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    目ざめよ! 1983 | 8月8日
    • 若い人は尋ねる…

      なぜ両親はわたしを理解してくれないのか

      ものみの塔協会の皆様へ,

      過去2年間に私は自分の内部に無数の問題を抱え込んだように思えます。気が狂ってしまうのではないかと思う時もあります。私の体は変化しはじめました。それで両親は急に私のことを信頼しなくなり,男の子たちと一緒に行動することを許してくれなくなりました。私が間違いをするとその度に父と母は意地の悪い姉と私とを比較します。これはとてもつらいことです。それで両親に話したのですが,両親は私の気持ちを理解してくれませんでした。もしかしたら,少なくとも1年ほど,独りでいられる所へ行く必要があるのかもしれません。答えを与えていただけたらうれしいのですが。―16歳の少女。

      もしかしたらあなたも同じように,両親にもっとよく理解してもらいたい,と切実に願ったことがあるかもしれません。結局,理解してもらいたいと思うのは人情です。そしてもしあなたが問題を抱えていて,ご両親があなたの好きな事柄や重要と考えている事柄に批判的であるなら,あなたはひどく欲求不満を感じるかもしれません。例えば16歳のロバートは,父親が自分の音楽の好みを理解してくれないと思いました。「父がすることと言えば,どなり声を上げながら『そんなものは消してしまえ!』と言うだけなのです」とロバートは言いました。ロバートはこうした状況をどのように扱ったでしょうか。「それで僕は音楽と父の言葉を両方とも消してしまうのです」。

      同様の反応を示す若者は少なくありません。感情的に自分自身の世界に引きこもるか,または同年代の仲間のあいだに逃げ込みます。西ドイツに住む19歳のビルギットは,「両親とうまくいかない時には,だれかの,僕をもっと違った目で見て理解してくれる人の肩に寄りかかって泣きたくなることが本当にあります」と言いました。しかし,家出という思い切った方法に出る若者たちもいます。1981年に,オファー,オストロフ,ハワードの3研究者が4か国に住むごく普通の青年2万名を対象にして行なった調査によると,大多数の若者は,「自分と親との間に問題があるとは思っていません」でしたが,26%は,「できるだけ家にいないようにしている」ことを認めました。警察ざたを起こした若者の約半数はこのように考えていました。―「青年期 ― 心理学的自画像」。

      身体的な意味であれ感情的な意味であれ,自分の殻の中に閉じこもってしまうなら,その理解の不足の悲しい結果として生じるのは若者と親との間の断絶です。しかし,この断絶は,十代の子供に対する親の理解がないというだけの理由で生ずるというのは本当でしょうか。

      「力」対「白髪」

      ティーンエージャーなので見たいことやしたいことがたくさんあるに違いありません。大人の世界の入口にいて,幾つかの大人の特権を楽しもうと待ち構えているかもしれません。箴言 20章29節には,「若者の美しさはその力……である」とあります。

      この新たに得た強さ,すなわち「力」は,世代の断絶の原因になりかねません。箴言は,「老いた者の光輝はその白髪である」と続いています。あなたのご両親のような年配の人々は人生に対して異なった見方をします。あなたの気持ちも分からないことはないでしょうが,人生において経験する事柄すべてがハッピーエンドになるのではないことを親は悟っているのです。長い年月を通して(もしかしたら自分個人の苦い経験によって)現実主義を身につけ,若い時に抱いていた熱狂的な理想主義は和らいできたのです。経験が豊かなために ― 言わば「白髪」であるために ― ある事柄に対して若者と同じようには熱烈にならないかもしれません。

      例えば十代のジムは言いました。「お金のことになると,僕の両親(不況の時期に子供時代を過ごした)は,お金というものは大切なものを買うために,あるいは大切な事柄に使うために貯蓄すべきものだと考えています」。経験の深いジムの両親は,将来の経済的な安定について心配する必要を悟ったのです。「しかし僕は今現在をも生きています。今の時期も僕の人生の重要な部分なのです。僕は方々を旅行したいのです」と,ジムは強く主張します。ジムの「力」と彼の両親の「白髪」が感情的な断絶を作り出します。

      この感情的な断絶は,服装や身づくろい,異性に対する態度,薬物の使用や飲酒,夜間外出時間の制限,交友,また家庭内での作法や雑用などの問題に関しても深くなることがあります。あなたは「若さに伴いがちな欲望」に悩まされながらも,正しい規準に従うよう努力しているかもしれません。(テモテ第二 2:22)そのために感情的な混乱が生ずることもあるでしょう。より多くの面で自立しようとはするもののやはりまだためらいがあり,両親の導きの必要を感じているかもしれません。先に述べた調査で分かったのですが,調査の対象になった人々の63%は,「両親が厳しいことを言うとき,自分は仮に腹を立てるとしても両親は正しいと思う」という一文を肯定しました。

      以上のようなわけで,若者と親との間に断絶のできる理由は複雑です。しかしこの断絶は埋めることができます! その第一歩は,互いに理解する必要を認めることです。

      わたしは親を理解しているだろうか?

