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    目ざめよ! 1970 | 6月22日
    • ラジオの働きをご存じですか

      アメリカでラジオの商業放送が開始されたのは,今からちょうど50年前の1920年のことでした。それから1925年までに,アメリカの一般家庭のラジオ保有数は300万台になり,さらに1940年までには,4,500万台にふえました。今のアメリカには2億7,500万台のラジオがあるものと推定されています。これは一人当たり1台以上のラジオということになります。しかしこの台数にもかかわらず,たいていの人はラジオについてほとんど知っていません。ラジオがどうして音を出すのか不思議に思ったことはありませんか。

      あなたは,今ラジオから流れてくる音楽を聞きながら,安楽いすにでも腰かけて,この雑誌を読んでおられるかもしれません。では,その音楽が放送局からあなたの家まで伝わってくる経過をたどってみませんか。

      音楽を放送する

      あなたの聞いている音楽は,オーケストラが演奏しているものか,放送局のスタジオで録音されたものです。今日ではたいてい,録音されたものが放送されています。音楽は空中を伝わって,マイクロホンに達します。音は実際には空気のわずかな圧力偏差ですが,その圧力偏差を耳が感じるので,人は音楽を聞くことができるのです。マイクロホンも同じ圧力偏差を感ずることができ,その音波を電圧,つまりその音波に対応する電流に変えます。

      したがって,マイクロホンが音を電流に変えることによって,最初の作業を行なうのです。マイクロホンにはたくさん種類がありますが,ここでは可動コイル型の働きを調べることにしましょう。左上のさし絵をごらんになれば,可動コイルの各部のありさまがわかるでしょう。

      振動板は紙か他の軽い材質でできており,曲の音波に応じて振動します。そうすると,振動板に,しっかりと取りつけてある針金の小さなコイルが前後に運動します。このコイルは,永久磁石が作り出している強力な磁場の中を前後運動し,その結果,音波と同じ電流がコイルの中に生じます。その電流はこの時点ではたいへん弱いので,増幅つまり強められねばなりません。その仕事は真空管かトランジスターがします。

      次にその電流はスタジオの調整室から送信機に送られます。小さな放送局ですと,送信機がスタジオの調整室の中にある場合もあります。しかし大きな放送局になると,送信をじゃまする高層建築や他の障害物から遠く離れた郊外に,強力な送信機を設置するのが普通です。

      送信機は一連の電気設備から成っており,ラジオ電波を造り出し,それをマイクロホン中に生じた電流と結合させます。その結果,振幅変調(AM)と周波数変調(FM)の2種類の電波が生じます。

      振幅変調は電波の力を変える方式ですが,周波数変調は,電波の周波数を変化させる方式です。AM波は波長が大きく,地表に沿って屈曲するので放送区域が広いという利点を持っています。他方,FM波は地表に沿って屈曲しないために,その放送区域は広くありません。FMの利点は比較的騒音に妨害されないで受信できることです。

      送信機で音声電流とラジオ電波が結合されると,変調波ができ,その変調波は送信用アンテナに送られます。アンテナは空高くそびえており,150メートル以上に達することもあります。このアンテナから変調波が大気中に送り出され,穏やかな水面に石を投げるとできる波のように広がってゆくのです。これらの変調波は,スタジオで演奏された音楽のすべての変化や音色を搬送します。

      アメリカの場合,幾千もの放送局がありますから,各放送局から送り出される変調波が混信するおそれはないのか,と疑問に思うかたもおられるでしょう。そのような混信を避けるために1927年,連邦ラジオ委員会が設立されましたが,その後1934年になって連邦逓信委員会がそれに取って代わりました。

      その連邦委員会は放送局に一定のチャンネルつまり周波数を指定し,それ以外の周波数を使って放送した場合,連邦罪に問われることになっています。普通ラジオの外側に付されている周波数の目盛りを見ながら,それをたよりにラジオを指定された周波数に合わせ,自分の聞きたい放送局を選ぶことができます。AM放送局の周波数は550から1,600キロサイクルです。

      音楽を受信する

      放送局から送られてくるラジオ電波はわたしたちの周囲いたるところに存在しています。見ることはできませんが,ちゃんとあるのです。では,あなたの聞きたいと思う音楽を運ぶ変調波を,お宅のラジオはどのように選択し,それを音に換えるのでしょうか。次にこの点を考えてみましょう。

      最初に,ラジオがその変調波を受信しなければなりません。ラジオのアンテナがそれをとらえます,人間の場合で言えば,アンテナは耳に相当します。今日のラジオはたいていアンテナ装置を内蔵していますが,自動車ラジオでは外にアンテナのついていることがしばしばあります。送られてくる信号が弱い場合には,アンテナが外に設けられているほうが受信は良好です。

