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空 ― わたしたちのすばらしい屋根目ざめよ! 1970 | 7月8日
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電光は,強風が多数の電撃の伝導通路を一方に吹き流す場合に起こる。一連の電撃が何十センチか間隔を置いて飛び上がり,光のリボンのさまを呈する。
しかし,こうした稲妻が空を満たすことによって,どんな良いことが成し遂げられるのだろうか。稲妻が土を肥やすのに大いに役だつことは,今日よく知られているところである。大気もしくは空の80パーセントは,植物に不可欠の肥料である窒素が占めている。地球の上には,2.6平方キロあたり,約2,200万トンのこの養分が浮いている。しかし窒素が大気中にとどまっているかぎり,植物はそれを利用することはできない。食物が人間の消化器管内で変化するのと同じく,窒素も一連の化学変化をへてはじめて植物の命をささえることができる。空で起こる電光はその一連の変化の糸口をつくる。大気分子は電光によって白熱する。電光は,幅5センチから25センチの通路に当たる空気を,太陽の表面温度より熱くすることができるからだ。この強い熱に会って窒素は空気中の酸素と化合し,水溶性の亜酸化窒素となる。雨水はこの酸化物を溶かし,希硝酸として地上に運ぶ。地上に達した硝酸は土中の鉱物と化合して硝酸塩となり,植物の肥料となる。植物がこれに養われて生きられるので,人間と動物はその植物を食べて生きることができる。
稲妻は神から人間へのなんとすばらしい贈り物だろう。これは空を照らす以上のものなのだ。気象学者の推測によると,電光は1秒間に100回以上の割で地を打ち,上層の空気を植物に必要な窒素にかえている。
神は,実用的な空のみならず,畏怖の念をそそる,変転きわまりない美と驚異に満ちたすばらしい“屋根”を人間に賜わった。そして,信仰深い人々はこの空を見上げるとき,これらのくすしき事柄をなされるエホバを賛美するよう心を動かされるのである。―詩 136:4。
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平衡のとれたふるまいは報われる目ざめよ! 1970 | 7月8日
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平衡のとれたふるまいは報われる
● エホバの証人であるため職を失った後でも,その立派で平衡のとれた行ないはよい結果をもたらします。フィンランドでのこと,あるエホバの証人の代わりにひとりの婦人が雇われました。その婦人はつぎのような興味深い経験を述べています。「社長に面会すると,わたしはこう言われました。『あなたはエホバの証人になった人の代わりに働いていただきます。わたしはできるだけ早くそのエホバの証人を解雇したいと思います。彼女はわたしにいろいろ迷惑をかけますからね』。そして,わたしは問題の女性に紹介されました。職を失うからには,エホバの証人はよほどの変人なのだろう,とわたしはたいへん興味を覚えました。彼女は良心的に,また非常にていねいに仕事を教えてくれたので,わたしは驚いてしまいました。彼女は会社の社長に対してひとことも愚痴をこぼさず,仕事仲間のうわさもしませんでした。自分が奉じる宗教が悪く言われた時でさえ,すべての人に親切で,だれにも迷惑をかけることはありませんでした。わたくしは,その女性がいろいろな状況下で平衡のとれた態度を保つのを見て,悪い待遇に耐えられるその力は,彼女の宗教にあると確信するようになりました。彼女が就業時間中に他の事をしていたのかもしれないと思ったわたしは,彼女を試験してみようと決めました。わたしがその宗教について尋ねると,彼女はわたしの質問に簡単に答え,「これらの事柄についてもう少しあなたにお話したいので,仕事が終わってから話し合いを続けてもかまいませんか」と言いました。このようにしてわたしたちは数回会いましたが,まもなくわたしは,それまで勧められていた聖書研究を行なうことが大切だと気づきました。そこで定期的な家庭聖書研究がわたしの家で始まりました。親せきはわたしに反対しはじめましたが,夫はわたしが以前より良い妻になったことを認めてくれました。それは,わたしが聖書の原則を生活に当てはめはじめたからです。わたしは現在,献身したエホバの証人です。したがってこの雇い主は,ひとりのエホバの証人の代わりに別のエホバの証人を雇ったことになります。けれども,わたしはまだ今の職場を失っていません」。
― エホバの証人の1970年度年鑑から
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