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春の小鳥のコーラス目ざめよ! 1970 | 4月8日
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です。これらこっけいな小鳥はものまねの芸を好んでひろうし,自分の多彩な歌声に他の鳥の声や歌を加えます。
欧州の名鳥として最も愛されているのはナイチンゲールとも呼ばれるサヨナキドリでしょう。その清澄な鳴き声は静かな夜にひびきわたり,その愛らしさは古来幾多の詩人にたたえられてきました。サヨナキドリの営巣地は西および中央ヨーロッパです。別の有名な歌い手は,そのかわいらしい鳴き声をそのまま名前にしたカッコウです。その声の音楽的な特徴を言えば,低く繊細な音調が何度かくり返されることです。
サヨナキドリ,カッコウ,そのほか多くの鳥の美しい鳴き声は偉大な音楽家の心を動かしてきました。そうした音楽家は自分の作曲の中に小鳥の鳴き声を取り入れたのです。ベートーベンは「田園交響曲」中の小川の情景の描写に小鳥の鳴き声を用いました。鳥の擬声音を入れたヘンデルの活発なオルガン協奏曲は,「カッコウとサヨナキドリ」と呼ばれるようになりました。ヘンデルの聖たん曲「ソロモン」の中にある有名な「ナイチンゲールコーラス」は,合唱とサヨナキドリの声を交互に取り入れたきわめて美しいものです。こうして春の小鳥のコーラスは昔から人の耳を喜ばせ,その心を魅了してきたのです。
小鳥たちの春のコーラスの陽気な美しさは確かに天与の賜物です。そのつきない変化と創意とは,天の偉大の作曲家たるエホバ神の至上の知恵を表わすものです。どんな音楽上の趣味を持つとしても,暖かな春の日に野外に出,胸いっぱいに大気を吸いつつ小鳥たちの喜びの歌声を聞くならば,詩篇作者のさまざまなことばが思い出されるでしょう。「われらの神をほめうたふはよきことなり,たたへまつるはよろしきにかなへり」。「地よりエホバをほめたたへよ」。「翼ある鳥」だけでなく,「いきあるものは皆ヤハをほめたたふべし,なんぢらエホバをほめたたへよ」― 詩 147:1; 148:7,10; 150:6。
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聞きとどけられた誠実な祈り目ざめよ! 1970 | 4月8日
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聞きとどけられた誠実な祈り
● デンマークに住む,救世軍の一兵卒は,誠実な祈りを捧げることによって真理を得ました。ところがそれにはしばらくの時間がかかりました。救世軍の兵士として献身した1942年当時,この人は神の導きを得たいとの誠実な祈りをささげました。「わたしは自分の献身を軽々しく考えませんでした。進むべき道を知るために祈り,聖書を読むことを勧める教えを真剣に受け入れました。わたしは正しい道を示してくださるよう神に祈りました。わたしが祈り終えるや,だれかが玄関の戸をたたきました。出てみるとひとりの少女が『ものみの塔』誌を紹介しました。わたしはそれを求めましたがまったく読みませんでした。救世軍にいても聖書を理解する助けにならないことがわかると,わたしはそれから離れ,まもなく家族とともにカナダへ移住しました。船の上でわたしは再度神に祈り,進むべき方向についての導きと,もし真の宗教があるなら,そこへ導いてくださいと神に求めました。カナダに着いたわたしたちは,家賃のあまり高くないアパートを捜してくれる人が必要でしたので,デンマーク人の司祭に電話をかけてみました。しかし番号をまちがえたらしく,電話でわたしがあなたは司祭ですかと尋ねたところ,相手の人は,『いいえ,司祭といっても少なくともあなたが考えておられるような司祭ではありません』,と答えました。親しみ深いその人は自分がエホバの証人であることを親切に説明しました。わたしが困っていることを話しましたら,彼は30分もたたないうちに車でやって来て,わたしたちの住まいとなる,すっかり設備の整った家へ案内してくれました。その夜彼は,かなりの食料と『ものみの塔』誌数冊,それに1冊の本を持って来ました。神がわたしの祈りにこたえて,そうした人たちをつかわしてくださったことを確信していましたが,まもなくわたしは他の場所へ移り,その人との音信もとだえました」。
その後デンマークにもどったこの人は,友人を訪問した時「ものみの塔」誌を目にしました。その友人はしばらくエホバの証人と勉強して,学んだ事柄が真理であると確信していましたが,それに従って生活することはできないと感じていたのでした。友人の話に深く心を動かされた彼は,神が真理に導いてくださるよう3度祈りをささげました。彼はこう語っています。「ちょうどその晩,ふたりの伝道者がわたしの家を訪れ,聖書研究が始まりました。今度こそわたしは真理を見いだしました。そしてただひとつの願いは,エホバ神がこの『終わりの時』に,この地でなされる神のみわざにわたしを用いてくださることです」。
― エホバの証人の1970年度年鑑から
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