良いたよりを伝える ― 再訪問で関心を発展させる
1 真理に対する関心を発展させるには時間がかかります。あなたは再訪問を定期的に行なうために十分な時間を計画していますか。多くの伝道者は,自分の野外奉仕時間の少なくとも半分を再訪問や聖書研究の司会に当て,すでに見いだされた関心を発展させるために努力するのが有益であることを見いだしています。
2 次の点を自問してみるのは有益です。『エホバの愛のご準備に関心を示す人を見つけるために自分はほんとうに目ざとく行動しているだろうか。それとも,文書を求める人だけに再訪問をしているだろうか』。わたしたちが探しているのは,義に対する誠実な愛を持ち,世界の悪い状態のために嘆きかつ叫び,真理を探し求めている人々です。個人的また宗教上の理由で文書を取らない人もいますが,それは必ずしもその人が真理に関心をいだいておらず,神の愛のご準備に対する暖かな反応を育てることができない,という意味ではありません。(ルカ 19:3-5)しかし,このような場合,わたしたちはどのように援助の手を進めたらよいでしょうか。
3 自分の区域内のある人々をよく知るために,その人を時おり訪ねてみることが非常に有益な場合があります。それによってその人と親しい関係で知り合うことができ,真理についていっそう真剣にまた定期的に話し合う道が開けます。人々が見知らぬ人について不安に思うのはもっともであるという点を銘記しておかなければなりません。それで,そうした人々の関心とともに信頼感をも忍耐強く育ててゆくことが必要かもしれません。これには時間がかかり,わたしたちの側の継続的な努力が必要です。そうした人たちに特に関心があると思われる記事を載せた号の雑誌を時おり持って行くことによって目標が達成される場合もあります。そして,機会がある時には,そこで得られる数分を活用してその人に真理について話せるでしょう。いずれかの聖句か最近号の雑誌のどれかの記事について話す準備をしておいてください。その人に証しをするのにそれ以上の機会がもはや得られない場合もあります。それで,次の訪問があるとしても,あまりに急いでその場を去ってしまうことのないようにしてください。
4 その人が時間をかけての話し合いに応ずる場合には,いろんな近づき方が可能です。初めは家の人に主に語らせ,その人が何を考え,何に関心をいだいているかをまず知るようにしている兄弟たちもいます。その人が何か誤った考えを述べるとしても,初めからそれを一つ一つ論ばくすることは必ずしも必要でありません。わたしたちの音信は王国の良いたよりであり,強調したいのはそれです。この点を忘れないでください。他の事がらはやがてかたずけてゆくことができます。わたしたちの目標は議論することではなく,心を勝ち取ることです。
5 また,それがわたしたちの「羊」ではなく,神の「羊」であるという点も忘れないでください。ある人に対しては自分よりも別の伝道者のほうが効果的に話せる場合も少なくありません。それで,その伝道者にいっしょに来てもらうことはいかがですか。
6 だれかに再訪問をしたさい,あなたの家庭聖書研究の申し出が断わられることがあっても落胆しないでください。その訪問が自分の望むほど産出的でなかったとしても,その人が考えたり読んだりするきっかけとなり,後の訪問のさいにいっそうの進歩が見られるかもしれません。もちろんわたしたちの銘記していることですが,わたしたちが可能な努力を尽くしたあと,その関心を成長させてくださるのは神であり,わたしたちはそれを祈り求めます。(コリント第一 3:6,7)しかし,植えたり耕したりするわたしたちの仕事の中には,少しも関心のない雑草を抜くことも含まれており,再訪問はその点でも役だっています。