      「僕は小さいころ,自然なことなのでしょうが,お母さんは“完全”で弱いところなど一つもなく,僕が感じるようなことは何一つ感じないのだと思っていました」と,ジョンは,両親がまだ離婚していなかった時のことを思い出して語りました。そのときジョンの母親は一人で7人の子供の世話をすることに骨折っていました。

      「母は,色々な事柄についてどうすべきかを私たちに尋ねることが次第に多くなっていました」と,ジョンは言葉を続けました。「そんなある日,僕は母が本当に途方に暮れた顔をしているのを見ました。『一体どうしたのだろう,お母さんは本当にどうしていいか分からないのだ』と僕は考えました。そのとき僕は,母といえどもすべてのことが分かっているわけではないのだということを悟るようになったのです。母もほかの人と同じように『普通の』人間なのだと分かって,そのとき以来母に一層の同情を寄せるようになりました」。ジョンの十代の妹エイプリルも付け加えてこう言いました。「何もかもうまくやってゆこうとしてもできなくて母が泣いているのを見たことを覚えています。そのとき私たちの見方が間違っていることに私は気づきました。母だって,すべてのことをいつも時間通りに,申し分のない方法ですることなどできないのです。母にも感情があり,母も人間なのだということが分かったとき,私たちの心は母に引き付けられました」。

      この若者たちは感情移入を行なうようになりました。そしてそのことは温かい家庭を築くことに寄与しました。「ヤハよ,あなたの見つめるものがとがであるなら,エホバよ,いったいだれが立ち得るでしょうか」と詩編作者は語りました。(詩編 130:3)だれも立つことはできません。あなたにも,あなたのご両親にもできないことです。ペテロ第一 3章8節には,「あなた方はみな同じ思いを持ち,思いやりを示し合い,兄弟の愛情を抱き,優しい同情心に富み……なさい」とあります。

      あなたのご両親が,あなたを正しく育ててゆく自分の能力に大変不安を感じておられるかもしれないことを忘れないようにしましょう。あなたが直面する,そして過度に反応するかもしれない道徳上の多くの危険や誘惑に当惑しておられるかもしれません。またあなたが大きくなるにつれて,ご両親は自分たちが無用な者,愛されない者,誤解されている者のように感じるかもしれません。

      またあなたのご両親はある肉体的,経済的あるいは感情的な苦しみを抱えておられて,あなたがそれに十分に気がついていないということもあるかもしれません。一例として,父親は現在の職は嫌いなのに,家族のためにその気持ちを抑えているかもしれません。子供が,「学校はいやだ」と言うと,それに同情するよりも,むしろ,「何を言っているのだ。お前たちは気楽なものだ!」という返事が返って来るかもしれません。しかしあなたの側に思いやりがあればそうした事態は和らぐのではないでしょうか。

      「自分の問題で手一杯で両親の持つ問題まで考えたことがない」とあるティーンエージャーは言いました。こちらの言うことに耳を傾け,こちらが激しい語調であびせかける言葉を受け止め,同情を示してくれる人がいれば,あなたは感謝するのではないでしょうか。自分に価値があるように感じます。あなたのお父さんやお母さんも同じようにお感じになるのです。「それゆえ,自分にして欲しいと思うことはみな,同じように人にもしなければなりません」と,イエス・キリストは教えられました。―マタイ 7:12。

      これはもちろん言うに易しく行なうに難い事柄です。しかし大きな助けになるのはこの言葉です。「自分の益を図って自分の事だけに目を留めず,人の益を図って他の人の事にも目を留めなさい」。(フィリピ 2:4)ではどのようにしてそうしますか。

      『個人的な関心』を払う

      「母親と母親の母親との関係について,また母親があなたと同じ年ごろの時にどんな機会があったか,またはなかったか,あるいは母親の成長期にどんな選択をすることができると思ったか,あるいは思わなかったか,などについて母親に尋ねてみることです。母親がある種の感情を抱く理由にあなたが関心を持っており,それを意識しているのを知ると,恐らく母親もあなたの感情をもっと意識するように努めるでしょう」と,「ティーン」という雑誌の主筆オーロラ・マッケーは書いています。父親についても同じことが言えます。