      放送局がその送り出す,あるいは放射するラジオ電波がラジオのアンテナに達すると,弱い電気信号つまり電圧を誘起します。しかし,多数の放送局が発する変調波がアンテナを経てラジオに送り込まれるのですから,自分が聞きたいと思っている音楽を伝える変調波を他のさまざまな変調波の中から選び出さねばなりません。それはどのようにして行なわれるのでしょうか。

      ラジオの中には波長調整器と呼ばれる装置があり,それがこの選別の働きをします。ラジオのダイアル,つまり波長調整器のつまみを回すと,望みの音楽を放送している放送局のチャンネル,すなわち周波数を選定できます。したがって,波長調整と言うのはある周波数を選び,他の周波数を拒絶することにすぎないのです。しかし,そうするのはそれほど簡単なことではありません。

      ラジオが今日ほど進歩していなかった何年か昔は,望みの周波数を選ぶことはたいへんむずかしく,それがラジオの大きな欠点とされていました。たとえば,アメリカ海軍が遭難船からのSOS信号を受信したい場合,海軍の受信装置がその無線通信を他からの干渉なく受信できるよう,商業放送は一時放送を中断しなければならなかったほどです。しかし,今日,他の放送局からの干渉という問題はほとんど起こりません。なぜなら,たいていのラジオがスーパーヘテロダイン原理を採用しており,そのために正確な選定が可能となり,近接したチャンネルを同時に受信することが避けられるようになったからです。

      波長調整がすむと,回路は望みの放送局を選択し,変調波は変換管と呼ばれる真空管(またはトランジスター)によって,その周波数を低くされます。そのあと,変調波はI-F(中間周波)増幅管と呼ばれる別の真空管あるいはトランジスターによって強化,すなわち増幅されます。

      変調波が十分に増幅されると,検波管に送られ,そこでラジオ電波が音声電流から分離されます。このラジオ電波は送信機内で誘起されたもので,この時点にいたるまで搬送波としての役目を果たしてきたのです。その後に残されたのは音声電流だけで,これは,オーケストラの演奏する音楽が誘起した圧力偏差のために,スタジオのマイクロホン中に生じた電流です。

      検波管から出るこの電流は非常に弱いので,さらに強化される必要があります。それをするのが検波管と同じ管の中にある電圧増幅器で,この中に電流が送り込まれます。ここで電圧が上げられた電流は,スピーカーを鳴らす増幅管に送られます。

      放送局のスタジオのマイクロホンがとらえた音楽的振動と,家庭の聴取者とを最後に結ぶものがスピーカーです。それは,今やたいへん強くされた電流をマイクロホンとちょうど逆の仕方で機械的な振動に変換させます。

      スピーカーの中には永久磁石が固定されており,ボイスコイルと言う針金のコイルが増幅器の出力側に連結しています。コーンに取り付けられたコイル間を電流が通ると,たいてい紙でできているコーンが収縮して機械的な振動が生じます。そしてこの振動のために,あなたの部屋の空気の圧力が,スタジオの音楽が誘起したような偏差を生じるのです。

      そういうわけで,安楽いすに気持ち良く腰かけながら,楽しい音楽を聞くことができるのです。ラジオはほんとうに驚くべき装置ではありませんか。

      [21ページの図]

      (正式に組んだものについては出版物を参照)

      可動コイル式マイクロホン

      永久磁石

      軟鉄

      振動板および可動コイル

      [22ページの図]

      (正式に組んだものについては出版物を参照)

      上から見たラジオの内側

      検波管および電圧増幅管

      I-F増幅管

      波長調整コンデンサー

      電力増幅管

      変換管

      スピーカー

      整流器

      アンテナ

  • 老齢も妨げとはならない
    目ざめよ! 1970 | 6月22日
    • 老齢も妨げとはならない

      ◆ 「とこしえの命に導く真理」と題する本を用いれば,クリスチャン奉仕者はだれでも家庭聖書研究のわざにあずかり,劇的とも言うべき今の時代に他の人々が命への道を見いだすのを助けることができます。西ドイツでのこと,ひとりの巡回奉仕者は次のように書き寄せてきました。「4年前,当時81歳で真理を学んだある男の奉仕者についてお伝えしたいと思います。その人は27年間教区委員を勤めていましたが,2年間聖書を研究したのちにバプテスマを受けました。彼は,戸数25戸ほどの一寒村に住んでいます。その村の人々は聖書の音信に全然耳を傾けようとしないので,奉仕者たちはその村での伝道をむずかしいと感じていました。しかし,この老齢の奉仕者は,今は84歳ですが,その村で八つの家庭聖書研究を,しかも毎週定期的に司会しています。その研究に同席した会衆の補佐のしもべたちによれば,その年老いた奉仕者は協会の提案した教え方をたいへん熱心に実行しているとのことです」。

      ― エホバの証人の1970年度年鑑より

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