2021年災害救援 兄弟姉妹を見捨てない

2021奉仕年度中，a 世界中が引き続き新型コロナウイルス感染症に悩まされました。「世界的パンデミックの中で世界的な救援活動を行う」の記事で説明されているように，エホバの証人はコロナ対策の救援活動に数千万ドルを費やし，950以上の災害救援委員会を設置しました。

感染症が猛威を振るう中，世界中の兄弟姉妹は，ほかの自然災害や人災の影響も受けています。200を超えるそのような災害に対応するため，統治体の調整者委員会はコロナ対策の救援活動以外に800万ドル（約8億8800万円）を費やすことを承認しました。最近の2つの災害の被害に遭った人たちを助けるために，寄付がどのように使われたかを見てみましょう。

ニーラゴンゴ山の噴火

2021年5月22日，コンゴ民主共和国のニーラゴンゴ山が噴火しました。溶岩流が家や学校や貯水池を破壊しました。危険だったのは溶岩だけではありません。噴火から数日間，有害な火山灰がゴマ市に降り注ぎ，多数の揺れが記録されました。市の半分以上に避難命令が出されました。何十万人もの人が避難し，国境を越えてルワンダに行った人もいました。

避難した人たちの中に，エホバの証人も5000人ほどいました。噴火で家を失った人や，避難後に家が略奪に遭った人もいました。ルワンダとコンゴ民主共和国の救援委員会は救援活動を組織しました。コンゴ民主共和国支部は，ある救援委員会についてこう報告しています。「町が混乱している中，避難命令が出される前から，救援委員会は，食料，水，寝具，衣服を配り始めました」。2000人を超える兄弟たちが避難したある町で，救援委員会はテントを張り，マスクを配り，コロナとコレラに感染する危険を減らす方法を説明しました。

災害から3カ月の間に，兄弟たちは少なくとも米6トン，トウモロコシ粉6トン，食用油3トン，水3トンを配りました。費用を節約するため，支部は値段の高い食料を外国から購入するのではなく，大量の食料を地元で買うよう取り決めました。

新しい家を噴火で破壊された1人の姉妹はこう言いました。「とてもがっかりし，つらくなりました」。でも，姉妹の家族は物資の援助や聖書からの励ましを受けました。今ではこう言っています。「エホバの助けで，今でも必要な物はそろっています。エホバが私たちの荷を負って，耐えやすいようにしてくださっているのが分かります」。

ベネズエラの経済破綻

ベネズエラは何年もの間，深刻な経済危機に陥っています。そこの兄弟たちは，厳しい生活環境，食料の不足，犯罪の増加に耐えています。でもエホバの組織は兄弟たちを見捨ててはいません。

昨奉仕年度中，150万ドル（約1億6700万円）以上を費やして，食料とせっけんを購入し，必要な家族のもとに運びました。ベネズエラ支部はこう報告しています。「130トンの食料を毎月，国の隅々にまで運び，必要な兄弟たちの手元に届けるのは決して簡単なことではありません」。食べ物が腐らないように，兄弟たちはたいてい長く保存できるものを送ります。支部はさらにこう言っています。「季節の食べ物を値段が安い時にまとめ買いします。そして最も費用のかからない方法を使って運びます」。

ベネズエラの災害救援委員会で働くレオネルは，その奉仕を喜んで行っています。こう言っています。「救援活動は特別です。愛する妻をコロナで亡くして以来，この特別な奉仕によって元気づけられています。忙しく働いていて，困っている兄弟たちの役に立っていると感じています。エホバがご自分に仕える人たちを決して見捨てないという約束を果たしておられるのを肌で感じています」。

救援を受けた1人の兄弟は，以前に救援委員会で奉仕したことがありました。こう言っています。「今回は私が助けてもらう番でした。受け取ったのは救援物資だけではありません。兄弟たちは，私と妻が穏やかでいられるようにも助けてくれました。私たちを気遣い，慰め，励ましてくれました」。

災害は予告なしに起きることがあります。それでもエホバの組織は，世界的な活動への寄付のおかげで，たいてい救援物資をすぐに入手して届けることができます。寄付する方法はdonate.jw.orgで説明されています。皆さんの惜しみない寄付に感謝しています。