-
原子の世界の素粒子目ざめよ! 1980 | 3月22日
-
-
が新粒子,クオークの存在を提唱しました。二人の理論によると,すべてのハドロンは2個ないし3個のクオークが組み合わさったものであるとされました。理論上の粒子クオークにある特性を付与することによって,ゲルマンとツバイクは,既知のすべての核粒子(ハドロン)がわずか3種の異なったクオークから成り立っているという説明を行ないました。それら3種のクオークには,“アップ”,“ダウン”,“ストレンジ”という名が付けられました。この理論の思わぬ結果として,これまで発見されていなかった粒子の存在が予告されました。そして後に,この粒子が造り出され,それには予期されていたとおりの特性が備わっていました。これによって,この理論は広く受け入れられるようになりました。最近の実験は,“チャームド”,“トゥルース”,“ビューティ”と名付けられたさらに3種のクオークが存在することを強く示唆しています。
この記事を書いている時点では,検知されたことが確認されたクオークはまだありません。クオークは分離できないのではないかと考えている人もいます。しかしクオークは,すべての素粒子物理学者にとって,確固とした理論上の基本原理となっています。中性微子の場合と同じく,確認されてはいなくても,科学者はその存在を信じています。というのは,クオークを用いて,原子内の検知可能な粒子の,ある条件下における動きを予告することができるからです。
現在の理論を作り上げているクオークの数で,今後発見されることになる新しい粒子についても満足のいく説明を行なえますか。ほかにもクオークのあることが明らかになるでしょうか。そもそも,クオークを分離することは可能なのでしょうか。クオークは,本当に原子核の究極的な“素粒子”なのでしょうか。もしそうでないとすれば,クオークは何からできているのでしょうか。
「それが何からできているか」という問いの答えが完全に与えられることはないかもしれません。物質の詳しい研究が行なわれて理解が一歩深まるごとに,いわゆる“素粒子”はもっと単純な何かによって作り上げられているように思えてきます。(現在では“にかわ粒子”のことが話題に上っています。)この探求には終わりがないのでしょうか。わたしたちの好奇心が完全に満たされることはなさそうです。ある人々にとって,そうした見込みは,落胆を覚えるどころか,期待をかきたてられるように思えます。それらの人々は,クリスチャンの使徒パウロと同様に次のように感じています。「ああ,神の富と知恵と知識の深さよ。その裁きはなんと探りがたく,その道はなんとたどり出すことのおよばないものなのでしょう」― ローマ 11:33。
-
-
公開される大学の入学試験の結果目ざめよ! 1980 | 3月22日
-
-
公開される大学の入学試験の結果
「カリー知事は,規格化された入学試験を『不明確なところがあり,誤解されたり誤用されたりするおそれがある』とし,初めての試みとして,大学や大学院の入学試験を扱う部局に試験を公開審査に付すよう求める法案に昨日署名した。法案の定めるところによると,学生は採点された自分の答案用紙と正解とを見て,採点を確認することが許される」。
1979年7月15日付のニューヨーク・タイムズ紙は続けてこう報じました。「入学試験法案は,これに反対する試験関係者や大学の管理者,および法案を支持する学生や父兄,教育者,消費者団体の激しい陳情合戦を招いた。……この法律はニューヨーク州で行なわれる試験にしか適用されないが,妥当性の研究や解答用紙と正解 ― これまで部外秘であった ― が広く利用できるようになるのであるから,これは全国的に大きな影響を与えるであろう」。
-