重々しい論評を載せたが,それは昨年夏の危機の頂点直前に書かれたものである。彼は英国経済とその通貨の長期にわたる衰微に触れながら次のように述べた。「世界がドルから逃避していることは,私の生涯中ほとんどずっと続いているポンドからの逃避と比較できる。理由は同じようなもので,ドルがもはや尊敬されなくなったのは,その背後の産業努力がもはや尊敬されなくなったからである」。

      この二つの国の類似点はそこにある。両者とも長期間,収入以上の生活をし,競争力の最も強い価格の良い品物を作ることをやめてしまった。そこで,ニードハムは次のように結論している。「米ドルの衰退はくい止めうるであろうか。もっとはっきり言って,アメリカの衰退をくい止めうるであろうか。わたしは,くい止めえないと思う。ここでもわれわれは英国のポンドのことを考えねばならない。一国がいったん衰微しはじめたなら,それを阻止する方法はないようである」。

      しかしながら,聖書の研究生はこの世界経済の将来がどうなるかを知るのに,世界の指導者や経済学者の推測に頼る必要はない。神の預言のみことばは問題を明確に述べているゆえに,世界経済の将来を知っている。つまり世界経済は諸政府もろとも姿を消すことになっている。そうした体制はすべて,神の指導による政府と経済体制により取って代わられるのである。―ダニエル 2:44。

  • カインの妻はだれか
    目ざめよ! 1972 | 1月8日
    • カインの妻はだれか

      ● 聖書によれば,カインは弟アベルを殺したのち,『ノドの地に住ん』だ。記録はさらに,「カインその妻を知る 彼孕み」と続いている。(創世 4:16,17)この記録を読んで,カインはどこから妻を得たのか,またその妻はだれかといぶかる人は少なくない。読者は知っておられるだろうか。

      デンマークに住むある若い婦人がエホバの証人の一奉仕者と定期的に家庭聖書研究をすることに応じた。彼女の夫は,自分には興味がないと言っては,部屋の別の側で静かに腰をおろしていた。ところが,ほどなくして,夫は,「カインはどこから妻を得たのですか」と尋ねた。

      奉仕者は創世記 5章4節を引いて,アダムとエバには聖書の記録に名前の出ていない娘たちがいたことを示した。アダムとエバは神の創造による最初の一組の人間であり,しかもエバは,『すべての生物の母となった』のだから,明らかにカインは,アダムとエバの娘のひとり,つまり自分の妹のひとりと結婚したのである。(創世 3:20)自分の疑問に対する聖書の明解な答えにたいへん驚いたその夫は,「わたしは8年近く軍隊にいて,多くの従軍牧師にこのことを尋ねましたが,だれひとり答えられませんでした」と叫んだ。その結果,彼は聖書研究に参加してはどうかとの勧めに応じ,以来よく進歩している。

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