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あなたのお子さんと歯目ざめよ! 1970 | 12月8日
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ある子どもは他の子どもよりむし歯になりやすく,その進度も子どもによって非常に違いますが,むし歯の問題の大部分が,甘い物を食べることと結びついている事実は変わりません。
甘い物の摂取を減らす計画は,まず親が実行しなければ効果ありません。親自身が,クッキーやキャンデー,ケーキなどをふんだんに食べながら,それがよくないことを子どもに納得させるのはむずかしいでしょう。子どもは幼いときから甘い物をほしがります。そのような食物がいつも家の中にあってすぐに食べられるならば,よくない食習慣がつくでしょう。といってもこれは,甘いものを完全に排除しなければならないという意味ではありません。おやつのあときれいに歯をみがくことも,むし歯を減らす効果的な方法です。
正しい歯のみがき方
子どもは教えられると,ふつう2歳で早くも歯をみがくことを覚えます。3歳をすぎてから教えるのでは,おそすぎます。これに親の指導がたいせつなことはいうまでもありません。親が子どもと同じ時に歯をみがいて,正しい手本を示すのはよい考えです。それは,歯をみがくことを日課とするよう,子どもを励ますことにもなります。
子どもがひとりで歯をみがいたとき,ほんとうにきれいになったかどうか,親はもう一度子どもの歯を調べてみるのがよいでしょう。この年齢でとくに注意を要する部分は,全部の奥歯つまり臼歯の頭,すなわち物をかむ面です。
これらの歯の,ほほの側と舌の側で歯ぐきに近い部分は,きれいにみがくことを怠りがちで,よくむし歯になりがちです。食物のかすがたまって,歯の周囲に白い輪ができます。食物が除去されたあとでも,食物の酸や細菌が,エナメル質の中に,齲食作用の証拠である白い輪を残すこともあります。ですから歯をきれいにみがくことは,これを防ぐのに大きな効果があります。
ブラシで歯を徹底的にみがくには,練習と多くの努力がいります。ふつうの場合,乳歯は3歳までに20枚はえます。そしてこれらの歯のひとつひとつに,みがかねばならない面が五つあります。したがって,注意を要する面は合計100ということになります。永久歯となると,32本ですから160面をきれいにしておかねばなりません。このつぎ,歯ブラシを手にするときには,そのことを思い出してください。
最も広く行なわれている歯の清掃法は,ブラシでみがくことでしょう。しかしブラシをめちゃくちゃに使うだけではほんとうにきれいにはなりません。歯科医はいくつかの方法をすすめます。a 1969年11月号の「アメリカ歯科医協会ジャーナル」誌に書かれているとおり,「口腔衛生処置の効果は,それに使用される物質よりも,技術と努力の問題」です。技術も,歯の清掃につぎこむ努力の量も,練習によって改善できます。
デンタル・フロス(歯の清掃用繊維)やようじ,歯間刺激物などを使う補足的清掃は,薬用歯みがきを使う場合はなおのこと,歯をみがくまえにしなければなりません。それらを使う場合,歯にさわらなければ意味がありません。
デンタル・フロスは,歯間のそうじに,他のどの方法よりも効果的なようです。その繊維は歯の間にはいって,歯ブラシのとどかないところにある食物の小片やかすを除くことができるからです。これは大事なことです。というのは,むし歯と歯牙周囲組織疾患とは,たいてい歯の間からはじまるからです。フロスを使ったあとは,口をよくすすいで,取れた食物のかすを洗い流します。それから,歯と歯ぐきを徹底的にみがくようにすれば,口内はきれいになって,さわやかな気分になります。
しかし歯ブラシも歯みがきもない,という事態に遭遇することも時にはあるでしょう。そういう場合には応急策として,目のあらい清潔な洗面用タオルを活用できます。全く方法がないときには,口をすすぐだけでも,ある程度の効果があります。
むし歯
う食した部分は,物をかむ面のみぞや割れ目の中に,小さな,褐色の部分となって現われます。歯と歯の間では,濃い灰色の部分がそれです。こうした割れ目には時々食物がつまって,取り除くのが困難なこともあるでしょう。口内の細菌がそれに作用しはじめると,酸がつくり出されます。害を及ぼすのはこの酸です。もちろん,エナメル質の外かくが破壊されるまでには,酸は数度の攻撃をかけるわけですが,酸がいったん歯の内部構造である象牙質に侵入すると,象牙質のほうがずっと柔らかいので,う食作用は速度を増します。
それで歯についた食物のかす,とくに炭水化物を早急に除いてこの作用を阻止すべきときは,むし歯ができないうちです。したがって子どもたちには,食事のあとのみならずおやつのあとにも,歯をみがくことを教えねばならないということになります。
疑わしい部分はとくに念を入れてみがきます。それでもまだその部分が黒ずんでいたり,色が悪ければ,歯科医のところに行くのが順当です。発見した穴が小さければ,治療もそれだけ簡単です。
3歳という年齢は,むし歯が目についてもつかなくても,歯科医の所へ連れて行くのに適当な時期です。この年齢になるまでには,全部の乳歯(20枚)がはえそろっているのがふつうで,歯の健康維持に本式の手入れを必要とします。
各乳歯は,その下のがく骨の中で発育している永久歯のために必要な場所を確保しているのです。もし,永久歯がはえないうちに,むし歯か何かで乳歯がなくなれば,歯は互いに寄りそう傾向があります。そうなると,永久歯のために十分の場所がなくなる恐れがあります。
乳歯全部に天命を全うさせるよう子どもを助けてやれば,高価な歯のきょう正などしなくてすむわけです。これは永久歯についても言えることで,1本抜けたらそこを埋めておくのが賢明です。もちろん歯を入れなくてもすむことはすみますが,結局は歯ならびが悪くなって食物が間にはさまるといった,他の問題が起きます。
以上のようなわけで,健康な歯の発育と維持には多くの要素が関係しています。あなたはこのうちのいくつかを制御できるのです。お子さんたちに,幼い時から歯の正しい手入れを教えるのはいかがですか。あとになってたいへん感謝されることは,まちがいありません。
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タルの中で施された浸礼目ざめよ! 1970 | 12月8日
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タルの中で施された浸礼
● 神に対する忠誠を保ったゆえに投獄されている,ギリシアの奉仕者から,次のような経験が寄せられています。「60人以上の献身した若い奉仕者が,みずから忠誠の道を選んだためにもたらされた結果を甘んじて受けています。しかしながら,これらの若い奉仕者たちは,かなり良い扱いを受けており,彼らがクリスチャンにふさわしい態度を取ることによって,すぐれた証言がなされています。しかし,一つの問題がありました。神の意志を行なおうと最近献身したある人は,バプテスマを受けたいと申し出たのです。しかし,どのようにして施せるでしょうか。必要な施設を整えることはできません。そこで彼らは所長のところに行き,時々フットボールをさせてもらえるが,次の試合では,負けたチームのひとりの選手を,罰として水のいっぱいはいったタルの中に入れることにした,と述べました。所長は微笑をたたえて,『よろしい,好きなようにしなさい』と言いました。試合が終わったとき,若者たちはタルのまわりに集まりました。そして浸礼が施されました。浸礼の話は前もってなされていました」。
― エホバの証人の1970年度年鑑より
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