      両親の言動を制御することは確かにできませんが,自分自身の反応を制御することはできます。圧力や問題を他の人の視点から見,またわたしたちがみな間違いをする者であることを認めるように努めるなら,洞察力を培うことになります。「人の洞察力は確かにその怒りを遅くする。違犯をゆるすのはその人の美しさである」― 箴言 19:11。

      もしご両親があなたの言い分に耳をかさないなら,囲みの中にある質問を自分自身にしてみてください。そのようにして分析してみれば『違犯をゆるし』,理解の不足を見逃す助けになるでしょう。これはあなたの側の「美しさ」であって,互いに理解することに寄与し,あなたとあなたのご両親の喜びとなります。a

      [脚注]

      a 次号の「目ざめよ!」誌でも,「どうすれば両親に自分を理解してもらえるだろうか」という問題に対する答えとして,積極的な手段をさらに検討します。

      [22ページの拡大文]

      「家庭で一緒に働くことは,親子双方の成長過程に非常にプラスになる。……家政に協力することにより,家族はまさに自分の家の屋根の下で,人間関係をうまくやっていくことについて多くのことを学ぶのである」― エリノア・バーマン著,「協力し合う家族」

      [23ページの囲み記事]

      もしご両親があなたの言い分に耳をかさないなら,次のように自問してみましょう。両親は ―

      ● 気分が悪いのだろうか,それとも心配なことでもあるのだろうか。

      ● わたしが何か思いやりのない行動をしたり言ったりしたために心を傷つけられたのだろうか ― 箴言 12:18。

      ● わたしが問題を起こすことを恐れているのだろうか。その恐れは当たっているのではないだろうか。

      ● わたしが言ったことをただ誤解しているだけなのだろうか。

      [21ページの図版]

      あなたのご両親はあなたを理解してくれますか

  • 『その家に入り,家の者たちにあいさつをしなさい』
    目ざめよ! 1983 | 8月8日
    • 『その家に入り,家の者たちにあいさつをしなさい』

      天に昇る前,キリスト・イエスは弟子たちに,「地の最も遠い所にまで」ご自分の証人になるようにとお告げになりました。(使徒 1:8)エホバの証人が200以上の国々や島々で神の王国の良いたよりを伝えることにより,この命令は遂行されています。

      日本では人口の96%以上に対して,この証言の業が行なわれています。しかし,これはすべての人にすでに個人的に会えたということではありません。家の人が留守で,まだ一度も会えていないような所があるのです。

      このことを考え,エホバの証人はこれら「留守」の家の人に会うよう努めています。『家の人たちにあいさつをする』のがその願いなのです。―マタイ 10:12。

      これら「留守」の家を再び訪問するために努力が払われた結果,多くの家に祝福がもたらされました。次の経験をお読みになってください。

      「私は瀬戸内海の孤立した島に住んでいます。1年余り前のこと,家から家への訪問の際に留守だった家を再び訪問したところ30歳前後の奥さんが出て来られ,私が自己紹介をすると,私を待っていたとばかりに,『主人が毎日聖書を読んでいるのです。私も少し関心があります』と言われました。私は大変驚きました。

      「奥さんは色々と質問されたので,その度に聖書を開いてお話しすることができました。『ものみの塔』誌の予約をお勧めしたところ,『主人が明日いますから来てください』と言われたので,翌日,約束していた時間に訪問しました。するとご主人は好意的ですぐに『ものみの塔』と『目ざめよ!』の両誌を予約され,『わたしの聖書物語の本』も一緒に求められました。そしてこの島に聖書の伝道者がいることにとても驚かれました。次の訪問でご夫婦との聖書研究が始まりました。やがて研究も定期的になり,先祖崇拝をやめ,ご主人はたばこや競馬もやめるよう努力されました。どんどん進歩して,昨年11月からご夫婦で『良いたより』を宣べ伝える業に参加されるようになりました。

      「今回の巡回大会で奥さんはバプテスマによってエホバへの献身を表わされ,ご主人もこの夏にバプテスマを受けることを目指しておられます。親族の方も聖書に関心を示し,ご主人のお母様,妹さん,大阪にいる弟さんご夫婦も学ばれてよく進歩しておられます。私は現在,家庭聖書研究を6件司会していますが,そのうち4件は留守宅訪問がきっかけでした」。

      あなたは,お留守の間にこの雑誌が残されていたために,今これを読んでおられる方かもしれません。さらに多くの情報をお求めになりたいなら,この雑誌の発行者にお手紙をお寄せください。発行者の住所は裏表紙に載せられています。

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