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太り過ぎの問題 ― どんな解決策があるか目ざめよ! 1974 | 8月8日
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代謝を促す種類のものであれ,常に薬の副作用を考慮に入れなければなりません。「安易な方法で安全なものはない,安全な方法で安易なものはない」とは良く言ったものです。
中には自己催眠術を勧める人もいます。また,オーバーイーターズ・アノニマスとかウエイト・ウォッチャーズなどと呼ばれる団体に加入して良くなった人もいます。しかし,いかなる形態のものであれ,催眠術に関係する危険を考えると,太り過ぎの問題の解決を計るために催眠術に頼ることは極めて思慮に欠けた行ないです。また他の方法について言えば,献身したクリスチャンは,こうした交わりによって自分は霊性にどんな影響を受けるだろうかと自問してみるとよいでしょう。―コリント第一 15:33。コリント第二 6:14-18。
また,いわゆる“一時的に流行を見ている規定食”と言われるものがあります。そうした規定食として挙げられているものの中には,三日間のプルーン規定食,グレープフルーツと堅ゆでの卵の規定食,ミルクとバナナだけの規定食などがあります。これらのいわゆる“一時的に流行を見ている規定食”すべてに共通している真の問題は,それが長期的な見地に立つと望ましくないという点です。中でも“人気のある”減量規定食は,比較的蛋白質に富んでいる種類のものであり,カロリー価は脂肪分や炭水化物を少なくすることによって抑えられています。しかし,蛋白質価の高い規定食品と称されてはいても,体内に摂取される蛋白質の量は実際には多くなっていません。
非常に簡単,かつ経済的でもある別の方法は,絶食することです。それについて,「現代の治療法」1970年版にはこう書かれています。「三日から十日に一日食物を完全に断つ治療法がここ何年にもわたって行なわれている。週に一度,時には二度さえ,2,500から4,000カロリー分の熱量が欠損する結果もたらされる益は,全く望ましいものである。肥満の点を別にすればふつうの健康体の人においては,それが人の機能に及ぼす危険はきわめて少ない。比較的新しい療法である7日から10日にわたる絶食は,病院の監視のもとに行なわれることが望ましい」。
分別と自制
もちろん,最も簡単な(しかし最も容易というわけではない)解決法は,体重の増え過ぎを避けることです。予防は治療よりもまさっています。親は,健全な食習慣を持つよう子どもたちに初めから気を配るべきです。しかしひとたび体重が増え過ぎてしまったのであれば,なんらかの目に見える結果が得られるまでに,多くの苦難や損失が求められるという事実を甘受しなければなりません。しかしながら,そうして得られた結果にはほんとうに価値があるように思われます。
ある医学書が述べているとおりです。「首尾よく体重を減らした人は,その成果を保つために,残された生涯中警戒を怠ってはならない。そうではあっても,体重を減らすことから得られる益は,最適の体重を得,かつそれを維持するために,医師と患者の双方が払った多大の努力を裏付けるものである」。栄養学に関する別の権威者も同様にこう語りました。「自制の努力が払われていないなら,その人が健康でありうるとは,わたしは考えない」。別の専門家はさらに強い調子でこう語っています。「肥満の問題の場合に,抑えることのできない放逸さとして表われる,品性や意志力の欠如がどれほど重大であるかを直視すべきである」。
また,自分の食習慣を制御することは,行なう必要のある事がらの一つにすぎないことも念頭に置いておかなければなりません。そこには運動することも関係しています。つまり,もっとよく体を動かすことが必要なのです。有名なある医学書にはこう書かれています。「摂取する食物が多いというよりも,体を動かすことが少なくなっているという事実が,多くの肥満体の人,それも特に女性の間で認められる。……漸進的に運動の量を増やす計画は,肥満の治療上重要な部分を占める」。毎日3㌔から5㌔歩くのはほんとうに価値があるということを覚えていてください。
幾つかの提案
アメリカの著名な栄養学者や他の医師たちが体重を増やさないために試みている実際的な方法の幾つかを次に記します。
家族の料理を作る人がこの点で協力しています。家族の中のだれかが体重を増やさないでおきたいと願っている場合,それは他の人にも自己訓練が求められるほど重要な事がらです。
そうした栄養学者や医師たちはゆっくり食べます。極端に太っている人の多くは早く食べる人です。より少ない食べ物を,もっと楽しみながらゆっくり食べてください。
食事のさいに,味が良くても,実際の栄養がほとんどない食べ物をできるだけ少なくしています。ソーダー類,パイ,練り粉菓子,クッキー,ケーキなどを控えることも,益になるかもしれません。
栄養学者や医師の中には,アルコール飲料を完全に断っている人がいます。体重を増やさないようにしようと真剣に考えている人も同じ様にすることができます。
「ステアー夫人[アメリカの第一級の栄養学者の妻]は,どんなことがあっても,絶対揚げ物をしません」。ローストにしたり,焼いたりした料理も,風味のよいごちそうと言えるでしょう。
彼らは,食事のさいにお代りをしないようにしています。また,バター・チーズ類,肉,野菜を問わず,あらゆる脂肪分を避けるようにしています。ごく簡単な思い付きですが,サラダ・ドレッシングをトマトジュースで薄めて使用してみてください。
ジーン・メーヤー博士はデザートについてこう言っています。「まるで腫物にでも触るかのように,わたしはデザートを避けています」。
正規の食事の間に取る軽食にも注意を払わなければならないことを知った人も少なくありません。そうした食事を取る必要があるのであれば,セロリの茎か細く切ったニンジン,あるいはピクルスの薄切りか少量の新鮮な果物を食べるようにしてください。
もちろん,食べ物に対する態度は戦いの半分にすぎません。もう一つの点は進んで運動をすることです。エレベーターを使う代わりに階段を登り,車に乗る代わりに角の店まで歩いてください。
体重を減らさなければならない十分の理由があるのであれば,そのために努力を払うのはよいことです。しかし,それは真剣に取り扱うべき問題です。ジーン・メーヤー博士が語っているように,太る傾向がある人にとって,「やせるための代価は,食事と運動の点で絶えず警戒を怠らず,訓練を積むことです」。
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世とその緊張からの解放!目ざめよ! 1974 | 8月8日
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世とその緊張からの解放!
長谷川滋の経験
私は水力発電関係の電気技師として働いていました。この仕事の都合で日本じゅうを回り,イランやアメリカなど海外に出張することもありました。ある出張のおり,妻里子も私に同行し,わたしたちはカリフォルニア州サクラメントに近いプレイサービルのアパートに滞在しました。それは1968年のことです。ある朝,一人のエホバの証人が訪れ,わたしたちは「ものみの塔」と「目ざめよ!」誌を喜んで求めました。わたしたちの英語の知識が限られたものであったため,それを読んでもあまり深い所までは悟れませんでした。
その後まもなく,わたしたちは日本に戻り,日立市の社宅に住むことになりました。そこに着いて幾日もしないころ,妻はある人の訪問を受け,その人は同じ二つの雑誌,つまり表題は日本語でも表紙の同じ雑誌を妻に見せました。それを見た
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